システムの中核となるマザーボードは、本シリーズのためのオリジナル製品「GA-TX38DUXH-GB1」を採用している。チップセットにはIntel X38 Express/ICH9Rを搭載しており、IEEE1394コントローラ、IDE/SATAコントローラチップなどをオンボードで実装する。黒い基板、ゴールドのプリントなど、同社のリテール向けマザーボードとは少しイメージが異なるが、電解質に固体高分子を用いた固体電解コンデンサをボード全域に搭載する高品質設計は健在だ。固体コンデンサは耐熱性に優れるほか、抵抗値が低くコンデンサ自体の発熱も少ない。また、充放電の応答速度にも秀でるために電流の安定化などあらゆる面でメリットが大きいといえる。
拡張スロットはPCI Express x16×2、PCI Express x1×2、PCI×2、メモリソケットはDDR2 DIMM用が4本、DDR3 DIMM用が2本という構成だ。メモリは標準でDDR2 DIMMを2本(1Gバイト×2)装着している。メモリモジュールは、オーバークロックメモリの高級ブランドとして有名なコルセア製のフラッグシップであるDOMINATORシリーズの「TWIN2X2048-8500C5D(PC2-8500)」を採用する。SPDは800MHzだが、EPPでは1066MHzという設定も可能だ。
HDDにはウエスタンデジタルのハイエンドドライブ「WD Raptor」を利用している。回転速度が1万rpmのため、アクセスタイムが高速で操作のレスポンスに優れる。グラフィックスカードはGIGABYTEの「GV-NX88X768H-RH」を搭載する。NVIDIAのウルトラハイエンドGPU「GeForce 8800 GTX」、グラフィックスメモリとして768MバイトのDDR3 SDRAMを実装しており、DirectX 9/DirectX 10対応の最新3Dゲームも楽々とプレイできる。
ただし、本シリーズのOSはいずれもWindows XP Professional(SP2)となっており、購入時に変更することもできない。最新のDirectX 10対応ゲームを楽しみたい場合は、別途Windows Vistaを用意してユーザー自身がセットアップする必要がある点は覚えておきたい。
やや大柄なミドルタワーケースを採用したボディは、内部のフレーム部分はスチール、カバーはアルミというハイブリッド構成だ。シンプルながら金属の質感をうまく生かした仕上げで、黒を基調にゴールドを配したアクセントも効果的で、ハイエンドマシンにふさわしいゴージャスな雰囲気の演出に成功している。
電源ボタンはベイカバーの支点となる右側の柱の天面にあり、端子類もボディ天面の手前にあるカバー内に収められている。机の下に置いて使うことを前提に設計されたレイアウトのため、机の上に置いて使うには少々使いづらいといえる。
向かって右端の柱を支点として開くドア型のベイカバーの内側には、3.5インチベイが1基、5インチベイが5基並ぶ。さらにHDD用のシャドウベイが4基と拡張性には余裕がある。各ベイと拡張スロットの固定用には樹脂製のアタッチメントが装着されており、ドライバーを使わずにパーツの着脱ができるようになっているが、評価機はいずれもネジどめが行われていた。ちなみに、ケース側面のカバーは2本の手回しネジが使われており、内部へのアクセスは容易だ。
電源ユニットの出力容量は800ワットと大容量だ。ActivePFC回路の搭載で、変換効率80%以上、日本製コンデンサの採用といった最近のトレンドを満たす。ケーブルはプラグインタイプのため必要最小限のケーブルのみが装着され、ケース内部をすっきりと見せ、システム全体のエアフローを妨げないようになっているのも気が利く。内部には14センチ角の電源ファンを備える。
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