パナソニックは9月6日、4K(3840×2560ドット)解像度の超高精細ディスプレイを採用した法人市場向けタブレット「TOUGHPAD 4K」を発表、2013年12月に発売する。
TOUGHPAD 4Kは、解像度3840×2560ドットを実現する20型IPSα液晶ディスプレイをはじめて採用したWindows 8.1搭載タブレット。重量は約2.35キロ、厚さは12.5ミリと20型タブレットとして世界最軽量/最薄(同社調べ 2013年9月6日現在)をうたい、薄型軽量のグラスファイバーボディを採用した。2013年1月の2013 International CESで開発表明、各種想定業態・業種からの実利用フィードバックを受け製品化された。
基本システムはOSに64ビット版Windows 8.1 Pro、Core i5-3437U vPro(1.9GHz/最大2.9GHz)、グラフィックスはGeForce 745M、8Gバイトメモリ(上位のスマートカードリーダー対応モデル)、256GバイトSSD(上位のスマートカードリーダー対応モデル)など。一般的なWindowsベースのマシンのため、企業が業務利用するソフトウェア環境とも共存可能、より柔軟に業務システムに適用できる点を強みとする。
通信機能はデュアルバンド対応IEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LAN、Bluetooth 4.0。主なインタフェースはUSB 3.0×1、SDメモリーカードスロット、ヘッドフォン出力、720pWebカメラなど。デジタルコンパス、加速度、照度、角速度の各種センサーを内蔵する。有線LAN、USB 3.0×3、HDMI出力などを追加できるオプションのクレードル(UT-VET5000WU)も用意する。
ディスプレイはタッチパネル付き/20型の4K IPSα液晶パネルを採用。ディスプレイ解像度は3840×2560ドット(約230ppi)、アスペクト比を15:10とし「A3用紙・図面をほぼ原寸で表示するため」に正方形に近いアスペクト比を採用した。
「これまで固定環境だったCAD/CAM、デザイン分野に“モバイル化で新ワークスタイルを提案できること”、これまでアナログだった化粧品事業分野、医療分野には“デジタル化し新しい価値を想像できること”などを主軸に、“超高精細”と小型軽量サイズ、汎用性のあるPCシステムであることを武器に、より幅広い業態・業種への導入を提案・訴求する。現在パナソニックのPC事業として展開するLet'snote、TOUGHPAD、TOUGHBOOKブランドのうち、TOUGHPADの比率は10%ほど。ただ、今後はこの分野がかなり伸びるとみており、2015年度は30%ほどまでになると想定している。今後も事業領域の明確化、他より一歩先行く製品、そしてお客様とのパートナーシップの3つを重視し、PC事業を展開していく」(パナソニック ITプロダクツ事業部の原田秀明事業部長)。
ペン入力環境はアノトと共同開発した「アノト方式の電子タッチペン」を採用した。「ペン環境はほかにもいくつかあるが、視差が少なく、細かい文字、曲線を手書き同様に描ける性能を得られる現時点最良の選択肢としてこの方式を採用した」(パナソニック AVCネットワークス社事業開発センターの両角昌英室長)。アノト方式は紙への手書きをデジタル化する製品群で知られるが、TOUGHPAD 4Kは紙をディスプレイ画面に置き換えてその機能を実現する。ディスプレイ面面へ赤外線にのみ反応する(人の目には見えない)特殊な透明ドットを格子状に配置し、光学センサー搭載の専用ペン(UT-VNP5000WU)で軌跡を認識する仕組み。4Kの高精細ディスプレイと相まって、手書きのような描画、なめらかな表示、記述が行える。
OSは2013年10月17日にリリースされるWindowsの新バージョン「Windows 8.1」をいち早く採用するのもポイントの1つ。「当初はWindows 8をベースに開発していたが、4Kディスプレイ、手書き入力の部分をチューニングしていくうえで、当社からMicrosoftにフィードバック/オーダーした仕様・項目がいくつかWindows 8.1で正式採用された。このため、ビジネス向けとはいえWindows 7では困難。Windows 8.1で現時点最良のパフォーマンスが得られるようになっている」(パナソニックの両角氏)
発売は2013年12月上旬を予定。4Gバイトメモリ/128GバイトSSD仕様の標準モデル、8Gバイトメモリ/256Gバイトメモリ仕様のスマートカードリーダー対応モデル(上位)の2モデルをラインアップする。価格はオープン、想定実売価格は45万円から。
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