ノートPC用外付けディスプレイ「On-Lap 1302」が、MacBook Airの相棒になって1週間。デスク上で縦置きにしてWebブラウジング用に使っているが、これが実に快適だ。
前回は視野角の狭さについての不満を述べたが、実はMacBook Airと色合いが異なることも大きな問題だったりする。On-Lapのほうが若干青っぽくて明るい気がするし、輝度を調整してもなんかしっくりこない。取材で撮影した写真をMacBook AirとOn-Lapそれぞれに同時に表示して見比べたいのだが、色が違ってしまうとそういったことも行いづらい。
やはり、MacBook Air用に使い始めたのだから、MacBook Airと色合いや輝度をしっかりとそろえた方が使いやすくなるはずだ。“オレのMacBook Air”の内蔵ディスプレイとOn-Lapで実際にどれほど色が違うのか、専用の測定器で徹底的に比較してみよう。
テストはエックスライトのカラーマネジメントツール「i1Pro」(製品パッケージとしては「i1Basic」)を使って発色を直接計測した(計測ソフトは「i1Profiler」を使用)。輝度は120カンデラ/平方メートルにそろえた。
まずはOn-Lapの色温度を計測した。同製品は画面右下のボタンで輝度、コントラスト、色温度(標準:6500K、寒色:9300K、ユーザー:RGB個別調整)を設定できる。標準や寒色に設定して色温度を計測したところ、下表のように実測値と大きなズレがあった。
i1 Proで計測した On-Lapの色温度(輝度は120カンデラ/平方メートル、ガンマは2.2に固定) | ||
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設定 | 公称値 | 実測値 |
標準 | 6500K | 8176K |
寒色 | 9300K | 11977K |
標準では約1600K、寒色に至っては2600Kほど高い数値が出た。標準設定でも少々青いと思ってはいたが、実際に色温度が高いことが証明された形だ。標準となっている6500Kに合わせるには、設定をユーザーにし、RGBを0〜100の範囲で個別に設定する必要がある。
6500Kとは、Windows PCやネットコンテンツ、デジタルフォトにおいて標準的な色域となっているIEC(国際電気標準会議)の国際規格「sRGB」で定められている色温度だ。RGBの数値の組み合わせはいろいろあるが、Gを中間値(50)に固定して調整したところ、R=53、G=50、B=44で色温度は約6500Kになった。この表示だと、多少白色が赤みがかって見えるが、業界標準に近いホワイトバランスといえる。
次に、On-LapとMacBook Airの見た目の明るさを合わせるため、それぞれの輝度を計測した。なお、双方ともディスプレイの色温度はキャリブレーションで6500Kに調整してある。結果は以下の通りだ。
輝度の実測値(単位は〜カンデラ/平方メートル、輝度最大設定) | ||
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製品名 | 最高値 | 最低値 |
MacBook Air | 317 | 0 |
On-Lap 1302 | 172 | 4 |
On-Lapの輝度は最高で172カンデラ/平方メートルと、公称値の200カンデラ/平方メートルよりも低かった。色温度を高く設定すれば、さらに輝度が低くなる点には注意したい。
On-Lapの輝度調節は0〜100の101段階、MacBook Airの輝度調節は0〜16の17段階となる。段階による輝度の変化は下の通りだ。On-Lapの場合、輝度の数値はおおよそ均等に変化し、MacBook Airの場合は輝度が高いほど、1段階ごとに変化の幅が大きくなる(とはいえ見た感じは自然な変化だ)。輝度を調整するときは、まずはMacBook Airを環境光に合わせて輝度を調節し、その後にOn-Lapの輝度を合わせるほうがいい。
次に、両者の色域(表示できる色の範囲)を比較する。
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