ニュース
» 2013年10月29日 22時36分 UPDATE

もはや「異次元の域」──新LaVie Zはなぜこんなに軽いのか (1/2)

NECが投入する超軽量PC「LaVie Z」は「究極の軽さ」が大テーマ。当時極限まで突き詰めたはずの2012年発売の第1世代から、さらに約80グラムも軽量化したのに驚かされる。どんな技術で、どんな方法でそれを達成したのかNECのLaVie Z開発チームが説明した。

[岩城俊介,ITmedia]

コンセプトは「究極の軽さ」、第2世代LaVie Zはなぜここまで軽いのか

photo 重量約795グラム+2560×1440ドット表示の「うぉぉ」な仕様に生まれ変わった、新「LaVie Z」(高解像度モデル)

 NECパーソナルコンピュータは10月29日、個人向けPCの技術説明会「Tech Day」を実施。2013年秋冬モデル「LaVie Z」に採用した先進技術とその取り組みの経緯をLaVie Z開発チームが説明した。

 2013年秋冬商戦向けの第2世代LaVie Zは、2560×1440ドット表示のIGZOディスプレイを採用した「高解像度モデル」と、タッチパネル搭載+長時間バッテリーを備えた「タッチモデル」の2バリエーションを用意し、モデルチェンジを行った。このうち高解像度モデルは、“限界”を追求した従来モデル(2012年8月発売)の重量をさらに約80グラムも下回る「約795グラム」を実現し、13.3型ノートPCで「世界最軽量」(NEC調べ)の称号を再び獲得した。

 インテルが提案するUltrabookカテゴリの普及とともに、近年のノートPCは薄型化や軽量化が進んでいるが、それでも重量の値は1キロ台前半といった感じである。PCとしての基本構造や構成部品はあまり変わらず、その中で800グラムを切る数値を、しかも数百グラム台の範囲で100グラム単位で軽いとなると、「この軽さが俺のものになると……ムフフ、フフ」と入手後、これまでよりスペシャルに軽くなるPC環境を妄想せずにはいられない。そこに、「なぜそんなに軽くできるのか」の理由を知るとどうなるだろう。


photophotophoto 編集部評価機の実重量。高解像度モデルのLZ750/NSは789グラム、ACアダプタ込みで1004グラム。タッチモデルのLZ650/NSは950グラムだった。
photo 第1世代より0.1ミリ肉薄化されたマグネシウムリチウム合金のロワーパネル

 LaVie Zの“軽さ”におけるアイデンティティの1つに、新素材「マグネシウムリチウム合金」の採用が挙げられる。第2世代のLaVie Zは、材料組成と圧延方法の工法を見直すことで、板厚0.5ミリから0.4ミリへの薄型化に成功。また、薄型化に貢献する筐体一体型キーボードもベースフレームの素材をアルミから高強度アルミに変更し、板厚を0.035ミリ薄型化。これにより「約5グラム」軽量になった。

 マグネシウム合金を採用するアッパーボディ(キーボード側)も、パームレスト部を0.5ミリから0.45ミリに薄肉化し「約5グラム」軽量に、そして内部ファンもアルミからマグネシウムボディに変更した部材の採用により「約2.1グラム」軽くした。

 そもそも第1世代で0.8ミリ厚の8層貫通ビア基板で約92グラムと軽量だったマザーボードも、PCシステムを第4世代Core・プロセッサー(開発コード名:Haswell)に刷新した恩恵とともに、電機部品、電源回路も含めて最適化/部品数を減らし、「約13グラム」もの減量に成功した。


photophotophoto 第1世代のマグネシウムリチウム合金パネルを、合成を確保したままさらに薄くすることに成功(写真=左)。キーボードの板金はより強度のある高強度アルミに変え、そのマージンを薄型化=軽量化に回した。第2世代のキーボードは、よく見ると肉抜き加工もなされており、より軽さを追求したことが分かる(写真=中央、右)
photophotophoto マグネシウム合金を採用するアッパーパネルの肉薄可、さらにファンも2.1グラムの軽量化のためボディをマグネシウム素材に変更した部品を使用した(写真=左)。Haswell世代に刷新したマザーボードは部品の最適化を行い再設計。約13グラムの軽量化を実現した(写真=中央)。LaVie Zの内部(写真=右)。上半分がマザーボード、下半分はバッテリー。なお、11.6型クラス程度のもっと小型なLaVie Zを出してよという声もあるが、多層の基板ではなく面積をとりつつ少層にて薄くを目的としたマザーボード設計のため、この厚さのまま小型化はまったく別の設計・開発が必要となるので難しいとのこと
photo 高解像度モデルは4セル/2000mAh仕様で軽量化を推進。容量こそ減ったが6セル仕様の第1世代より動作時間は増えている。一方のタッチモデルは同じ6セルながら容量を4000mAhに強化した大容量バッテリーを内蔵し、約14.5時間動作を実現する。それならばカスタマイズ可能なNEC Directの直販モデルにて、IGZO+6セルバッテリーの仕様でカスタマイズできればな──と思う

 続いてはバッテリー。高解像度モデルは、省電力化が進められたHaswellプラットフォーム、そして同画素密度比で比較的低消費電力なIGZOディスプレイを採用した恩恵を、バッテリー動作時間の延長ではなく「軽量化」に割り振った。第1世代は6セル/3000mAhバッテリーで約8.1時間動作、対して第2世代の高解像度モデルは4セル/2000mAhで約9.2時間(いずれもJEITA測定法でのカタログ値、実動作時間はもっと減る傾向。参考値はレビュー記事を参照してほしい)。セル数を減らした分、第一世代のバッテリー188グラムから168.8グラムと「約18.2グラム」軽くなった。

 新たに採用した2560×1440ドット表示の超高解像度IGZOディスプレイも、第2世代LaVie Zの購買意欲を沸かすポイントとなる主要部品だ。液晶パネルベンダーのシャープと「世界最軽量を目指すため」と折衝し、通常とは異なる0.25ミリ厚の薄型ガラスで構成する部材に仕立て、「20〜30%の重量減」を実現したという。また、第1世代のTN方式/NW(Normally White)モードの配向からVA方式/NB(Normally Black)モードの配向となるIGZOディスプレイへ変更したことで、広視野角、かつ2倍のコントラスト、1.6倍の色純度でよりあざやかに表現できるよう表示性能も向上させている。「解像度だけでなく、実は画質にも注目してもらいたいですね。画質もかなりいいねと評価いただけると思います」(NECパーソナルコンピュータ キーパーツ技術LCD調達担当の詫間健治氏)


photo 高解像度モデルは2560×1440ドット表示のIGZO液晶ディスプレイを採用する(しかもノングレア表面)。対してタッチモデルも、1920×1080ドット表示のIPS液晶ディスプレイと、現在のトレンドをふまえ第1世代より高解像度化した
photophotophoto 第2世代LaVie Z搭載液晶ディスプレイの進化ポイント。高精細化もそうだが、第1世代比で表示性能も向上させている

NEC Direct(NECダイレクト)
       1|2 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.