FSB1333MHzで性能はどうなる?──「Core 2 Extreme QX6850」「Core 2 Duo E6750」を検証するイマドキのイタモノ(1/2 ページ)

» 2007年07月17日 06時00分 公開
[笠原一輝,ITmedia]

FSBの1333MHz引き上げでマザーボードの対応も必要

 FSBが1333MHzに引き上げられたCore 2 Extreme QX6850とCore 2 Duo E6750は、以下のようなスペックになっている。

クロック周波数FSBL2キャッシュコア数VTTXT
Core 2 Extreme QX68503GHz1333MHz8MB(4MB×2)4-
Core 2 Extreme QX68002.93GHz1066MHz8MB(4MB×2)4-
Core 2 Duo E67502.66GHz1333MHz4MB2
Core 2 Duo E67002.66GHz1066MHz4MB2-

SpeedStepIntel64XDViiv TechnologyvPro Technology
Core 2 Extreme QX6850-
Core 2 Extreme QX6800-
Core 2 Duo E67502007年版
Core 2 Duo E67002006年版

CPU_Zで表示したFSB 1333MHz対応の新CPUの情報。左がCore 2 Extreme QX6850で右がCore 2 Duo E6750。正式発表前の内容なので、製品版ではこの情報が変更されている可能性もある

 いずれもインテルの正式発表前の製品であるためCPUIDをチェックするソフトウェアなどを利用して調べた結果に基づいて筆者が予想しているものなので、正確なスペックなどはインテルの発表を待つ必要がある。

 とはいえ、現状で推測しうる内容で大きな特徴は、FSB(Front Side Bus)と呼ばれるCPUとチップセットのノースブリッジを接続するバスの動作周波数が1333MHzに引き上げられていることだ。従来のCore 2 ExtremeとCore 2 Duoシリーズは1066MHzだったので、FSBは25%の性能向上を実現したということになる。

 FSBの引き上げによって、CPUがメモリとやりとりをするときの帯域幅が引き上げられることになる。メモリ側に十分な帯域幅が確保されている場合、FSBの向上はシステム全体の性能向上につながる。とくに、クアッドコアのCore 2 Extremeは、2つのCPUダイをCPUプレート上に実装してクアッドコアにしている形になっており、各ダイに用意されている現状4MバイトのL2キャッシュとのやりとりはFSBを経由しているため、その部分でも性能向上が期待できることになる。

 1333MHzのFSBを利用するには、チップセット側も対応している必要がある。インテル製チップセットの場合、1333MHzに対応しているのは、「Intel 3シリーズ」と呼ばれる最新チップセットのみで、Intel G965、同P965、Intel 975Xなどの2006年までに登場したチップセットはFSB1333MHzに対応していないので注意したい。手持ちのPCでそれらのチップセットを搭載したマザーボードを利用しているユーザーがFSB1333MHzのCPUを使いたいならば、マザーボードをIntel G33や同P35などのIntel 3シリーズチップセットを搭載したマザーボードに交換する必要がある。

 なお、NVIDIAによれば、同社のnForce 680i SLIに関してもFSB1333MHzに対応しており、すでに出荷されている製品でもBIOSアップデートなどで対応可能であるという。nForce 680iユーザーには朗報と言えるだろう。

Gステップにリビジョンアップすることで消費電力が低減

システム全体の消費電力

 インテルはCore 2 ExtremeとCore 2 Duoシリーズに新しい設計のダイとなるGステップ(G0 Stepping)を2007年の第2四半期から投入している。すでに明らかになっていることとしては、GステップのCore 2 Quad Q6600の存在が明らかにされており、TDPが従来の105ワットから95ワットへ下げられているという。

 このGステップのダイは、FSB1333MHzの製品でも採用される。ユーティリティソフトで調べたところ、今回入手した2製品もGステップになっている。この原稿を執筆している時点では、両製品の熱設計消費電力(TDP)などが明らかにされていないため、従来の製品からどの程度下がっているのか明らかにできないが、製造のことを考えると、おそらく従来通り130ワット、65ワットという枠になっていると考えられるだろう。というのも、TDPを下げることは、歩留まりの低下につながるため、製造コストを考えると枠そのものは変えないほうが有利だからだ。

 だが、実際にはピーク時の消費電力や平均消費電力などは下がっている可能性が高い。実際に計測してみると、Core 2 Extreme QX6850、Core 2 Duo E6750とも従来製品に比べて消費電力が下がっている結果が示されている。例えば動作クロック3GHzのCore 2 Extreme QX6850の場合、従来ステップのCore 2 Extreme QX6800(動作クロック 2.91GHz)に比べて、アイドル時もアプリケーション起動時も明らかに下がっている。

 もっとも、機材の都合で前者はIntel P35マザーと、後者はIntel 975Xマザーを組み込んだシステムで測定した結果なので、下がっている消費電力のなかには搭載するチップセットの分も加味されている可能性が考えられる。そこで、同じIntel P35を組み込んだマザーで測定したCore 2 Duo E6750と同 E6700(動作クロックはともに2.66GHz)で比べてみると、やはり、Core 2 Duo E6700に比べてCore 2 Duo E6750の消費電力が大きく下がっているのが分かる。Gステップになることで、消費電力が大きく下がっていることも新しいCore 2シリーズの特徴と言っていいだろう。

Core 2Duo E6750Core 2 Duo E6700
アイドル時102114
エンコード時137138
3DMark05ゲーム1131160

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