仕事をサボるとすぐバレる?――東京農工大、仕事の“忙しさ”を測定するシステムを開発CEATEC JAPAN 2012

» 2012年10月05日 04時30分 公開
[池田憲弘,ITmedia]

デスクワーク時の“忙しさ”を測定するシステム

photo CEATEC JAPAN 2012の東京農工大学 藤田研究室ブース

 CEATEC JAPAN 2012の東京農工大学 藤田研究室ブースでは、仕事の忙しさを測定するシステムを展示している。PCの操作を分析し、人がどれだけ手が離せない状況にあるかを推定するというものだ。

 推定に関わる操作は多岐にわたる。キーボードとマウスの操作量やウィンドウの増減、エクスプローラの起動、アプリケーションの切り替え、クリップボードの更新など、細かい動作も含めれば20種類以上ある。のべ800時間分のPC作業を分析し、仕事の忙しさと関連する操作を絞り込んだという。

photophotophoto 忙しさの推定に関わる操作は20種類以上ある。同じ操作でもウィンドウの増減によって、結果が異なるのは興味深い。時間も細かく設定されているが、これもさまざまな時間を比較した結果だという(写真=左、中央)。推定方法の説明(写真=右)

 しかし、企画のアイデアを練ったり、紙の資料をチェックするときなど、席についていてもPCを使わずに仕事をすることもある。そのため、マイクロソフトの「Kinect」を使用して姿勢や動作を分析することで(頭が動いている、前傾姿勢になっているなど)、PCを使っていない場合でも、行動の推定を可能にした。

photophoto Kinectを使用して姿勢を分析する(写真=左)。ゆくゆくは、顔の画像認識による情報も、推定の材料に使いたいという(写真=右)

 「忙しいときに電話などで作業を中断されると、不快に思う人は多いはず。忙しさやモチベーションを推定することで、仕事に集中している人を妨害しないようにすることが目的」(説明員)だという。

 忙しさを3段階で評価し、忙しい人には内線電話を自動的に留守電にしたり(PCの画面に電話のアラートを出すなどして対応)、在席状況を自動的に“取り込み中”にする、といった応用を検討している。「今は分析の精度を上げるのが急務。現状では2〜3割の確率で推定を誤るが、その確率が減れば、実用化が見えてくる」(説明員)。

臨場感を備えたテレワークを目指す

 この研究は、東京農工大学 藤田研究室とOKIが共同で研究している「超臨場感テレワークシステム」の一環だ。「東日本大震災以降、BCP(事業継続計画)の観点から、在宅勤務などのテレワークに一層注目が集まるようになったが、テレワーカーとのコミュニケーションが取りづらいという課題もある。より自然なコミュニケーションができるような環境を作ることがテーマ」(説明員)だという。

 ブースでは、説明員をテレワーカーに見立て、OKIのオフィスにいるスタッフと会話をするというデモが行われていた。OKIのオフィス内には、複数の移動式カメラを設置しており、テレワーカーは複数の視点からオフィスの俯瞰(ふかん)映像を見られるほか、カメラを移動させて、特定の相手の様子を確認できる。

photophoto タブレットと可変クレードルを組み合わせたコミュニケーション用の端末(写真=左)。オフィスの俯瞰映像を複数の視点から確認できる(写真=右)

 オフィス内の雰囲気が伝わるよう、俯瞰映像には、各スタッフの忙しさやコメントといった情報を重ねて表示する仕掛けもある。オフィスから離れた場所で仕事をしていても、同じ場所で仕事をしているような感覚を得られるようにすることが目標だ。「どのような情報を提供すれば臨場感が増すか、というのはまだまだ研究段階。最終的には、雑談など、オフィス内で何気なく行われているコミュニケーションを気軽にできるようにしたい」(説明員)

photophoto オフィスの俯瞰映像に、各スタッフの忙しさやコメントといった情報を重ねて表示する(写真=左)。忙しさのグラフは、東京農工大の藤田研究室が開発したシステムによって作成されている(写真=右)

※記事初出時、東京農工大との共同研究先がOKIデータとしていましたが、正しくはOKIとなります。お詫びして訂正いたします(10/05 12:00)



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