都内で開催された製品発表会では、同社執行役員ドキュメントイメージング本部長の田中毅氏が登壇。「全国的な景気回復の兆しを受け、2013年の第1四半期(1月〜3月)は予算比で110%を達成した。今後の見通しも明るい」と述べ、今回の新製品については「ハイエンドが充実したコダックの特長を生かしつつ、国内の成長市場であるミドルレンジ(18万〜66万円前後の価格帯)を強化し、スキャナを取り巻くトレンドである分散入力、クラウド、ビッグデータの3つを推進する戦略的なモデル」とアピールした。
発表会で特に強調されたキーワードが「分散入力」だ。従来のように大量の紙文書を1カ所で集中的に電子文書化するのではなく、全国の事務所、営業所、窓口業務、そして個人単位で必要な紙文書をその場でスキャンし、本社のデータセンサーやクラウドサービス上で共有、スマートフォンやタブレットからのアクセスを実現、さらにビッグデータに統合して活用するなど、業務におけるスキャナの利用が「集中」から「分散」に移行しているトレンドが語られた。
営業戦略については、法人向け営業体制を強化しつつ、金融、医療、自治体、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場への取り組みを継続するほか、10万円以下のモデルはオンラインショップでの拡販も行うという(Amazon.co.jpでは、2012年から同社エントリーモデルを販売中)。
なお、同社スキャナ事業の売上推移や今後の販売目標については、米国本社のEastman Kodakがチャプター11(連邦倒産法第11章)に基づく事業再建中であり、「日本での数字もコメントできない」(田中氏)とのことだった。また、4月15日にはブラザー工業がEastman Kodakからスキャナ製品を含むドキュメントイメージング事業を2億1000万米ドルで買収すると発表したが、この件も同様にコメントできる状態にないとの回答だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.