カカクコム社長が語る「ユーザーは価格よりスペック重視」

» 2007年07月11日 22時04分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 デルの「Vostro」ブランド発表会にゲストスピーカーとして登場した田中実カカクコム代表取締役社長は、価格.com利用者のサイト内の行動から、PCを購入するユーザーが「どのような項目を重視して製品を買い求めるか」に関する興味深いデータを紹介した。

 「“この製品を買いたい”という消費の欲望が起きたとき、決め打ちでその製品しか買わないユーザーは珍しく、ほかの製品との比較をインターネットでしたうえで買われているのではないかな」と述べる田中氏が示した資料には、2007年6月11日から17日にかけて収集された、デスクトップPCとノートPCそれぞれにおける「スペック検索」回数が示されていた。

田中実カカクコム代表取締役社長。銀行員時代に米国勤務を経験しているが、そのとき、創立したばかりのデルコンピュータにたいする融資業務を担当していたという
価格.comユーザーがデスクトップPCに関する項目で検索する回数
同じく、価格.comユーザーがノートPCに関する項目で検索する回数

 それによると、デスクトップPCで検索回数が多いスペック項目は「メモリ容量」「CPU」「OS」「HDD容量」の順になっていて、「価格」の検索回数は「モニタサイズ」に次いで第6位となる。

 この結果について田中氏は「オーソドックスな検索がされているなと。価格.comなので価格を重視して欲しいけれど、(購入者は)あまり価格を重視していない。1万円2万円の差ならば、自分の納得する買い物をしたいと考えているようだ」という分析を述べている。

 ノートPCでは、「価格」という項目がデータとして抽出されていないため、価格が購入する製品の決断にどれだけ影響するかを数値として知ることはできないが、田中氏はノートPCのデータについても「価格はそれほど重視されていない。購入者は、いいものであれば多少お金がかかっても買いたいと思っている」と説明している。ちなみに、ノートPCで重視されるのは「本体サイズ」「メモリ容量」「(導入されている)OS」「CPUの種類」「HDD容量」の順になっていて、これらの検索回数がほかの項目より圧倒的に多い。

 ノートPCなのにバッテリー持続時間の検索回数や無線LANの有無、ワイド液晶パネルの検索回数は下位グループに入っていて、重さも25項目中9位とそれほど高くない(重さより優先されるのは“液晶サイズ”)など、携帯性能に関する項目は総じて検索回数が少ないことは興味深い。また、デスクトップPCでもノートPCでもCPUの“種類”は高い検索回数を示しているのに、CPUの周波数やモデルナンバーの検索はほとんど行われていないあたりに、CPUで気になるのは「インテル製か」「AMD製か」に集約されるユーザーの「選択基準」がうかがえる。

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