Windows 8の登場以後、コンバーチブル型(ハイブリッド型)のノートPCが急増している。タッチ操作のタブレットスタイルと、キーボード入力のノートPCスタイルを1台で両立でき、Windows 8のフル機能を活用するのに有効だからだ。ディスプレイとキーボードを脱着できるもの、ディスプレイがスライドしてキーボードが見え隠れするもの、ディスプレイをチルトさせてまま360度縦方向に回転するものなど、その変形機構もバラエティに富んでいる。
しかし、Windows 8が登場する前からコンバーチブル型ノートPCを積極的に投入していたメーカーもある。日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)もその1つだ。2005年に発表した「HP Compaq tc4200 Tablet PC」など、古くからディスプレイを横に回転させる変形機構を備えたノートPCを開発していた。
「HP Elitebook Revolve 810」は、そんな“ディスプレイ横回転型”コンバーチブルノートPCの最新モデルだ。同社のビジネス向けノート「Elitebook」シリーズに属しており、堅牢性やセキュリティにも配慮している。同社直販サイト「HP Directplus」における分類は法人向けモデルだが、個人でも購入できる。
ディスプレイが横に回転するという、いわばコンバーチブル型ノートの基本へと立ち返ったモデルだが、時を経てその変形機構がどのように進化したのか、その使い勝手や性能をチェックしていこう。
ボディの素材にはマグネシウム合金を用いる。天面およびパームレストに「ビードブラスト」という特殊加工を施し、傷がつきにくくしっとりしたラバーのような手触りに仕上げたのは他のElitebookシリーズと同様だ。全体的に光沢を抑えており、ビジネス向けPCらしい落ち着いた印象を受けるが、質感は高い。
本体サイズは285(幅)×212(奥行き)×22〜25(厚さ)ミリで、重量は約1.4キロ。実測値は1381グラムと、ほぼ公称値通りだった。昨今はより薄くて軽いコンバーチブル型のUltrabookも多数存在するが、76センチの高さから26回落下させる衝撃や1600キロメートルの車両輸送による振動(米軍調達基準 MIL-STD-810G)にも耐える優れた堅牢性を確保しながら、タブレットへの変形機構を備えることを考慮すれば、このサイズと重さにも納得できる。タブレットスタイルで使う際に持ちやすいよう、側面を少し絞ったデザインにしている点も見逃せない。
インタフェースは背面に集中しており、USB 3.0×2、DisplayPort 1.1a、有線LANポートを備える。このサイズのビジネス向けノートPCとしては十分なインタフェースを備えているが、側面に配置する場合よりも使いにくいところは惜しい。せめてUSBポートは手の届きやすい側面に配置してほしかった。このほか、右側面にmicroSDカードスロット(SDXC対応)やヘッドフォン出力を搭載する。
通信機能はギガビットLANとIEEE802.11a/b/g/n、Bluetooth 4.0を利用できるほか、NFCリーダーを内蔵する。またビジネス向けの製品らしく、TPM 1.2のセキュリティチップやセキュリティスロットも用意しており、盗難やデータ流出防止への配慮もしっかりとしている。
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画面を「ひねる」タブレットにもなる薄型・軽量ノートPC
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