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» 2013年07月31日 21時00分 UPDATE

安くてちっちゃい、でもHaswell版Xeon+Quadro搭載:「Precision T1700 SFF」はクリエイター候補生の“鉄板”マシンか? (1/2)

「Precision T1700 SFF」は、デルが個人にも販売しているクリエイター向けのエントリーワークステーション。家庭用デスクトップPCとは一味違う性能と小型ボディ、メンテナンス性の高さに注目だ。

[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

機能性の高いスリムボディを備えたワークステーション

photo デルのエントリーワークステーション「Precision T1700 SFF」。省スペースボディが特徴だ

 「個人でもプロ仕様のコンピュータを使いたい」――そんなクリエイター志向のユーザーは少なくないだろう。

 デルの「Precision T1700」シリーズは、こうしたユーザーに向くエントリークラスのワークステーションだ。SFF(スモールフォームファクタ)タイプとミニタワータイプの2種類から選べるコンパクトかつ高品質なボディと、Intel最新プラットフォームをベースとするCAD/CG制作に適したハードウェアを採用しながら、リーズナブルな価格を実現した点が特徴である。

 デルは映像/画像編集向きのハイエンドなマシンを「Dell Graphic Pro」シリーズと名付け、従来ビジネスユーザーを中心に販売していたワークステーション「Precision」シリーズも個人向けに拡販中だ。クリエイターを目指す学生など、本格的な制作環境を整えたい個人ユーザーに魅力的な選択肢といえる。今回はPrecision T1700のSFFモデルを入手できたので、性能や使い勝手を検証しよう。

 SFFモデルは省スペース、デザイン、使い勝手、放熱性能、メンテナンス性といった要素をすべて兼ね備えた機能性の高いスリムなボディが特徴だ。縦置き時のサイズは92.6(幅)×312(奥行き)×290(高さ)ミリとコンパクトで、個人宅でも無理なく設置できるのはうれしい。

 フロントマスクは独特の幾何学パターンが印象的だ。角度をつけてカットしたフレームを交差させることで、吸気口の高い開口率を確保しながら、内部のシャシーを見えにくくし、高級感ある外観に仕上げた。見た目と通気性を両立した見事なデザインだ。前面のインタフェースはマイク入力、ヘッドフォン出力のほか、USB 3.0とUSB 2.0ポートが2基ずつ用意されている。左上に設けられたフラットな電源ボタンも使いやすい。

photophoto 幾何学パターンが印象的なフロントマスクは、見た目と通気性を両立した見事なデザインだ(写真=左)。背面には2基のPS/2ポート、シリアルポート、USB 3.0、USB 2.0、有線LAN、ライン入力、ライン出力などを備える(写真=右)

 メンテナンス性の高さも特筆すべき点だ。サイドカバーにレバーを引くだけで外れるロック機構が設けられており、サイドカバーのみを外し、ケース内部にアクセスできる。グラフィックスカード、光学ドライブ、HDDなどのパーツにはそれぞれ固定用のアタッチメントが装着されており、工具やネジを使わずに着脱可能だ。アタッチメントの操作部分は青色の樹脂で統一され分かりやすく、メンテナンス作業を迅速に行える。

 電源ユニットの出力は255ワットだ。+12ボルト系は2系統だが、最新製品らしく14アンペアと13アンペア、それぞれの系統に余裕を持たせた設計となっている。

photophotophoto サイドカバーに使いやすいロック機構を備えており、サイドカバーのみを外し、ケース内部にアクセスできる。各パーツにはアタッチメントが装着されており、工具やネジを使わなくても簡単に着脱できる(写真=左、中央)。ケース内部のマザーボード(写真=右)

“Haswell”世代のXeon E3 v3シリーズを採用

photo Precision T1700 SFFはCPUやグラフィックスカードが異なる3モデルを用意する。評価機はXeon E3-1240 v3を搭載したモデルだ

 基本システムは開発コード名“Haswell”こと第4世代Coreプロセッサー、およびそのサーバー/ワークステーション版となるXeon E3-1200 v3ファミリーを中心とする最新のプラットフォームを採用している。マザーボードのチップセットはIntel C226 Expressだ。

 Precision T1700のSFFモデルは、CPUにCore i5-4670(3.4GHz/最大3.8GHz)、Core i7-4770(3.4GHz/最大3.9GHz)、Xeon E3-1240 v3(3.4GHz/最大3.8GHz)を搭載する3モデルを用意しており、それぞれスペックや構成はほぼ固定となっている。評価機はXeon E3-1240 v3を搭載していた。

 Xeon E3-1240 v3は4つのCPUコアを搭載しており、Hyper-Threadingにより8スレッドの同時実行が可能だ。キャッシュ容量も8MバイトとCore i7-4770と同等のスペックだが、動作クロックが3.4GHz、Turbo Boost時の最大動作クロックが3.8GHzと、Core i7-4770に比べて最大クロックが100MHz低い。

 またGPUコアを内蔵していないため、TDPが80ワットとCore i7-4770より4ワット低くなっている。CG/CAD用途を想定したワークステーションなので当たり前ではあるものの、Core i7-4770モデルもグラフィックスカードを搭載する構成となっており、通常の利用法では内蔵GPUの出番は少ない。

 仮想化技術のVT-d/VT-xや、暗号関連処理を高速化するAES-NI、主にマルチソケット環境でのメモリアクセスを効率化するTSX-NIなど、サーバ向け機能ももれなく装備しており、リモートによる管理機能を利用できるvProにも対応している。こういった機能はCore i7/Core i5を搭載する家庭用PCでは省略されがちだが、Precision T1700に搭載するCore i7-4770、Core i5-4670はXeonと同様にサポートしている。

photophoto CPU-Zの情報表示画面。評価機はXeon E3 1240 v3を搭載していた。第4世代Coreプロセッサーと同じくHaswell世代のアーキテクチャを採用している。Core i7-4770との主な違いは、GPUコアを内蔵していないことと、最大動作クロックが100MHz低いことだ

 メモリはPC3-12800 DIMMを8Gバイト(4Gバイト×2)、ストレージは容量1Tバイトの3.5インチSerial ATA対応HDD(7200rpm)を内蔵している。光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブを装備し、通信機能は1000BASE-T対応の有線LANを利用可能だ。OSは64ビット版Windows 7 Professional版をプリインストールしており、標準で多言語版のメディアキット(DVD)が付属する。

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