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失ってから気付くまえに――「LANDISK Tera」を使う(1/3 ページ)

» 2006年10月25日 11時00分 公開
[瓜生聖,ITmedia]

 アイ・オー・データ機器からSerialATA HDD4基を搭載するNAS「LANDISK Tera」が発売された。

 HDD1基あたりの容量が増加している現在、RAID構成による冗長性を考慮しても、4基あればテラバイトクラスを実現できるため、その容量自体に目新しさはない。だが、この「LANDISK Tera」は単なるテラバイト超えではない、数々の特徴を備えた製品に仕上がっている。

新設計のRelatioanl HD

 まず目にしたときに気付くのが新設計のカートリッジシステム「Relational HD」。これはアイ・オー・データ機器が同社製品で共通利用されることを前提として設計されたカートリッジだ。構造は極めてシンプルな密閉型プラスティックケースだが、放熱を重視して取っ手を兼ねたエアフロー口、インジケータを兼ねたロック機構を備えている。ホットスワップに対応しており、障害時にはシステムを止めることなく、簡単に交換することができる。HDD交換後は自動的にRAIDの再構築が行われるので、技術の知識のない人でも簡単に作業が行える。

 実際のところ、エンクロージャとなる機器側とのインタフェースにはHDD自身のSerial ATAコネクタをそのまま使用しているため、Relational HDのカートリッジ自体にはまったく電子部品がない。現在、Relational HD対応製品としては5インチベイ内蔵アダプタ、外付け用USB2.0/eSATAケースなどが用意されている。Relational HDの「ガワ」だけが安価に販売されれば、手元に余っているHDDの活用にも役立つ。原価率の関係などから難しいのかもしれないが、今後の単体発売を期待したい。

前面にUSB×1、背面にUSB×1とeSATA×2を搭載する。本体サイズは170(幅)×230(奥行き)×183(高さ)ミリとコンパクトだ
新設計のRelatioanl HDを採用し、システムを止めることなく手軽にHDDの交換が行える(写真=左)。カートリッジの前面は取っ手を兼ねた通気口が空いている(写真=中央)。電源ユニットのほか、内部温度と連動して回転制御される12センチファンを1基内蔵する(写真=右)

多彩なRAID構成と拡張性

 「LANDISK Tera」本体には4台のRelational HDが搭載可能となっており、いくつかのRAID構成を選択できるようになっている。下に各RAID構成の特徴を挙げておく(10/26 補足:標準構成の4台の内蔵HDDで選択可能なものに限定している)。

  • RAID 0

 4台のHDDに分散して書き込みを行うストライピング。ディスク容量を100%利用でき、かつ記録と読み出しが高速に行えるのが特徴だ。ただし、1つでもHDDに障害が発生すると機能しなくなるなど、冗長性がないため信頼性は低い。

  • RAID 1+0

 2台のHDDに対してミラーリングを行い、それを2組でストライピングする。高速かつ高信頼性が得られるが、ディスク容量を50%しか利用できない。(記事初出時「2台のHDDに対してストライピングを行い、それを2組でミラーリングする」となっておりました。お詫びして訂正いたします)。

  • RAID 5

 HDD総数-1台分のデータと1台分のパリティを分散して書き込みを行う。4台の場合は全体の75%、3台の場合は67%のディスク容量を利用でき、速度、信頼性、利用率のバランスの取れた形式。

 いままでのNASなどに見られた、各HDDを独立したドライブとして利用するモードは廃止されている。LANDISK Teraを導入してそのような使い方をすることは考えにくいため、これは問題にはならないだろう。

 そのほか、背面にeSATA×2、USB×1、前面にUSB×1、計4基の拡張用インタフェースを備える。ユニークなのはeSATA 1基で利用可能なミラーリングモード、それと前面のUSBのコピーモードだ。ミラーリングモードでは外付けしたHDDを内蔵ドライブのミラーディスクとして使用する。ミラーリングを行った後に「ミラーディスクの保管」を行って外付けHDDを取り外しておくことも可能だ。この場合は内蔵HDDに問題があったときに、取り外しておいたミラーディスクからデータを復旧できる。

 ただ、マニュアルには「定期的に交換することで、ミラーリングを行いながら、ミラーリングしたディスク上に作成した共有データ、すべての設定情報を一定期間バックアップとして保管するといった運用も可能になります」と紹介されてはいるものの、実際にこのような使い方はあまりしないだろう。ミラーディスクからの復旧にはRAID5の場合で約12時間かかり、その間のミラーリングによるデータ保護は有効ではない。通常の運用としてはちょっと難しいと思われる。(10/26 補足:「ミラーディスクの保管」を行って取り外した外付けディスクからの復旧の場合。なお、復旧中もディスクの利用は可能)。

 一方、前面のUSBポートに割り当てられたコピーモードはぐっとコンシューマよりの機能だ。デジカメやUSBメモリなどを接続し、COPYボタンを押すだけで自動的にファイルがコピーされる。コピー先はディスク単位での指定になっており、セキュリティ的にはかなりオープンだが、家庭内で使うことを考えれば気にならない。

 このようにLANDISK Teraの特徴としては、内蔵最大4台、外付け最大4台のストレージを柔軟に運用できる、ということが挙げられる。RAID 5を選択した場合でも、内蔵4台すべてで構築するだけでなく、内蔵の3台のみで構築し、残り1台は通常のNTFSで運用するという方法をとることができるため、残りの1台を大容量のものに入れ替えるなどして、基本的にLANDISK Teraでデータの移行を行えるのがメリットだ。

※記事初出時、「容量アップのために全HDDを交換できる」との記述がありましたが、すべてのHDDを交換する際は同容量のHDDに制限されるため、容量アップという記述は誤りです。また、全HDDを交換する場合は、1台を本体に残し、2段階で行う必要があります。お詫びして訂正いたします。

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