インタビュー
» 2010年10月21日 14時00分 UPDATE

Netbookはもう終わり?「いや、キミのはワイヤーブラシで“ガリッ”できるかい?」:日本ユーザーのために“自己修復”──新型「LaVie Light」は、何が変わったのか (2/4)

[坪山博貴,ITmedia]

新技術でミニノートPCへの搭載が可能になった「スクラッチリペア」

 新型Lavie Lightで、他社ライバル製品との差別化ポイントとなるのが、この「スクラッチリペア天板」の採用だ。

 以前より店頭販売向けのLavie Jの上位モデルでのみ、またNECダイレクトでは通常よりもやや価格が張るオプション扱いで展開していたが、なぜ、そのスクラッチリペアを低価格なLavie Lightシリーズに全面採用できたのか。NECのLaVie Light開発担当者に聞いた。

photo NECパーソナルプロダクツ 技術戦略部スクラッチリペア担当の神尾俊聡氏(左)とLaVie Light商品企画担当の三島達夫氏(右)

photo LaVie Lightの天面パネルは「スクラッチリペア」技術により、ひっかきキズが付いても“自己修復”する

── なぜ、LaVie Lightに“スクラッチリペア”なのでしょうか。

NECパーソナルプロダクツ PC事業本部商品企画開発本部 LaVie Light担当の三島達夫氏(以下、三島氏) モバイルノートPCには以前から「“持ち運ぶ”ためのノートPCなので、できるだけキズが付いてほしくない。そもそもキズが付かないようにしてほしい」というユーザーの声がかなり多くありました。

 そこで、2007年1月にNECの直販サイトであるNEC Directモデルとして、スクラッチリペア機能を備えた製品をまず開発・投入し、それを店頭モデルにも拡充させていきました。当時のスクラッチリペア機能は塗装で実現していましたが、この塗装膜は非常に柔らかく、部分的な再塗装などもできないなど、加工の難易度が高く、結果としてコストがかなりかかる特別なものでした。これをそのまま数万円台のミニノートPCに採用するには、コスト的なハードルがかなり高かったのです。

NECパーソナルプロダクツ PC事業本部商品企画開発本部 技術戦略部の神尾俊聡氏(以下、神尾氏) そこで、Lavie Lightで新たに採用したのがフィルム化したスクラッチリペア機能です。

 新たなスクラッチリペアは、フィルムを金型に密着させ、天板の樹脂素材と一緒に成型する手法で加工するものとなります。フィルムにすることで樹脂成形時に絵柄なども入れることが可能になり、同時にエッジ部分の形状の自由度も増したことで、少量多品種生産への対応が可能になりました。従来の塗装に比べると加工の難易度を下げつつ、(コストを抑えるため)海外での製造も容易となり、製造コストを下げられるようになったのがポイントですね。


photo フィルムを金型に風圧で密着させ、天板の樹脂素材と一緒に整形する手法で加工する

── もちろん、フィルム化も容易だったわけではないですよね?

神尾氏 もちろんやろうと思ってすぐできるものではありません。

 塗装であれば、金属のマグネシウムボディへ高温での焼き付け塗装ができました。対して今回のスクラッチリペアは、フィルムの上にスクラッチリペア層を生成します。ただ、乾燥温度を高温にはできないため、当初はスクラッチリペア層が剥離してしまう──などの問題も多々ありました。2液硬化やUV硬化といった策や製造工程を工夫することで、ようやく製品化できるまでの品質に達しました。

── 低コスト以外のフィルム化のメリットは?

神尾氏 フィルム化でこだわったのは、まず塗装と同等かそれ以上のキズの自己修復性能を持たせることです。カッターナイフで力を込めて……など、スクラッチリペア層より深いキズは残念ながら自己修復できませんが、塗装とほぼ同等の膜厚を実現しましたので、普段利用する時にふと付いてしまうひっかきキズであれば今までと同等の復元能力を備えています。

 ですので、このように──。ワイヤーブラシでこすっても大丈夫です。すーっとキズが消えていくのが分かりますでしょうか。

スクラッチリペアの効果:ワイヤーブラシでシャッとこすっても、付いたキズがススーと消えていく
(高画質版はこちらから)


神尾氏 なお、スクラッチリペア塗装は、工程上どうしても膜厚が変化しますので、表面が微妙に波打つ仕上がりになります。対してフィルムであれば、膜厚が均一になるよう高精度に加工できますので、極めてフラットな光沢感が出せます。外観デザインやカラーリングのよさにもこだわるNEC製PCとして、この点は大きなメリットと思います。

 このほか、ロゴや模様などをフィルムと天板素材の間に印刷できますので、強じんに保護されると同時に、塗装では再現しにくい高級感のある質感も演出できます。ちなみに、鏡面インクを使うことで鏡のような仕上げも可能でして、天面の「NEC」ロゴがそうなっています。平滑さ、うっすらと入れた立体感のある格子柄模様、NECロゴ部分の鏡のような反射感など、ぜひ店頭で手にとって見てみてほしいですね。

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