東芝タブレットのフラッグシップモデルは死角なしか――。
「REGZA Tablet AT703」は、2013年6月に発売したREGZA Tabletシリーズの最上位モデルだ。10.1型ワイドで2560×1600ドットという高解像度表示に対応する液晶ディスプレイに加えて、最大1024段階の筆圧検知に対応したワコム製デジタイザと独自アプリ「TruNote」による滑らかな手書きメモ機能を備える。さらに、SoC(System On Chip)にはNVIDIA最新のTegra 4を搭載し、専用キーボードカバーも付属するなど見どころは満載だ。早速、性能や使い勝手を検証しよう。
ボディカラーは落ち着いた風合いのシルバーで、裏面は全面に細かいパターンがモールドされており、サラッとした心地よい手触りだ。本体サイズは260.7(幅)×178.9(奥行き)×10.5(厚さ)ミリで、フットプリントは本製品と同じく2560×1600ドット表示のディスプレイを備えるGoogleの「Nexus 10」(幅263.9×奥行き177.6×厚さ8.9ミリ)とほぼ等しいが、AT703の方がやや厚い。重量は671グラムと、最近の10型クラスタブレットとしてはやや重めの部類に入るが、実測では655グラムと少し軽かった。
電源ボタンは上面左側にあり、その両側にステレオマイクを装備する。そのほかのボタンや端子類は左側面に集中しており、カバー内にUSB 2.0(microAB)、microHDMI、microSDカードスロット(SDXC対応)を備えるほか、音量調整ボタンやヘッドフォン入力、DC入力も配置する。ステレオスピーカーは裏面の左右端に搭載する。Webカメラは約800万画素のアウトカメラと約120万画素のインカメラを装備した。
REGZA Tablet AT703でまず目をひくのが、10.1型ワイドで2560×1600ドットという高解像度の液晶ディスプレイだ。画素密度は約300ppiに達しており、極めて高精細な表示が可能だ。その精細さはiPad Retinaディスプレイモデル(約264ppi)を超えており、これほどの高精細表示に対応する製品はタブレット全体でもほかにはNexus 10くらいしかない。
もっとも、最近は9〜10型クラスで1920×1080ドット表示の液晶ディスプレイを搭載するモデルも多い。ホーム画面のアイコンやフォントなどを見ているぶんにはあまり差がないものの、高解像度の写真や映像を見たときに感じるインパクトはやはりこちらが大きい。
東芝独自の映像処理により、動画などをより鮮やかに表示する「レゾリューションプラス」や外光を検知して画面のコントラストを調整する「Adaptive Display」といった機能も画質の高さに貢献している。
スピーカーは、メルセデスやBMWといった高級車メーカーとのタイアップで世界的に有名なharman/kardonブランドのステレオスピーカーを背面の左右に装備している。高音質化技術「DTS Premium Voice Pro」を搭載しており、バーチャルサラウンド機能やノイズ抑制、コンテンツに応じた最適化機能などを利用可能だ。
音質はクリアかつ聴きやすい印象で、サラウンド効果も映画などのコンテンツでは効果的だったが、パワーや低音の豊かさといった点では“タブレットなり”という範囲を超えるほどではなかった。これはスピーカーが背面にあることも影響していると思われる。後述するキーボード兼スタンドに立てただけで最適な視聴環境になる、といった工夫があればなおよかった。
→Toshiba Directで「REGZA Tablet AT703」をチェックする
液晶画面には、電磁誘導式デジタイザーを搭載。さらに、手書きに最適化された専用のデジタイザーペンを使うことにより、まるで紙に文字を書くような自然な書き心地を再現します。クリエイティブ&AV性能を極めた、ハイエンドタブレット
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.