レビュー
» 2006年12月01日 11時00分 公開

BTXなベアボーンキット:スタイリッシュなIntel G965BTXベアボーン──ASUS「T3-P5G965」 (1/2)

じわじわと数を増やしているBTXフォームファクタ。ついにBTXに対応したASUSのミニタワー型ベアボーンキットの使い心地を試してみた。

[富永ジュン,ITmedia]
Intel G965 BTXマザーを採用したベアボーン「T3-P5G965」

 ASUSからリリースされた「T3-P5G965」は、同社のミニタワー型ベアボーン「Terminator」シリーズの第3世代で、同社製品においては初となるBTXフォームファクタが採用されている。一般的なスリムタワーPCよりも幅広でその分奥行きが短い、容積約18.3リットルの筐体サイズはそのままに、デザインは落ち着いたつや消しシルバーとホワイトを基調としてカラーリングに変更された。また、前世代まではドライブベイ部分や前面のインタフェースパネルが目立つ外見だったのが、T3-P5G965では上下スライド式のフロントパネルと光学ドライブカバーを採用することで筐体前面をすっきりと仕上げている。なお、フロントパネルを下にずらすと6-in-1カードリーダーとインタフェースパネルが現れる。

 マザーボードはこのベアボーン専用のもので、チップセットはグラフィックスコア内蔵のIntel G965とICH8の組み合わせ。CPUソケットはLGA 775だ。拡張スロットはPCI-Express x16とPCIがそれぞれ1本ずつで、グラフィックス機能の強化やTVチューナーカードなどの増設ができる。DDR2-800対応のDIMMスロットが4本搭載されていて、最大搭載可能メモリ容量は8Gバイトになる。オンボードで用意されている機能は、ギガビットLAN、8chサウンド、IEEE 1394、USB 2.0と基本的なものは網羅されている。Serial ATAポートは3基、Ultra ATA/133が1ポート用意されている。ドライブベイは5インチベイが1基、3.5インチシャドウベイが2基。3.5インチオープンベイは用意されていないため、FDDの取り付けができない。電源は300ワット容量のものが内蔵されている。

正面はホワイトのパネルの上にシルバーのカバーが乗った感じにある。この状態でボタンは電源のみと至極シンプルだ
フロントカバーを下げるとUSB 2.0、IEEE 1394、角型光入力、3種類の規格ごとに用意された専用カードスロットが姿を見せる。右端の縦長スイッチは光学ドライブのイジェクトスイッチだ
バックパネルにはe-SATAコネクタ、角型光出力、6ピンのIEEE 1394などが目立つ。電源ユニットは下に位置する

パーツ組み込みの作業性にもう一工夫

 結論からいってしまうが、T3-P5G965を実際に組み立ててみた筆者の正直な感想は「荒さが目立つ」だった。たしかに手が当たってもケガをしないようにシャーシの端などに折り曲げ加工が施されていたり、ケーブル類はあらかじめシャーシに沿って取りまとめられているなど、安全性や作業性を高める工夫がなされている。しかし、すべての面において「ここがもう少しこうだったら」と思ってしまうのだ。

 筐体内部にアクセスするには、まず背面のネジを3つ外して筐体の両側面と上部を覆うカバーを取り除く。この段階でもある程度内部は見えるが、電源やHDDシャドウベイが邪魔になってCPUやメモリ、拡張カードの着脱は不可能だ。この状態からさらに側面のシャーシ部にあるネジを2つ外すことで筐体底面と電源ユニット、HDDシャドウベイが外側に90度展開して、マザーボードが完全に露出する仕組みだ。ここに至るまでが少々手間だが、ここまでくれば、視認性や作業性はようやく通常のミドルタワー並みになる。

 この作業で戸惑ったのが「ネジ」だ。ローレットスクリューは一切使われておらず、すべてのネジを外すのにドライバが必要だ。さらにネジの数が多く、部位によって形状が微妙に異なるために外したあとの管理に気を遣わなければならない。完全なドライバレスが必要とは言わないが、ここまでネジに悩まされるベアボーンも今となっては珍しいのではないだろうか。パーツ組み込み作業の取り掛かりにおいて、筐体サイズにさらに制限があるキューブ型ミニベアボーンでももっと作業がしやすい製品があるだけに、この面においてT3-P5G965はやや辛口にならざるを得ない。

 同梱のCPUクーラーは、ヒートシンクとエアダクト、12センチ角冷却ファンで構成されていて、四隅をネジで留めるタイプのものだ。(掲載当初、ヒートシンクの取り付けでネジを強く締める必要があると記載していましたが、マニュアルの説明どおりにヒートシンクの緩衝材をはがすことで容易にCPUとヒートシンクが密着します。ここにお詫びして訂正いたします)

 前述の通り、HDDシャドウベイはシャーシと一体化しているため、HDDをマウンタに入れるときやネジで固定するとき、ケーブルを差すときなど少し作業しづらい。同梱のSerial ATAケーブルのコネクタ部がL字型になっていて、マウンタのすぐ後ろにある電源に接触しにくいよう配慮されている。なお、光学ドライブについてはHDDシャドウベイと同じくマウンタを取り外すことはできないわけだが、マウンタが筐体最上部にあるため取り付け作業に何の問題も感じなかった。

 拡張カードの抜き差しには、筐体背面のネジを1つ外してスロットカバーを固定している小さなパネルを取り除く。拡張スロットの周囲は空間に余裕があるため、比較的大型のグラフィックスカードでも装着できる。ただし、PCIスロットとPCI Express x16スロットは近接しているため、両方のスロットを使う場合は厚みが少ないグラフィックスカードを選びたい。今回試用した個体の問題かもしれないが、このパネルがかなり力を入れないと外せなかった。初めて外すときはこのやり方でよいのかと不安になってしまったほどだ。

カバーを外した上体でPCI-Express x16スロット、PCIスロットにアクセスできるが、それ以外には手が出せない
電源ユニットと3.5インチシャドウベイを収めたフレームを跳ね上げるとようやくマザーボードの上がクリアになる。下にあるフレームがこのように跳ね上がるので、作業は筐体を倒して行うようになる

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