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» 2007年07月13日 09時00分 UPDATE

“3倍速い”新メモステで戦力アップ:メモリースティックPRO-HGデュオ+ExpressCardアダプタでVistaを快適化 (1/2)

最大30Mバイト/秒の高速転送をうたう「メモリースティックPRO-HGデュオ」は実際のところスゴイのか? Windows Vista搭載ノートPCで性能をチェックした。

[前橋豪,ITmedia]

メモリースティック“PRO-HG”とは?

tm0707hg01.jpg メモリースティックPRO-HGデュオとExpressCard/34型アダプタ

 ソニー製デジタルカメラや携帯電話、PSPのユーザーなら、メモリースティックを複数枚持っているケースも少なくないだろう。とはいえ、昨今のメモリカード市場はSDメモリーカードが主流となっており、かつてはメモリースティック以外のメモリカードスロットを積極的に実装してこなかったVAIOノートであっても、最近はSDメモリーカードスロットを設けたモデルが大半という状況だ。

 こうした現状から、いまやメモリースティックは、一部のソニー製品を使うユーザーだけが購入する記録メディアといった印象も受けるが、ここに来て大幅なパフォーマンスアップが行われようとしている。それが8月に市場投入される予定の「メモリースティックPRO-HG」だ。

 メモリースティックPRO-HGは、ソニーとサンディスクが共同開発した「メモリースティックPRO」フォーマットの拡張規格。従来の4ビットパラレルインタフェースにデータ転送用の端子を追加し、8ビットパラレルインタフェースを採用している。さらにクロック周波数をこれまでの40MHzから60MHzに高速化することで、インタフェースの最高転送速度(理論値)をメモリースティックPROの約3倍にあたる60Mバイト/秒(480Mbps)まで高速化しているのが特徴だ。

 最低書き込み速度も定められており、8ビットパラレル転送時で15Mバイト/秒(120Mbps)、4ビットパラレル転送時で5Mバイト/秒(40Mbps)を保証する。こちらもメモリースティックPROの最低書き込み速度1.87Mバイト/秒(15Mbps)から飛躍的に高速化した格好だ。ちなみに、SDメモリーカードの上位規格であるSDHCメモリーカードの最低書き込み速度は、Class 6で6Mバイト/秒(48Mbps)、Class 4で4Mバイト/秒(32Mbps)、Class 2で2Mバイト/秒(16Mbps)なので、これも大きく上回る。

3種類の容量で8月に発売される「メモリースティックPRO-HGデュオ」

 ソニーが8月に発売するメモリースティックPRO-HG規格の記録メディアは、外形寸法20(縦)×31(横)×1.6(厚さ)ミリの小さな“デュオ”サイズに収まった「メモリースティックPRO-HGデュオ」だ。ラインアップは容量別に3種類あり、実売予想価格は4Gバイト版の「MS-EX4G」が2万5000円前後、2Gバイト版の「MS-EX2G」が1万3000円前後、1Gバイト版の「MS-EX1G」が8000円前後となる。容量については、すでに8GバイトのメモリースティックPROデュオが発売されているため、これに比べると劣るが、速度面でのアドバンテージは大きい。

 ソニーによる速度検証によると、8ビットパラレル転送時で30Mバイト/秒(240Mbps読み出し/書き込み)、4ビットパラレル転送時で13Mバイト/秒(104Mbps読み出し/書き込み)のデータ転送を実現したという。60Mバイト/秒(480Mbps)という理論値には届かないが、現時点での高速SD/SDHCメモリーカードは最大22.5M〜24Mバイト/秒程度の転送速度なので、メモリースティックPRO-HGデュオはより高速な小型メモリカードと言える(サイズは大きくなるものの、CFには最大転送速度40Mバイト/秒をうたう製品も登場している)。

 ただし、メモリースティックPRO-HGデュオで30Mバイト/秒の転送速度を実現するには、一般的なUSB 2.0カードリーダー経由での接続ではなく、同時発売されるExpressCard/34型アダプタ「MSAC-EX1」(8980円)経由での接続が必要だ。USB 2.0カードリーダー経由で接続する場合、転送速度は最大13Mバイト/秒となる。

tm0707hg02.jpgtm0707hg03.jpgtm0707hg04.jpg メモリースティックPRO-HGデュオは既存のメモリースティックPROデュオと同じサイズで互換性がある(写真=左)。ExpressCard/34型アダプタ「MSAC-EX1」はデュオサイズ専用で、スタンダードサイズのメモリースティックは使用できない(写真=中央)。メモリースティックPRO-HGデュオをExpressCard/34型アダプタに装着する場合は、カードを完全に収納でき、端が飛び出すようなことはない(写真=右)

メモリースティックPRO-HGデュオ+ExpressCardアダプタの性能は?

 今回は、2GバイトのメモリースティックPRO-HGデュオ(MS-EX2G)と、ExpressCard/34型アダプタ(MSAC-EX1)を入手できたので、既存のメモリースティックPROデュオや高速SDメモリーカードなどとデータ転送速度を比較してみた。

 テストは、EP82改/かず氏が公開しているフリーソフト「FDBENCH 1.01」を利用し、シーケンシャルリード/ライト、ランダムリード/ライトの時間を計測するというもの。テストは5回ずつ行い、以下には平均値を掲載している。

 メモリカードは、2GバイトのメモリースティックPRO-HGデュオ(MS-EX2G)、転送速度10Mバイト/秒(80Mbps)のハイスピード型メモリースティックPROデュオ(MSX-M2GNU)、通常型のメモリースティックPROデュオ(MSX-M2GS)を用意した。メモリースティック以外では、転送速度20Mバイト/秒(160Mbps)で容量2Gバイトの高速SDメモリーカード(サンディスク Extreme III)と、4GバイトのUSBフラッシュメモリ(ハギワラシスコム Lumitas M)のテストも行っている。

 3タイプのメモリースティックPROデュオは、ExpressCard/34型アダプタ経由とUSB 2.0カードリーダー経由での2パターンでテスト。SDメモリーカードはUSB 2.0カードリーダー経由のみ、USBフラッシュメモリはPC側のUSBポートに直接装着した。USB 2.0カードリーダーは、エレコムの「MR-A33H」を使用している。当然ながらMR-A33Hは、まだ発売されていないメモリースティックPRO-HGデュオに対応していないが、メモリースティックPROデュオとの互換性があるため、問題なく利用できる。

tm0707hg05.jpg MSAC-EX1を使うにはドライバのインストールが必要だ

 ちなみにExpressCard/34型アダプタのMSAC-EX1は、Windows XP(SP2)/Vista、Mac OS X v10.4(v10.4.9以降)の各OSに対応しているが、PCカード型やUSBタイプのメモリカードリーダーと異なり、導入時に付属のCD-ROMからドライバをインストールする必要がある点に注意したい。

 テストに用いたマシンは、GatewayのWindows Vista Home Premium搭載ノートPC「MT3303j」。CPUはAMDのSempron 3500+(1.8GHz/L2キャッシュ512Kバイト)、メインメモリは1Gバイト、HDDは4200rpmのUltra ATAタイプ、チップセットはグラフィックス機能統合型のNVIDIA C51MVを採用した、エントリークラスのノートPCだ。

tm0707hg06.jpgtm0707hg07.jpg シーケンシャルリード/ライトの計測結果(写真=左)。ランダムリード/ライトの計測結果(写真=右)

 テスト結果を見ると、メモリースティックPRO-HGデュオとExpressCardアダプタを組み合わせた際のパフォーマンスが非常に高い。ハイスピード型のメモリースティックPROデュオとExpressCardアダプタを組み合わせた場合に比べて、シーケンシャルリードで約2.7倍、シーケンシャルライトで約3.5倍、ランダムリードで約2.3倍、ランダムライトで約2.2倍もの速度向上を果たした格好だ。もはや通常のメモリースティックPROデュオとは別次元の転送速度を確保している。

 USB 2.0メモリカードリーダーを接続すると、メモリースティックPRO-HGデュオのパフォーマンスは半分程度に落ちたが、それでもハイスピード型のメモリースティックPROデュオに対する速度差は確実に存在する。このことから、ExpressCardスロットを搭載していないPCであっても、メモリースティックPRO-HGデュオの恩恵は得られるだろう。

 ほかの記録メディアに関しては、アダプタを介さないUSBフラッシュメモリはもちろん、高速SDメモリーカードのExtreme IIIが、USB接続にもかかわらず、良好な結果を残したのが目立つ。とくにExtreme IIIのランダムライトは、メモリースティックPRO-HGデュオとExpressCardアダプタの組み合わせを追い抜く健闘ぶりだ。

 とはいえ、前述の通り今回使用したUSB 2.0メモリカードリーダーはメモリースティックPRO-HGデュオに正式対応していないので、今後PRO-HGデュオの利用を想定したカードリーダーが登場すれば、USB接続でのパフォーマンスが向上することも考えられる。

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