最近、アキバのパーツショップで注目を集めている新しいパーツブランドがある。それが「ProjectM」だ。先行モデルのゴム製SSDマウンタ「GM79」を皮切りに、これまでmSATA関連製品など9製品を発売。いずれもニッチかつマニアックな商品ながら、“かゆいところに手が届く”と好評を得ている。
この4月から本格的に製品展開を始めたProjectMは、“元店員M”として知られる森田健介氏が手がけた新ブランド。元パーツショップ店員の経験を生かし、「あると便利だけど、販売数量などから一般的なメーカーが手をだしづらい商品」(同氏)を企画・開発していくという。
ショップの店頭に立つエプロン姿からスーツ姿に装いを変えた森田氏に、ProjectMへの想いを聞いた。
―― まず最初に、ProjectMの命名について。“M”は森田さんのMであっていますか?
森田氏 もちろんそれもありますが、ほかにはマニアのMという意味もあります。自作マニアのためのブランドですよ、と。
―― いつごろからProjectMの構想がありましたか?
森田氏 元の会社を辞めた2月ごろですかね。もともとFreeTでもマナ板などで独自のニッチな商品を作ったりはしていたのですが、もちろんそのお店でしか売ることができません。やっぱりほかのお店でも売れる物を、という気持ちはありました。ProjectMはアユート(元MVK)ブランドとして、一部の商品については特に取り扱い店舗を限定せずに展開していく予定です。
―― 現在の職務内容はどういったものでしょうか。以前と比べて何が大きく変わりましたか?
森田氏 企画・開発がメインです。変わったことは……朝起きるのが早くなりましたね(笑)。それとお店にいたころは、今週、今月はどれそれに注目して〜といったように比較的短いスパンでものを見る傾向にありましたが、開発になると数カ月先、それ以上先のことを見ていないといけません。考え方が少し変わりました。
―― 元アキバ店員M氏の経験が商品開発に生きている部分は大きいですか?
森田氏 自分が欲しいものやお客さまの声を反映したものはもちろんですが、あると便利なのに利益を出しづらいからメーカーとしては作れない、というものもあって、そういったスキマを縫っていければ、と。
アキバのお店にきてもらうためにはどうすればいいのかを考えたとき、お客さまの動機になるのは「あそこは面白いモノがあるよね」という空気だったりするわけですが、じゃあ面白いモノってなんだろうと振り返ってみると、ある商品を作ろうとしても売れ筋の最大公約数的な、どれも似たり寄ったりなモノになりがちじゃないですか。でもそれでは面白くない。
その一方で、これまでの経験から、自作の幅をより深くしていくニーズはあると思っていて、例えば自作が1から10まであるとすれば、その間を0.5刻みで埋めていくような、ニッチだけどこだわりのある製品ですね。そういうオリジナルなモノを形にしたいと。
この2.5インチマウンタも非常にニッチな製品ですが、基本的に自分が欲しいと思ったら、きっと同じ考えのヤツは日本に50人はいるだろう、そして欲しい人間が50人いれば製品化できるはずだ、と思ってます(笑)
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