生産面や技術面のアドバンテージに加え、同社が重点を置くのはデザインだ。これは単なる見えや格好だけではなく、製品の開発方針や製品特性、さらには企業の行動や方針にも大きな影響を与えるものと位置付けている。
BenQデザインの特徴を一言でまとめれば、“中庸”だ。これは悪い意味ではなく、実際に同社のデザイン哲学は「相反するものの融合」だ。その1例として、東洋/西洋、スタイル/機能、人間性/テクノロジーなどを挙げる。具体例では、同社のコーポレートカラーに現れている。合理的・ロジカルな意味合いを持つ青を西洋に、それとは反する赤を東洋に見立てて、それを融合させた“紫”をコーポレートカラーに採用したという。
これらの成果は、“East Meets West”を標語にユニークなデザインを生み出し、世界中のデザイン賞に応募し、2004年以降は数々のデザイン賞を手にすることで現れている。
長年、OEM/ODMベンダーとして歩んできただけに実績は豊富で、契約の関係で実名は公開できないが、日本の著名メーカーの製品を数多く生産している。今回は台湾の中心地台北市から車で1時間ほど離れた桃園(Taoyuan)工場を訪れた。
この桃園工場は高機能製品を中心に生産が行われており(大量生産品は中国を中心に、メキシコやマレーシアでも行われる)、主に大画面の液晶TVや液晶ディスプレイ、ハイエンドのプロジェクターが作られている。
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