先週、アースソフトのハイビジョン対応ビデオキャプチャカード「PV4」が複数のショップに入荷した。価格は2万円前後で、先週中に入荷した分はすべて売り切れている。
PV4はソフトウェアエンコードで480i/480p/1080i/720pでのビデオキャプチャが可能なPCI型の拡張カード。2系統のD4入力端子により、独自コーデックでハイビジョン映像を取り込むことができる。
(※記事初出時、PV4に関して「ハードウェアエンコード」という記述がありましたが、正しくは「ソフトウェアエンコード」です。お詫びして訂正いたします)
アースソフトがホームページで各ショップへの出荷を告知したこともあり、先週の水曜日にはPV4を求めるユーザーが終日アキバを巡回していた模様。ツートップ秋葉原本店には60人近くのユーザーが詰めかけている。
実際に入荷した夕方まで、多くのショップは未入荷を大勢のユーザーに伝える対応に追われた。ツートップ秋葉原本店は18時からの発売を告知することで混乱を回避したが、そうした対策を施さなかった某ショップは「朝から夕方まで、同じ人に何度も“まだ入っていません”と繰り返しましたよ。もう、仕事になりませんでした」と相当苦労した様子で語っていた。
これだけの反響を呼んだ製品ながら、店員さんの評判はあまり芳しくない。ある店員さんは「ハイビジョンキャプチャなのにPCI接続を選んだのは疑問。確実にボトルネックになって、コマ落ちが発生してしまう。前モデルのPV3と同じ3万円前後で良いので、PCI-Express x1にしてほしかった」と話す。
また、別の店員さんは“大ヒット”という前提も否定した。「盛り上がっているのはごく一部のアニメファンと転売屋だけ。彼らの多くはほかのパーツを買わないので、こちらの利益もほとんどない。普通の客層と明らかに違うので、店内の雰囲気も異様でした。正直、Web直販だけに止めてほしかった」と、胸のうちを明かす。
なお、PV4によく似た製品に、1カ月前から少数出回っているエスケイネットの「Monster X」があるが、こちらはハイビジョン映像の再生のみをサポートしており、価格も約1万円高い。ただし、保証外の改造を施すことで、キャプチャも可能になるとの噂があり、PV4を買いそびれた人を中心に再び人気が高騰しているという。
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