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コダック、250枚の両面ADFとフラットベッドを搭載したA4ドキュメントスキャナ「Kodak i2900」カラー300dpiで毎分60枚/120面読み取り(2/2 ページ)

» 2013年04月17日 17時30分 公開
[前橋豪,ITmedia]
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ビジネスでのドキュメントスキャンは「集中」から「分散」へ

 都内で開催された製品発表会では、同社執行役員ドキュメントイメージング本部長の田中毅氏が登壇。「全国的な景気回復の兆しを受け、2013年の第1四半期(1月〜3月)は予算比で110%を達成した。今後の見通しも明るい」と述べ、今回の新製品については「ハイエンドが充実したコダックの特長を生かしつつ、国内の成長市場であるミドルレンジ(18万〜66万円前後の価格帯)を強化し、スキャナを取り巻くトレンドである分散入力、クラウド、ビッグデータの3つを推進する戦略的なモデル」とアピールした。

発表会で最初に登壇した同社執行役員ドキュメントイメージング本部長の田中毅氏(写真=左)。新製品の詳細についてプレゼンテーションを行った同社ドキュメントイメージング営業部シニアマーケットアナリストの赤井誠氏は、「今回の新製品は、同じクラスのドキュメントスキャナでは費用対効果が高い」と力説した(写真=中央)。同社ドキュメントイメージング営業部の林武史氏は、紙詰まり対策の機能やスキャン画像の自動補正、長尺スキャンなどのデモンストレーションを行った(写真=右)

 発表会で特に強調されたキーワードが「分散入力」だ。従来のように大量の紙文書を1カ所で集中的に電子文書化するのではなく、全国の事務所、営業所、窓口業務、そして個人単位で必要な紙文書をその場でスキャンし、本社のデータセンサーやクラウドサービス上で共有、スマートフォンやタブレットからのアクセスを実現、さらにビッグデータに統合して活用するなど、業務におけるスキャナの利用が「集中」から「分散」に移行しているトレンドが語られた。

 営業戦略については、法人向け営業体制を強化しつつ、金融、医療、自治体、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場への取り組みを継続するほか、10万円以下のモデルはオンラインショップでの拡販も行うという(Amazon.co.jpでは、2012年から同社エントリーモデルを販売中)。

 なお、同社スキャナ事業の売上推移や今後の販売目標については、米国本社のEastman Kodakがチャプター11(連邦倒産法第11章)に基づく事業再建中であり、「日本での数字もコメントできない」(田中氏)とのことだった。また、4月15日にはブラザー工業がEastman Kodakからスキャナ製品を含むドキュメントイメージング事業を2億1000万米ドルで買収すると発表したが、この件も同様にコメントできる状態にないとの回答だ。

同社は、2011年に分散処理向けの「Kodak i2000」シリーズ、2012年にポータブルタイプの「Kodak ScanMate i940」を投入しており、今回の新製品はそれらに続く戦略的なスキャナ製品との位置付けだ(写真=左)。同社による国内のドキュメントスキャナ市場調査では、昨対比でハイエンドとエントリーが減少している一方、ミドルレンジは大きく成長している(写真=中央)。スキャナを取り巻くテクノロジートレンドとしては、分散入力、クラウド、ビッグデータが挙げられる(写真=右)

ハイエンドモデルが充実した同社の特長を生かしつつ、高速なA4/A3対応の分散入力向けスキャナを投入することで、ラインアップを強化(写真=左)。エントリーからミドルレンジをカバーするi2000シリーズにおいて、i2900はハイエンドモデルに位置付けられる(写真=中央)。i3200の主な仕様(写真=右)

i2900とi3200の各部解説(写真=左)。i2900の原稿台を持ち上げると、給紙した原稿を高速に搬送するローラー部が露出する(写真=右)

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