本体前面には、左から電源スイッチ、スイッチ/ボタンロック、インターネットボタン、東芝プレゼンテーションボタン、マイク入力、ヘッドフォン出力、デジタルボリューム、無線LAN オン/オフスイッチ、スピーカーが並んでいる。電源スイッチは右にスライドさせて電源を投入するが、手応えがまったくないので初めて電源を投入するときは本当にこれでよいのか戸惑ってしまったほどだ。ちょっとした力でも簡単に動いてしまうので、持ち運ぶときなどは電源スイッチの隣にあるスイッチ/ボタンロックの併用が必須となる。なお、スイッチ/ボタンロック、無線LAN オン/オフスイッチはいずれもスライド式で操作方法とオンとオフの状態が見た目で分かるのは便利だ。
インターネットボタンと東芝プレゼンテーションボタンは、コントロールパネルの「東芝コントロール」から機能のカスタマイズができるプログラマブルボタンだ。割り当て可能な機能は、拡張表示、解像度を指定したクローン表示、標準Webブラウザの起動、標準メールソフトの起動、ズームイン/アウト、Microsoft OneNoteの起動、任意のアプリケーションの機能だ。また、ボタンを無効にもできる。できればキーボード上部などもう少し分かりやすい位置に配置して欲しかったが、設定次第ではかなり使えるボタンになる。
インタフェースは、左側面の手前からPCカードスロット、SDカードスロット、VGA、ギガビットLAN、USB 2.0×2が配置されている。ビジネスユースでは頻繁に使うと思われる有線LANコネクタがUSBより手前にあるため、USBケーブルの取り回しでLANケーブルが邪魔になることもあるだろう。また、PCカードスロットの真下にSDカードスロットがあるので、PCカード装着時はSDカードの抜き差しが難しい。右側面は、手前よりセキュリティロック、FAXモデム、USB 2.0となっている。なお、軽量長時間モデルではCFカードスロットも右側面に配置される。右側面にUSBポートがあるのは、マウスを装着して使う場合にケーブルの取り回しが楽なので評価したい。
法人向けノートPCらしく、堅牢性とセキュリティの高さも特筆しておきたい。PCの故障の中でも最も多いHDDクラッシュを防ぐデータ破損対策として、3次元加速度センサでPCの動きを感知して磁気ヘッドを退避させる「東芝HDDプロテクション」、ボディに加えられた衝撃を吸収してHDDに伝えないようにする「プロテクトラバー」によるフローティング構造、底面をわずかにふくらませることでHDDへの衝撃を弱める応力分散ドーム式構造などdynabook S30にはさまざまな工夫がこらされている。また、落下などの衝撃対策として、液晶カバーより本体ベース部を張り出し、エッジ部に丸みを持たせることで液晶パネルへのダメージを軽減させるほか、筐体側面の内部に空間を設けて衝突エネルギーを軽減する「ショックプロテクター」、プラスチックよりも強度に優れたマグネシウム合金ボディを採用している。さらに、本体のキーボード装着部とキーボード下に防水シールを挟み込むことで筐体内部への浸水を遅らせる「ウォーターブロック構造」が取り入れられている。
以上の対策により、dynabook S30は独の認証機関「テュフラインランド」グループの70センチ落下試験と100cc浸水テストを合格している。とくに100cc浸水テストでは、キーボード部に100ccの水を注いだ状態で3分間動作中の状態を保ち続けることが要求される。持ち運びを前提とした用途だけでなく、PCの横に置いた飲み物をこぼしてしまった、という場合にも耐えうる性能を有しているといえる。
セキュリティ機能は、指紋センサ、TPMセキュリティチップ、SDカードトークンといったハードウェア的なものから、BIOSから外部機器の接続を制御する「東芝デバイスコントロール」、BIOS、HDD、ログインパスワード、米国国防総省方式を採用したHDDデータ消去機能などが用意されている。また、FnキーとF1キーの組み合わせで離席時などにすばやく画面表示をオフにできる「インスタントセキュリティ」機能もちょっとした時間だけ席を立つ機会の多いオフィスで便利だ。さらに、電源のオン/オフといったPCの管理情報と障害通知機能を備えた「TOSHIBA Management Console」クライアントがプレインストールされており、別途無償提供される管理者用コンソールと組み合わせることでクライアントPCの一括管理が可能になる。
S30は、ワンセグや史上最軽量ボディといった、ぱっと目をひく機能はなんら搭載されていないカタログ的に地味なモバイルPCだが、ユーザーの使いやすさと分かりやすさ、ビジネスユースにおいては何が重要かという問いに対する東芝の考えが十分に盛り込まれている。これらの事柄はスペックや数値にはなかなか表れないものなので、使ってみるまでは正当な評価が得られないことが多いが、PCの複雑な操作性にユーザーが合わせなければならない製品に疑問を感じているならばきっとdynabook S30のよさが分かるだろう。
PCMark05 | |
PCMark | 1575 |
CPU | 1729 |
Memory | 1907 |
Graphics | 732 |
HDD | 3270 |
HDD - XP Startup | 5.399 |
Video Encoding | 78.504 |
Image Decompression | 6.174 |
WMV Video Playback | 23.004 |
PCMark04 | |
PCMark | 2046 |
CPU | 2112 |
Memory | 2489 |
Graphics | 1004 |
HDD | 3080 |
WMV Video Compression | 26.374 |
DivX Video Compression | 32.858 |
1024×768ドット、nonAA、nonAniso | |
3DMark05 3DMark Score | 331 |
3DMark03 3DMark Score | 991 |
3DMark03 GT1 | 37.6 |
3DMark03 GT4 | 3.9 |
dynabook SS S30 106S/2W(高速HDDモデル) | ||
CPU | Intel Core Solo 超低電圧版 U1300 (1.06GHz) | |
BIOS | Toshiba独自 | |
チップセット | Intel 945GM Express | |
ノース/サウスブリッジ | Intel 945GM Express + ICH7M | |
L2キャッシュ | 2Mバイト | |
メインメモリ | 容量 | 512Mバイト(512Mバイト×1) |
規格 | DDR2 533MHz | |
メモリスロット(空き) | 200ピンSO-DIMM×2(1) | |
ハードディスク | 容量 | Serial ATA 40Gバイト |
回転数 | 5400rpm | |
内蔵光学ドライブ | − | |
ディスプレイ | サイズ | 12.1インチワイド液晶 |
解像度 | 1280×800ドット | |
グラフィックスチップ | Intel GMA950(チップセット内蔵) | |
グラフィックスメモリ | 最大224Mバイト(メインメモリと共有) | |
サウンドチップ | Intel HD Audio(チップセット内蔵) | |
光デジタル音声出力 | - | |
PCカードスロット | 1(Type II) | |
Expressカードスロット | - | |
USB | USB 2.0×3(左側面:2、右側面:1) | |
IEEE1394 | - | |
ビデオ出力 | アナログRGB(左側面) | |
キーボード | 85キー日本語 | |
キーピッチ/ストローク | 19ミリピッチ/1.7ミリストローク | |
ポインティングデバイス | タッチパッド | |
イーサネット | 1000Base-T/100BASE-TX/10BASE-T | |
無線LAN | IEEE802.11a/g/b準拠 | |
Bluetooth | - | |
FAXモデム | v.90対応56Kbpsモデム | |
バッテリ仕様 | リチウムイオンバッテリ | |
バッテリ駆動時間 | 約7.7時間 | |
バッテリ充電 | 約3時間 | |
ACアダプタ | 仕様 | AC100〜240V 50/60Hz |
外形寸法 | 283.8×196.6×26.9〜35.5ミリ | |
重量 | 1.24〜1.27キロ(バッテリパック装着時) | |
搭載OS | Windows XP Pro SP2 |
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