さて、このオフライン同期機能を使って作成した「写真アルバム」をスマートデバイス(スマートフォンやタブレット)で利用するのが、今回のメインテーマだ。閲覧だけでなく、さらに外部からちょっとした編集が行えれば便利に違いない。
MicrosoftはOneDriveの利用にあたって、Web版のインタフェースだけでなく、各プラットフォーム向けに専用クライアントも提供している。OSと一体化しているWindows 8.1/RT 8.1を除けば、それと同等の機能を持つデスクトップアプリケーションがWindows用とMac用の2種類が用意されているのだ。このほか、Android、iOS、Windows Phone、そしてXboxまで、専用アプリが用意されており、プラットフォームの幅は広い。
これらのモバイルOSはWebブラウザを搭載しているため、Web版インタフェースにアクセスするだけでもOneDriveの基本機能を利用できるが、操作性の面では専用アプリに軍配が挙がる。3種類のモバイルOSについて、それぞれの専用クライアントは下記のリンクよりダウンロード可能だ。
どのアプリについても、起動時にMicrosoftアカウントを入力してサインインする必要がある(Windows Phoneの場合も同様)。後は通常のOneDriveの操作と同じだ。
スマートデバイスは編集作業に向いていないが、特にタブレットでは複数人で写真を閲覧するのに向いている。PC上で作成した写真アルバムをOneDriveにオフライン同期で自動転送しておき、それをスマートフォンやタブレットで見て楽しむというスタイルだ。写真は高解像度のものを等倍サイズで閲覧できるため、フルHD以上の解像度を持つ大画面ディスプレイにスマートデバイスからミラーリング表示して楽しむのもよいだろう。
ただし注意点として、これらのスマートデバイス用アプリでは「オフライン同期」の機能を持っていないため、アップロードした写真は手元のストレージにファイルをダウンロードしない限り、オフラインでの閲覧ができない。ただでさえ少ないスマートデバイスのストレージを圧迫しないという点ではメリットだが、逐次OneDriveへのアクセスと写真転送でネットワーク帯域を消費するため、データ通信の通信制限などには注意したい。
スマートデバイス向けアプリの基本的な機能はWeb版に準じており、削除や編集、一括アップロード、共有のためのリンク生成など、一通りの機能はそろっている。一方でWindows 8.1/RT 8.1やPC向けクライアントが備える自動同期の機能はない。
ただし例外があり、Android版とiOS版については「カメラロール」の自動バックアップが可能だ。この機能を「オン」にすることで、AndroidやiOSデバイスで撮影した写真や動画が自動的にOneDriveへとアップロードされる。ただし、それなりの転送容量が発生するため(写真1枚あたり1〜3Mバイト程度と思っておけばいいだろう)、写真を頻繁に撮影するユーザーは注意が必要だ。
iOS版アプリの場合、「カメラロール」と「アルバム」にしかユーザーがアクセスできないというiOSの制限のため、できることは写真と動画のアップロード/ダウンロードのみと非常に限定されている。
そのため、前述のようにカメラロールからOneDriveへのアップロード(バックアップ)のほか、アルバム作成のためのダウンロードが主な作業となる。もし、Officeなどのファイルを編集したい場合は、OneDriveアプリではなく、Officeの専用アプリやWebインタフェースを使うことになる。
iOS版と異なり、ファイルシステム全体にアクセスが可能なAndroid版では、幾分かできる作業が増える。
前述のようなカメラロールとアルバムに関するアップロード/ダウンロードのほか、OneDrive上にOfficeなどの作業ファイルを置いて、直接ほかのアプリと連携が可能だ。SDメモリーカードによってストレージ容量を増やせるAndroidデバイスもあるため、写真や動画などローカルで頻繁に閲覧したいというものは、あらかじめダウンロードしておくのもよいだろう。
ただし、OneDriveの公式Androidアプリでは自動同期が利用できないため、すべて手作業で行うことになる。これが面倒だという人は「OneSync(OneDrive Autosync)」というアプリを使ってみるとよいだろう。
無料版では広告表示のほか、「OneDriveとローカルのフォルダを1つずつしか指定できない」という制限があるものの、5分や1時間単位など、指定した間隔で自動的にOneDriveとローカルフォルダとの同期を行ってくれる。より複雑なことをしたければ、In-App Purchaseを使って有料版にアップグレードすればよい。
日本では利用者がごく限られているだろうが、Windows Phone版のOneDriveアプリも紹介しておこう。基本的なUIはiOS版やAndroid版と同じだが、使い勝手がよくない部分もあり、Microsoft謹製アプリとして今後の改善に期待したい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.