「MASTERPIECE i1440PA1-SP-DOC-CL」――圧倒的なスピード! すべてが豪華仕様のオーバークロックゲーミングPC価格は約50万円!!(1/2 ページ)

» 2014年05月08日 11時30分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
ココが「○」
・ワンプッシュでオーバークロック
・CPUもGPUもメモリもOC仕様
・SSD RAIDでリード1Gバイト/秒超
・4K解像度でゲームもサクサク
ココが「×」
・お値段は約50万円!

はじめに:オーバークロック仕様の“超速”ゲーミングモデル

高性能なゲーミングPCブランドの中でも最上位に位置する「MASTERPIECE i1440」

 G-Tuneは、マウスコンピューターのゲーミングPCブランドだ。その中で今回紹介する「MASTERPIECE i1440」シリーズはフラグシップに位置づけられる。ガチガチのゲーマー向け仕様といったところだ。ベーススペックは、CPUがCore i7-4770K(3.5GHz/最大3.9GHz)、マザーボードがIntel Z87チップセット搭載マザー、そしてグラフィックスカードのGPUは、NVIDIA GeForce GTX 780/780 Tiおよび780 TiのSLIとなる。ベース仕様の段階でも20万強〜30万円台半ばと、お値段もそれなりだ。

 まず、本機最大の特徴であるOC機能について触れておこう。OCボタンはフロントパネルの電源ボタンの斜め下に搭載されている。MASTERPIECEシリーズは、Abeeとの共同開発ケースをベースとしているが、本モデルはさらに特別にボタンを追加している格好だ。ベイアクセサリとして実装しているのではなく、しっかり埋込み型で搭載しているあたり、手が込んでいる。

 このOCボタンは、物理的なボタンであるため、ソフトウェアやBIOSから何か設定したりクリックする必要はない。押せばあっけなくOCされる。マザーボードがMSI製であるため、おそらくはMSIのOC機能であるOC Genie(上位マザーではマザーボード上のボタンとして実装している)を外部ボタンとして実装しているのだろう。

電源ボタンの左下にOCボタンが搭載されている。中央の小さいボタンを押し込むとオン、もう1度押すと元に戻ってオフ。CPUとGPUのクロックをワンプッシュで引き上げられるのだ

製品概要:CPU、GPU、メモリ、SSD、すべてがゴージャス

アルミ製のフルタワーケース。黒をベースに、赤いラインが目をひく。電源を下部にレイアウトし、フロントパネル裏のストレージスペースの中央部分に水冷ラジエータを装着している。大き目なケースだが、3.5インチシャドーベイは下部に4基、3.5インチベイは1基、5インチベイが3基と、拡張性はほどほど。そのぶん、奥行はやや短めで、デスク下への収納は楽々

 ケース自体は、従来のMASTERPIECEシリーズと共通のデザインだ。前面にパンチングを施したエアフロー重視の仕様で、そうした点からもハイエンドモデルであることが実感できる。フロントパネルの両サイドには赤いラインが設けられ、アクセントとなっている。全体的に、ゲーミングPCにしては落ち着いた雰囲気と高級感あるデザインだ。電源は下置きで、両サイドパネルには、適所に吸気スリットが設けられている。フロント下部のパンチングと合わせ、やはりエアフロー重視のデザイン。そして、内部パーツもハイエンド構成ということもあり、動作音は抜けやすい。

 マザーボードはMSI製。レイアウトから推測すると、「Z87-GD65 GAMING」がベースとなっているとみられる。ただし、Z87-GD65 GAMINGのボード下辺にあるOC Genieボタンの部分が取っ払われ、代わりにケーブルが伸びている。

 CPUはCore i7-4770K(3.5GHz/最大3.9GHz)で、これは固定だ。GPUがGeForce GTX 780以上なので、これに見合ったCPUでなければ性能を引き出せない。CPUクーラーは Cooler Master「Seidon 120XL」。水冷仕様で、ラジエーターは厚型の12センチ角サイズだ。空冷の大型クーラーと比較すれば、OCでの冷却性能、静音性、メンテナンス性でよい選択だろう。フロントのシャドウベイスペースの中央に、2つの12センチファンで挟まれる形で実装されている。この場合、水冷ラジエーターを通過した若干温度の高い風がグラフィックスカードに当たることになるが、ほかに適当なスペースはなく、12×24センチラジエーターではコストがかかることもあり、これも最適解なのだろう。

本体左側面カバー内と本体背面。本体サイズは219(幅)×471(奥行き)×499(高さ)ミリ

 OCの状態は「G-Tune OC Boost」という専用アプリで確認できる。デスクトップUI向けのアプリで、タスクトレイに常駐するので、これをクリックすることでデスクトップ右下にCPUクロックとGPUクロックが表示される仕組みだ。なお評価機のグラフィックスカードは、GPUにGeForce GTX 780 Tiを搭載したリファレンスデザインのカードを2枚、SLI構成で搭載していた。

CPU-Zから見たCPU情報。右はOCした状態のスクリーンショットだ。Turbo Boost時の最大クロックである3.9GHzを超え、4.2GHzに達している(画面=左/中央)。GPU-Zから見たグラフィックスカードとGPU。リファレンス仕様のカードが2枚、搭載されていた(画面=右)

 メモリは、DDR3-2400モジュールが計32Gバイトも搭載されていた。Intel Z87+Core i7-4000番台での標準メモリはDDR3-1600。いわゆるOCメモリで、XMPプロファイルを読み込むように設定されており、DDR3-2400モードで動作する。つまり、本製品は、CPU、GPU、そしてメモリまでOCされたモデルということになる。CPU-Zから見ると、Kingston製「KHX2400C11D3/8GX」と表示された。

CPU-Zから見たメモリ。DDR3-2400動作をしており、8Gバイト×4枚の32Gバイトと、速度も容量も十分

 ストレージは、CドライブがSamsungの840 EVOシリーズの1TバイトモデルをRAID 0(ストライピング)、Gドライブが2TバイトHDDのSeagate「ST2000DM001」を搭載していた。容量的にはどちらも2Tバイト。RAID機能は、チップセットの標準機能を用いていた。光学ドライブにはDVDスーパーマルチドライブを、そのほかマルチカードリーダーも搭載している。

ストレージは、1TバイトのSSD×2基のRAID 0と、2TバイトHDDという構成(写真=左)。ネットワークチップにはKillerが用いられており、専用ユーティリティも導入されている(写真=右)

 電源は1200ワットの80PLUS Gold仕様だ。GeForce GTX 780 TiのSLI構成なので、この容量にも納得。80PLUS Goldなので、効率面、発熱の抑制効果などにも期待できる。ケーブルはプラグイン式だが、ケースに十分なスペースがあり、ほかにも紛失防止の糸だろうか、すべてケーブルが装着されたまま、タイでとめられていた。

大型のケースだが、奥行きが短いために、詰まった印象。しかし、CPUクーラーの上部スペースや、マザーボード下辺から電源にかけての部分のスペースなど、意外とスペースはある。HDDは3.5インチシャドーベイに、SSD×2台は3.5インチベイ裏に搭載されているほか、ケースファンは前面下部、リアに12センチ角を、トップに14センチ角を搭載していた

 MASTERPIECE i1440シリーズにはいくつかのグレードがあるが、i1440PA1-SP-DOC-CLは、そのなかでプラチナモデルのカスタムという設定になる。価格は税別で49万9800円。なかなか気軽に買える製品ではないが、「みんなの夢」的なフラグシップであることは間違いない。もちろん、さらに上位としてはLGA 2011対応で3-wayマルチGPU対応、GeForce GTXにはTITAN Blackなんていう構成もあるわけだが、それでも現実的なところでの最強構成と言ったらこの「i1440PA1-SP-DOC-CL」になる。いかほどのパフォーマンスを発揮できるのか見ものだ。次ページから早速検証していこう。

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