11.6型で米軍基準の“頑丈”コンバーチブルPC――「HP Elitebook Revolve 810」を試すWindows 7も選択可能(1/4 ページ)

» 2013年06月18日 19時15分 公開
[池田憲弘(撮影:矢野渉),ITmedia]

コンバーチブルノートPCの老舗、HPが放つビジネス向けモデル

photo HPのコンバーチブルノート「HP Elitebook Revolve 810」

 Windows 8の登場以後、コンバーチブル型(ハイブリッド型)のノートPCが急増している。タッチ操作のタブレットスタイルと、キーボード入力のノートPCスタイルを1台で両立でき、Windows 8のフル機能を活用するのに有効だからだ。ディスプレイとキーボードを脱着できるもの、ディスプレイがスライドしてキーボードが見え隠れするもの、ディスプレイをチルトさせてまま360度縦方向に回転するものなど、その変形機構もバラエティに富んでいる。

 しかし、Windows 8が登場する前からコンバーチブル型ノートPCを積極的に投入していたメーカーもある。日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)もその1つだ。2005年に発表した「HP Compaq tc4200 Tablet PC」など、古くからディスプレイを横に回転させる変形機構を備えたノートPCを開発していた。

 「HP Elitebook Revolve 810」は、そんな“ディスプレイ横回転型”コンバーチブルノートPCの最新モデルだ。同社のビジネス向けノート「Elitebook」シリーズに属しており、堅牢性やセキュリティにも配慮している。同社直販サイト「HP Directplus」における分類は法人向けモデルだが、個人でも購入できる。

 ディスプレイが横に回転するという、いわばコンバーチブル型ノートの基本へと立ち返ったモデルだが、時を経てその変形機構がどのように進化したのか、その使い勝手や性能をチェックしていこう。

質感は上々、インタフェースも豊富

photo 特殊加工が施された天板は傷がつきにくく、しっとりとした手触りだ。パームレストも同じ加工だ

 ボディの素材にはマグネシウム合金を用いる。天面およびパームレストに「ビードブラスト」という特殊加工を施し、傷がつきにくくしっとりしたラバーのような手触りに仕上げたのは他のElitebookシリーズと同様だ。全体的に光沢を抑えており、ビジネス向けPCらしい落ち着いた印象を受けるが、質感は高い。

 本体サイズは285(幅)×212(奥行き)×22〜25(厚さ)ミリで、重量は約1.4キロ。実測値は1381グラムと、ほぼ公称値通りだった。昨今はより薄くて軽いコンバーチブル型のUltrabookも多数存在するが、76センチの高さから26回落下させる衝撃や1600キロメートルの車両輸送による振動(米軍調達基準 MIL-STD-810G)にも耐える優れた堅牢性を確保しながら、タブレットへの変形機構を備えることを考慮すれば、このサイズと重さにも納得できる。タブレットスタイルで使う際に持ちやすいよう、側面を少し絞ったデザインにしている点も見逃せない。

 インタフェースは背面に集中しており、USB 3.0×2、DisplayPort 1.1a、有線LANポートを備える。このサイズのビジネス向けノートPCとしては十分なインタフェースを備えているが、側面に配置する場合よりも使いにくいところは惜しい。せめてUSBポートは手の届きやすい側面に配置してほしかった。このほか、右側面にmicroSDカードスロット(SDXC対応)やヘッドフォン出力を搭載する。

 通信機能はギガビットLANとIEEE802.11a/b/g/n、Bluetooth 4.0を利用できるほか、NFCリーダーを内蔵する。またビジネス向けの製品らしく、TPM 1.2のセキュリティチップやセキュリティスロットも用意しており、盗難やデータ流出防止への配慮もしっかりとしている。

photophoto 前面にインタフェースを配置しない一方で(写真=左)、背面にUSB 3.0×2、DisplayPort 1.1a、有線LANポートが集中している(写真=右)
photophoto 左側面にインタフェースはなく(写真=左)、右側面にmicroSDカードスロットや電源ボタン、画面回転のロックボタン、そしてオプションのドッキングステーションとの接続ポートがある(写真=右)


→HP Directplusで「HP Elitebook Revolve 810」をチェックする

画面を「ひねる」タブレットにもなる薄型・軽量ノートPC


icon
       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年09月21日 更新
  1. 「約12万円のPS5 ProよりゲーミングPCを買った方がいい」は本当なのか? 同等スペックで組んだら価格は…… (2024年09月19日)
  2. 「iPhone 16」がiPhone新時代の幕を開く 試して分かった大きな違い (2024年09月18日)
  3. ダイソンの新製品はまさかの「ヘッドフォン」 空気清浄機能を省いた「Dyson OnTrac」を試してみた (2024年09月20日)
  4. 10万円台でPCゲームを快適に楽しめる 自作PCの魅力とその第一歩 (2024年09月19日)
  5. 今PCを買うなら「AI PC」にしようと決めた理由 【実用レビュー 最終回】やっぱり最新モデルだとベンチマークテストで実感 (2024年09月20日)
  6. バッファローが10月下旬発売予定のWi-Fi 7ルーター「WXR9300BE6P」のスペックと想定価格を公表 10GbE対応インターネットポート付きで約3.5万円 (2024年09月19日)
  7. 試して分かった10周年モデル「Apple Watch Series 10」 消えない秒針と見やすくなったディスプレイ、新たな健康機能が魅力 (2024年09月17日)
  8. ダイソンがノイズキャンセリング機能を備えたワイヤレスヘッドフォン オプションの付け替えで筐体カラーのカスタマイズも可能 (2024年09月19日)
  9. 「Microsoft 365 Copilot」に再度名称変更! 「Copilot Pages」「Copilot agents」など仕事で役立つ機能が利用可能に (2024年09月17日)
  10. iPhone 16シリーズが対応する「Wi-Fi 7」って何? 今までのWi-Fiとの違いをサクッとチェック! (2024年09月20日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー