Mozilla Foundationは4月24日(現地時間)、Webブラウザの最新版となる「Firefox 12」をWindows、Mac、Linux向けにリリースした。
Windows版ではセキュリティの強化を図る目的で、新バージョンへの更新手順を簡略化した。これまではFirefoxの更新を許可するかどうか確認するWindowsのユーザーアカウント制御(UAC)画面がポップアップ表示されていたが、今後はこの手順を省略。ユーザーが最初にFirefoxを導入した時点で許可すれば、以降の更新版は確認画面が出ないままインストールされる。
この他、ユーザー向けには以下のような新機能・改良点が加えられた。
開発者向けとしては、開発ツールに85以上の改良を加えたという。例えば、ページを再読み込みしなくてもWebコンソールに新たなログが出力されるようになり、Scratchpadエディタに検索機能と指定行への移動コマンドが追加された。新機能については(Firefox 12 β版時点のものだが)こちらの日本語公式ブログにまとめられている。
脆弱性は計14件を修正した。このうち「OpenTypeサニタイザのオフバイワンエラー」など7件が、極めて深刻な脆弱性として重要度「最高」に区分けされている。これら脆弱性を悪用された場合、攻撃者に任意のコードを実行されたり、ソフトウェアをインストールされたりする恐れがある。
Mac版については、Firefox 12のリリース後、脆弱性が解決されていないJavaプラグインの全面的な無効化に踏み切るとMozillaが通告している。Javaの脆弱性を突いたマルウェアが猛威を振るっているためで、Windows版では既に無効化の措置を導入済み。
一方、企業などのために提供を続けてきた旧バージョンのFirefox 3.6については、Mozillaが4月23日をもってサポート打ち切りを通告しており、24日の更新の対象にはなっていない。今後は重大な問題が見つかったとしても更新版が提供されないことから、Mozillaではまだ3.6を使っているユーザーに対し、最新版にアップグレードするよう促している。
Android版Firefoxもバージョン10.0.4にマイナーアップデートされた。Syncセットアップ手順が改善され、幾つかのバグが修正された。
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