いまだ健在、これぞパワフルノート──レノボ・ジャパン「ThinkPad T61p」(2/3 ページ)

» 2007年10月04日 10時00分 公開
[笠原一輝,ITmedia]

DirectX 10に対応したQuadro FX 570Mと1920×1200ドット表示の液晶ディスプレイを採用

 液晶ディスプレイは最大解像度1920×1200ドットで、AVの世界で言うところのフルHD(1920×1080ドット)を超える高解像度を実現している。画面を広く使えるメリットがある半面、パネルサイズが15.4インチなのでドットピッチは0.17ミリとなり、その表示はかなり細かくなる。ただ、ドットピッチの問題は、Windowsでフォントサイズを大きく設定すれば対処可能なので特に大きな問題とはならないだろう。

最大解像度は1920×1200ドットと、17インチワイドクラスの情報量を誇る。ただし、サイズが15.4インチなので、細かい文字が苦手なユーザーはフォントサイズなどの設定変更が必須だ
従来モデルのT60pとほぼ同様のキーボードレイアウト。ポインティングデバイスにトラックポイントとタッチパッドの両方を用意する

 GPUにはNVIDIAのQuadro FX 570Mが採用されている。これまでThinkPad“p”ラインアップでは、チップセット内蔵の場合にはIntel GMAシリーズを、外付GPUの場合にはAMD(ATI Technologies)のMobility Radeonシリーズを採用してきたが、この「Santa Rosa」世代からは外付GPUがQuadroシリーズに変更されている。

 コンシューマーユーザーになじみが薄いQuadraだが、チップそのものはGeForceシリーズとまったく同等で、その違いはQuadro専用のドライバが用意されていることに尽きる。ビジネス向けPCでは、GPUに依存するアプリケーション(例えば3D Studio MAXのような3Dソフトウェア)を利用する場合があり、この場合、GPUのドライバがそれらのアプリケーションの動作を認証していることを求められることがある。Quadroシリーズはそういう要求に応えるためのラインアップで、Quadroのドライバも製作現場でよく利用される3D作成アプリケーションなどで動作が確認されている。仕事として3D作成アプリケーションを導入している企業でQuadraを搭載したPCは安心して利用できるわけだ。

 Quadro FX 570MそのものはGeForce 8600M相当の作りになっているので、DirectX 10に対応した統合型シェーダユニットを備えている。また、スペック上のコアクロックとメモリクロックはともに最大で700MHzとなる。グラフィックスメモリは256Mバイト、グラフィックスメモリとバス幅は128ビットで接続されており帯域幅は22.4Gバイト/秒だ。一般的な3Dゲームに対しても十分な性能を有しているので、最新のDirectX 10対応ゲームが実行できる。標準設定における3DMark06の3DMarksは3753と、ひと世代前のノートPCでは考えられないスコアをたたき出している。

将来を見据えた「Wireless USB」の採用

 T61pでユニークなのは、無線接続関連の機能が充実していることだ。IEEE802.11n(ドラフト)に対応した無線LAN(インテル Wireless WiFi Link 4965AGN 、J52/W52/W53対応)は当たり前として、Bluetooth(2.0+EDR)も標準で用意されている(ソフトウェアスタックはBroadcom)。さらに注目したいのが、Wireless USBの機能を標準で搭載していることだ。

 Wireless USBは、現在周辺機器との接続インタフェースとして標準的なUSBを無線化する規格で、「UWB」と呼ばれる近距離だけで高速通信が可能になる超広帯域無線を利用している。Wireless USBの規格では最大で480Mbpsでのデータ転送ができるとされているが、今のところWireless USBに対応した周辺機器は皆無といってよい状況で、PCにそのコントローラを搭載しても使い道がない。その一方で、既存のUSB機器を無線化するだけでよいという仕様上のメリットもあるので、今後は徐々に対応する周辺機器が登場する見通しでもある。T61pへの搭載は将来を見据えての決断ともいえるだろう。

 もう1つ注目しておきたいのは、導入しているOSがWindows Vista Ultimateになっていることだ。すでに述べたように本製品は「ノートPCのなかのノートPC」なのだから、OSも最上級SKUがほしい。そうした意味で、Windows Vistaの“全部入り”SKUであるUltimateが採用されていることは、購入後にSKUのアップグレードをしなくてよい点などから評価したい。

充実したThinkPad T61pの無線接続機能。中央に見えるカードはIEEE802.11n(ドラフト)に対応したインテル Wireless WiFi Link 4965AGN 、その右に見えるのが注目のUWBコントローラだ
ThinkPad T61pの特徴の1つとして、T60pから変更された冷却機構も挙げられる。新規に開発されたクーラーユニット以外にも吸排気口の数を増やしスリットの柱を細くして効率を上げるなどの工夫が施されている

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