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» 2006年06月29日 19時15分 UPDATE

黒船来襲……か!?米Googleがオンラインショッピングの世界に進出――その名も「Google Checkout」 (1/2)

「あのGoogleがeBay対抗の決済サービスを始める」――長らく「Gbuy」の名称で噂されていた新サービスはその名称を「Google Checkout」とし、6月29日(米国時間)に正式発表された。Google Checkoutの登場は、インターネット・サービスの世界に、そしてGoogle自身にどのようなインパクトをもたらすのだろうか。

[鈴木淳也,ITmedia]

その名も「Google Checkout」――検索からそのまま買い物へ

ht_0606google01.jpg Google Checkoutのトップ画面

 Googleによれば、新サービスのGoogle Checkoutは、現状のオンラインショッピングが抱える問題の解決からスタートしたものだという。例えば、今このようにインターネットに接続しているユーザーで、Amazon.comのようなショッピングサイトやYahooオークションのようなオンラインオークションサイトを利用したことある人数はかなりにのぼるだろう。だが実際にあらゆる買い物の中でオンラインを利用する割合はどの程度なのだろうか。米Forrester Researchのデータを借りれば、2006年の統計でオンラインでの買い物比率はわずか8%にとどまり、その原因をGoogleは「ショッピングサイトごとに独立した決済システム」「ショッピングカートのチェックアウトにかかる手間の煩雑さや時間のロス」と分析しているようだ。つまり、ショッピングサイトごとに異なる決済プロセスを1つに集約し、共通のIDとパスワードでログインさえすればすぐに買い物が完了する――これが問題解決の1つの手段だ。

 またGoogleでは、この決済システムの提供についてもう1つの分析を行っている。それは、オンラインショッピングを利用するユーザーのうち、実に37%がまず検索から買い物プロセスをスタートさせているという点だ。さらにその25%が、検索結果からそのままショッピングサイトでの買い物に移行しているのだという。もしインターネット検索とショッピングサイトのシステムを連動できれば、これが大きなビジネスチャンスとなる。

 つまりGoogle Checkoutとは、購入プロセスの単純化と検索との連動でワンストップのオンラインショッピングシステムを提供するものなのである。

Googleアカウントで買い物プロセスを一本化

ht_0606google02.jpg Googleアカウントを使ってログインすると、クレジットカード番号と住所(Billing Address)を入力する画面が現れる

 前述のように、ショッピングサイトが提供するショッピングカートや決済システムは独立しており、決済に必要な個人情報の入力やアカウント/ショッピング履歴はユーザーが個別に把握していなければならない。アカウントの分散は管理が煩雑なだけでなく、昨今の個人情報漏えい問題に見られるように、ユーザーにとってはセキュリティ上の不安を抱えるものとなる。Google Checkoutではアカウント情報を一元管理し、ショッピングサイトでのチェックアウト時など、必要なときにGoogleアカウントでログインするだけで決済を完了することができる。クレジットカード情報などはすべてGoogle側が管理するため、アカウント情報の漏えいや悪用のリスクは以前の分散時に比べて減少することになる。また、ショッピングカートの履歴もGoogleアカウントを通してすべて一覧表示させることができ、購入金額やショッピングサイトでの処理状況(キャンセルや出荷ずみなど)を逐次確認できる。

 実際の購入プロセスを見てみよう。まず従来どおりにショッピングサイトで買い物をすませてチェックアウトしようとすると、アカウント情報を確認するフィールドがページ上に現れる。もしGoogleアカウントを持っており、Google Checkoutに必要な情報の登録をすませていれば、そのままIDとパスワードを入力するだけで購入プロセスは完了する。アカウントを持っていなくても、その場でGoogleアカウントを作成して購入することが可能だ。もしショッピングサイトに来るまでにGoogleアカウントでのログインを行っている状態であれば、とくに何の情報を入力する必要もなく「購入」ボタンを押すだけで作業が完了する。

 Google Checkoutのユーザーにとってのメリットは、Googleアカウントを持っており、それにショッピングサイトが対応していれば、商品購入までのプロセスがほとんど簡略できる点だ。さらにアカウントの一本化とクレジットカード情報といった重要な個人情報の漏えい防止の仕組みで、オンラインショッピングをより安全に楽しめるようになる。

ht_0606google03.jpg Google検索を行ったとき、もしスポンサー広告がGoogle Checkoutに対応したものであれば、ショッピングカートのアイコンが出現する
ht_0606google04.jpg オンラインショッピングサイトでのショッピングカートのイメージ。場合によっては、ユーザーが複数の決済システムから好きなものを選べる
ht_0606google05.jpg ショッピングカートでのユーザー情報入力画面の例。すでにサービスにログインずみであれば、すべての情報の入力を省略できる

検索結果との連動で集客効果アップを狙う

 ユーザー側にシンプルさとセキュリティサービスを提供するのと同時に、ショッピングサイトを運営する商店主の側には、より高い集客効果を期待できる仕組みを提供する。具体的には、Google検索の結果表示で出てくるスポンサーのテキストリンクの部分をGoogle Checkoutに連動させ、検索結果からそのままショッピングサイトのショッピングカートまでダイレクトに誘導させる。

 例えば、Google検索で「スピーカー」というキーワードを入力すると、検索結果には通常の「スピーカー」に関連した検索結果が一覧表示されるのと同時に、ページ上部や右側の領域に「スピーカー」に関連したスポンサーのテキスト広告が表示される。もしこのスポンサーのサイトがGoogle Checkoutに対応したショッピングサイトを用意していた場合、スポンサー広告の部分にショッピングカートのアイコンを表示し、クリックしたユーザーをそのままショッピングカートの場面まで誘導させることができる。これにより、広告での集客効果をより高めることを狙う。

 Google Checkoutでは、さらにショッピングサイト側のツールも用意しており、ユーザーの買い物を一覧表示して確認できるほか、クレジットカードへの課金処理、処理ステータスの確認といったバックグラウンドの処理を簡単に行えるようになっている。

 ここでのポイントの1つは、ショッピングサイトがGoogle Checkoutの決済システムを利用した場合の手数料だ。Googleでは、購入時の手数料を個々の買い物プロセスあたり「商品金額の2%+0.2ドル」に設定する計画だという。また、もしショッピングサイトがAdWords経由でGoogleにテキスト広告を出稿していると、この手数料が無料になるという(売上がAdWords広告への出稿料金の10倍を超えるまで)。また一部メディアの報道では、当初はこの手数料が無料で提供されることになるという情報もあり、後述するライバルのPayPalなどの決済システムと比較してお手ごろな設定になっているようだ。

ht_0606google06.jpght_0606google07.jpg 自分のGoogleアカウント情報にアクセスして、購入履歴を確認することが可能だ(画面=左)。右の画面はオンラインショッピングサイト側の管理ツールのイメージ
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