NECパーソナルコンピュータは10月29日、個人向けPCの技術説明会「Tech Day」を実施。2013年秋冬モデル「LaVie Z」に採用した先進技術とその取り組みの経緯をLaVie Z開発チームが説明した。
2013年秋冬商戦向けの第2世代LaVie Zは、2560×1440ドット表示のIGZOディスプレイを採用した「高解像度モデル」と、タッチパネル搭載+長時間バッテリーを備えた「タッチモデル」の2バリエーションを用意し、モデルチェンジを行った。このうち高解像度モデルは、“限界”を追求した従来モデル(2012年8月発売)の重量をさらに約80グラムも下回る「約795グラム」を実現し、13.3型ノートPCで「世界最軽量」(NEC調べ)の称号を再び獲得した。
インテルが提案するUltrabookカテゴリの普及とともに、近年のノートPCは薄型化や軽量化が進んでいるが、それでも重量の値は1キロ台前半といった感じである。PCとしての基本構造や構成部品はあまり変わらず、その中で800グラムを切る数値を、しかも数百グラム台の範囲で100グラム単位で軽いとなると、「この軽さが俺のものになると……ムフフ、フフ」と入手後、これまでよりスペシャルに軽くなるPC環境を妄想せずにはいられない。そこに、「なぜそんなに軽くできるのか」の理由を知るとどうなるだろう。
LaVie Zの“軽さ”におけるアイデンティティの1つに、新素材「マグネシウムリチウム合金」の採用が挙げられる。第2世代のLaVie Zは、材料組成と圧延方法の工法を見直すことで、板厚0.5ミリから0.4ミリへの薄型化に成功。また、薄型化に貢献する筐体一体型キーボードもベースフレームの素材をアルミから高強度アルミに変更し、板厚を0.035ミリ薄型化。これにより「約5グラム」軽量になった。
マグネシウム合金を採用するアッパーボディ(キーボード側)も、パームレスト部を0.5ミリから0.45ミリに薄肉化し「約5グラム」軽量に、そして内部ファンもアルミからマグネシウムボディに変更した部材の採用により「約2.1グラム」軽くした。
そもそも第1世代で0.8ミリ厚の8層貫通ビア基板で約92グラムと軽量だったマザーボードも、PCシステムを第4世代Core・プロセッサー(開発コード名:Haswell)に刷新した恩恵とともに、電機部品、電源回路も含めて最適化/部品数を減らし、「約13グラム」もの減量に成功した。
続いてはバッテリー。高解像度モデルは、省電力化が進められたHaswellプラットフォーム、そして同画素密度比で比較的低消費電力なIGZOディスプレイを採用した恩恵を、バッテリー動作時間の延長ではなく「軽量化」に割り振った。第1世代は6セル/3000mAhバッテリーで約8.1時間動作、対して第2世代の高解像度モデルは4セル/2000mAhで約9.2時間(いずれもJEITA測定法でのカタログ値、実動作時間はもっと減る傾向。参考値はレビュー記事を参照してほしい)。セル数を減らした分、第一世代のバッテリー188グラムから168.8グラムと「約18.2グラム」軽くなった。
新たに採用した2560×1440ドット表示の超高解像度IGZOディスプレイも、第2世代LaVie Zの購買意欲を沸かすポイントとなる主要部品だ。液晶パネルベンダーのシャープと「世界最軽量を目指すため」と折衝し、通常とは異なる0.25ミリ厚の薄型ガラスで構成する部材に仕立て、「20〜30%の重量減」を実現したという。また、第1世代のTN方式/NW(Normally White)モードの配向からVA方式/NB(Normally Black)モードの配向となるIGZOディスプレイへ変更したことで、広視野角、かつ2倍のコントラスト、1.6倍の色純度でよりあざやかに表現できるよう表示性能も向上させている。「解像度だけでなく、実は画質にも注目してもらいたいですね。画質もかなりいいねと評価いただけると思います」(NECパーソナルコンピュータ キーパーツ技術LCD調達担当の詫間健治氏)
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