前面のレイアウトは他のデル製ディスプレイと同様で、右下にOSDメニューの操作に用いる5つのボタンを配置する。最下段のメニュー呼び出し用ボタンを押すと、プリセットモード、輝度/コントラスト、入力信号、OSDメインメニューの4項目が並んだメニューが表示され、それぞれに対応したボタンを押して選択する。OSDメインメニュー以外の項目は「ショートカットメニュー」としてユーザーが任意の項目に変更できるので、使用頻度の高いメニューを登録しておくとよいだろう。
メニューの調整項目は輝度/コントラスト、自動調整、入力信号、色設定、画面設定、音の設定、PBP/PIP設定、その他の設定、カスタマイズと豊富にそろえている。
プリセットの画質モードは標準、マルチメディア、ムービー、ゲーム、用紙、色温度(5000K/5700K/6500K/7500K/9300K/10000K)、色空間(Adobe RGB、sRGB、CAL1、CAL2)、ユーザーカラーと多彩だ。ユーザーカラーは一般的なRGBゲインのほか、オフセット、色相(RGBCMY)、彩度(RGBCMY)の6色調整機能を備えている。色空間のCAL1、CAL2はハードウェアキャリブレーションで使うモードとなる。
アスペクト比は16:10、16:9、自動リサイズ、4:3、1:1の5種類の選択肢がある。自動リサイズは拡大によるフルスクリーン表示だが、アスペクト比は維持されるので通常はこれを使えば問題ないだろう。
PIPメニューには、親画面の一部に子画面を小さく表示するPIP(ピクチャーインピクチャー)機能のほかに、別々の入力系統からの映像を左右に並べて同時表示するPBP(ピクチャーバイピクチャー)機能も用意する。PIPでは入力系統の種別を問わず、他の系統からの映像入力をサブウィンドウに表示できる(DisplayPortとMini DisplayPortの組み合わせは不可)。サブウィンドウのサイズは2段階から、位置は四隅のいずれかを選択できる。
さて、いよいよU2413の特徴であるハードウェアキャリブレーション機能をチェックしよう。ハードウェアキャリブレーションは製品に同梱されている専用ソフト「Dell UltraSharp Color Calibration Solution」を使用する。対応している測色器はX-Riteの「i1 Display Pro」だ。
ハードウェアキャリブレーションの作業は非常に簡単だ。まずはメニュー画面でプリセットモードのCAL1とCAL2のどちらを使うか設定し、色空間を選び、目標の輝度を入力すればよい。
色空間はAdobe RGB、sRGB、Rec.709、DCI-P3と、映像編集用の色空間も含めて主要なものを用意しており、大抵の用途ならばこれらを選択するだけで済むはずだ。パネルネイティブの状態を測定したり、独自の色度座標や白色点、ガンマを目標値として定めることもできる。
目標値を設定したら、i1 Display Proをディスプレイにセットする。環境光測定用フィルター兼レンズカバーを外しディスプレイ表面に機器を密着させる。セットが完了し「次へ」を押せばパッチの測定が始まる。ハードウェアキャリブレーションにしてはパッチの数が多く、測定の時間がそれなりにかかるものの(それでも7分ほどだが)、やはり輝度やコントラストなどの表示調整をする必要がないのはありがたい。
測定が終わったら、作成したICCプロファイルを保存すれば全工程は終了だ。プロファイルの検証機能などがないのは少し物足りないが、ディスプレイを運用するだけならば十分な機能を備えているといってよい。
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