さて、サポートアプリケーションとして公開されているソフトの中からいくつかをピックアップし、実際にインストールしてみた。その結果をお知らせしよう。
<Microsoft Office 2003>
サポートされているOfficeの最新バージョンは2003。日本語入力にはMac OS側の日本語入力環境「ことえり」が使用される。Wordで日本語入力を行うと未確定中はカーソルが移動せず、確定すると同時に一気に末尾に移動する。ちょうど入力をフックして確定後に流し込んでいるような動作だ。
一方、Excelのセル内編集はWordとは異なり、カーソル位置も入力に応じてきちんと移動する。ただし、かな入力中に確定させないまま英数字に切り替えて入力を続け、最後にエンターキーで確定させると、かな入力していた部分が次のセルに入力されてしまった。また、それほど大きな問題ではないかもしれないが、Excelのデータ入力規則で日本語入力を「ひらがな」などに設定しても正しく制御されない。
おそらく今回のバージョンアップ(6.0から6.1へ)における日本語対応化では、Microsoft Officeでの日本語環境は最重要ポイントだったと思われる。そのため「全然使えない」ということはなく、むしろ「普通に使えます」と言ってもいいくらいに力を入れて改良されている。だが、先に指摘した部分はユーザーのフィーリングに直結するところでもあるため、ちょっとした非互換性や不具合が気になってしまう。
また、そのほかの不具合では、Excelで0以上1未満の乱数を発生させる“RAND()”関数の結果に負数が現れるという現象も見られた。
追記:記事初出時、RAND()関数に不具合があるという記述がありましたが、こちらはExcel2003のバグであり、パッチを手動であてることで回避できる可能性があります。詳しくはhttp://support.microsoft.com/kb/834520/を参照ください。お詫びして訂正いたします。
<Internet Explorer 6.0>
Internet Explorer 6.0(以下、IE6)はインストーラを自分で準備する必要はなく、アプリケーションインストーラからIE6を選択すると自動的にMicrosoftサイトからダウンロードを行う。また、関連するソフトウェアとして、自動的にDCOM98、Windows OLE componentsがインストールされる。IE6のインストールだけであればそれほどうれしいこともないのだが、Windows Media Playerが動作すれば、GyaoなどのWindows専用サービスが利用できる期待がふくらむ。ちなみに、Windows Media Playerは未サポートアプリケーションなので別項にて紹介したい。
さて、IE6はWebサイトの閲覧に関してはおおむね良好に動作する。しかし、筆者の環境では、Webサイトからファイルのダウンロードを行うと、進行が99%、おそらくインターネット一時フォルダから指定フォルダへコピーするあたりで停止してしまうという現象が起きた。そのため、一度も正常にファイルをダウンロードすることができなかった。
<Photoshop 7>
Photoshopは有用なソフトだが、プラットフォームごとに別バージョンを用意するのは、金額面でなかなか厳しい。すでに持っているWindows版がMacできちんと動くなら、わざわざ買う人はいないだろう。
ただしPhotoshopに関しては、CrossOverでサポートされている最新バージョンが、来月発売予定のCS3から数えて3世代前のPhotoshop 7にとどまっているのが残念だ。というのも、現在アドビのサポートはCS以降のみとなっており、Photoshop 7はすでにサポートが切れている(もっとも、CrossOver環境ではそもそもサポート対象外だと思われるが)。正直なところ、バージョン番号のついたPhotoshopの表記は久し振りに見たなあ、という印象だ。
実際に試してみたところ、動作は比較的高速で、ストレスを感じることはほとんどなかった。ただし、パフォーマンスは問題ないのだが、ウィンドウやパレットを移動すると再描画に失敗し、画面が破たんしてしまうことが何度かあった。フォトレタッチソフトとしては致命的だ。
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