最近の「MS-IME」は目に余る――よろしい、ならば「ATOK」だなぜか変換できない vs. なぜか変換できる(1/4 ページ)

» 2008年05月22日 13時00分 公開
[瓜生聖,ITmedia]

MS-IMEにがまんができなくなりました

変換方法によって視点の移動は大きく異なる。長文一括変換はキーストロークは少なくて済むが、逆方向への視点移動が大きく、一度に確認しなければならない変換結果も長い

 最近、MS-IMEがおかしい。

 日本語入力において、未確定文字入力後にどれくらいの頻度で変換を行うか、どうやって確定させるか、といったかな漢字変換の操作は、慣れが大きく関係してくる。つまり、変換の操作に正しい方法というものが存在するわけではない。例えば、筆者の場合は文節ごとに変換を行い、ひらがなはそのまま無変換確定、カタカナはF7で変換し、半角英数字は日本語入力をオフにしてから入力、と人間のほうがIMEに歩み寄るクセがついている。これは頻繁に確定を行うことで右から左という逆方向の視線移動を極力短くし、思考の寸断を防ぐためだ。

 筆者の周囲を見る限りは、このような入力方法をとる人は少なくない。そうやって無意識のうちに、候補が複数あるか、それとも圧倒的に可能性の高い候補が1つしかないかを判断し、1つの場合は変換キーを押した直後に候補文字列を見もせずに次の文字を入力する。そのため予想外の変換に気づいたときはすでに確定してしまっていることがほとんどだ。再度変換キーを押して未確定に戻せばいいのだが、英語キーボードを使っているということもあり、実際にはいったん消して打ち直すという効率のよくないことをしている。

 こういった“慣れ”の理由から、比較的古いIME(FEP)であってもそれなりの変換効率が実現できていた。ところがOffice 2003を入れたあたり(MS-IME2003)から妙な変換が目立つようになり、Vista/Office 2007に乗り換えてからは壊滅的な誤変換(しかも学習してくれない)が頻発するようになった。

 おかしい。何かがおかしい。その真実の一端は、マイクロソフト日本法人の元会長である古川享氏のブログで明らかになった。MS-IMEの誤変換の例は枚挙にいとまがないが、そこには衝撃的な一文が含まれている。

某MS社員に、「MS IME最近どうなっているのよ?」と先週聞いた答えが...「IME開発の主体が、中国にシフトしまっていて我々も手を出せない......個人的にはATOKに切り替えようと思っている」と言う現役開発系社員の発言に絶句!!!(古川享氏のブログから引用/「MS IMEさらに...お馬鹿になっていく」)

前マイクロソフト株式会社会長の古川享氏のブログ。2008年2月14日の記事の中に衝撃的な記述が

 実は筆者のような変換方法、つまり単文節での変換や再変換を行わず、バックスペースを使って修正する、これがMS-IME2007に最もよくない操作だと言われている。これによって誤った学習が行われ、さらにその学習結果が固定化されてしまう。こうして筆者の環境では毎回毎回「用意されている(レビューでは比較的よく使われるキーワードだ)」と入力しようとして「腰囲されている」と変換されるようになったわけだ。いかにも誤変換しそうな漢字を間違ったときには、こちらも身構えていることもあって、それほどストレスは感じない。しかし、簡単だと思っている変換ができないのは、不意を突かれて思わずうめいてしまう。

 日本語入力にこだわりのある人は、すでにATOKを使っていることだろう。だが、筆者のように「単文節変換するからどれもいっしょ」くらいにしか思っていなかった、こだわりがないユーザーでさえも、MS-IMEの変換性能はがまんができない領域にまで達しているように思う。コンビニでミネラル水を買い、有料のTV放送を視聴するのがあたりまえになった現在では、OSを買えばついてくると思われていた(使い物になる)IMEでさえも、別途購入しなくてはならないのか……。

 仕方がない。選択肢がないのであれば購入するしかない。IMEにこだわりはないが、新しい使い方を覚えるのは面倒だ。そもそも日本語入力で普段使う機能なんて限られているのだ。移行はなるべく楽にしたい。というわけで、IMEにこだわりがない1ユーザーとして、「ATOK 2008」に移行することを決意した。

 MS-IMEへの不満でつい前置きが長くなってしまったが、この記事ではMS-IMEのライトユーザーがATOKに移行する際の注意点などについて紹介する。そのため、取り上げた機能は最新版の新機能とは限らないので注意してほしい。また、キー操作はMS-IMEのスタイルになっている。

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