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スマホ/タブレットをWindows PCと手軽に連携するには?――「OneDrive」使いこなしテク【モバイルOS編】鈴木淳也の「まとめて覚える! Windows 8.1 Update」(2/3 ページ)

» 2014年08月05日 13時45分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]
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モバイルデバイスからOneDriveにアクセス

 さて、このオフライン同期機能を使って作成した「写真アルバム」をスマートデバイス(スマートフォンやタブレット)で利用するのが、今回のメインテーマだ。閲覧だけでなく、さらに外部からちょっとした編集が行えれば便利に違いない。

 MicrosoftはOneDriveの利用にあたって、Web版のインタフェースだけでなく、各プラットフォーム向けに専用クライアントも提供している。OSと一体化しているWindows 8.1/RT 8.1を除けば、それと同等の機能を持つデスクトップアプリケーションがWindows用とMac用の2種類が用意されているのだ。このほか、Android、iOS、Windows Phone、そしてXboxまで、専用アプリが用意されており、プラットフォームの幅は広い。

OneDriveが利用可能なプラットフォーム一覧

 これらのモバイルOSはWebブラウザを搭載しているため、Web版インタフェースにアクセスするだけでもOneDriveの基本機能を利用できるが、操作性の面では専用アプリに軍配が挙がる。3種類のモバイルOSについて、それぞれの専用クライアントは下記のリンクよりダウンロード可能だ。

 どのアプリについても、起動時にMicrosoftアカウントを入力してサインインする必要がある(Windows Phoneの場合も同様)。後は通常のOneDriveの操作と同じだ。

 スマートデバイスは編集作業に向いていないが、特にタブレットでは複数人で写真を閲覧するのに向いている。PC上で作成した写真アルバムをOneDriveにオフライン同期で自動転送しておき、それをスマートフォンやタブレットで見て楽しむというスタイルだ。写真は高解像度のものを等倍サイズで閲覧できるため、フルHD以上の解像度を持つ大画面ディスプレイにスマートデバイスからミラーリング表示して楽しむのもよいだろう。

 ただし注意点として、これらのスマートデバイス用アプリでは「オフライン同期」の機能を持っていないため、アップロードした写真は手元のストレージにファイルをダウンロードしない限り、オフラインでの閲覧ができない。ただでさえ少ないスマートデバイスのストレージを圧迫しないという点ではメリットだが、逐次OneDriveへのアクセスと写真転送でネットワーク帯域を消費するため、データ通信の通信制限などには注意したい。

 スマートデバイス向けアプリの基本的な機能はWeb版に準じており、削除や編集、一括アップロード、共有のためのリンク生成など、一通りの機能はそろっている。一方でWindows 8.1/RT 8.1やPC向けクライアントが備える自動同期の機能はない。

 ただし例外があり、Android版とiOS版については「カメラロール」の自動バックアップが可能だ。この機能を「オン」にすることで、AndroidやiOSデバイスで撮影した写真や動画が自動的にOneDriveへとアップロードされる。ただし、それなりの転送容量が発生するため(写真1枚あたり1〜3Mバイト程度と思っておけばいいだろう)、写真を頻繁に撮影するユーザーは注意が必要だ。

 iOS版アプリの場合、「カメラロール」と「アルバム」にしかユーザーがアクセスできないというiOSの制限のため、できることは写真と動画のアップロード/ダウンロードのみと非常に限定されている。

 そのため、前述のようにカメラロールからOneDriveへのアップロード(バックアップ)のほか、アルバム作成のためのダウンロードが主な作業となる。もし、Officeなどのファイルを編集したい場合は、OneDriveアプリではなく、Officeの専用アプリやWebインタフェースを使うことになる。

まずはiOS版のOneDriveアプリから。最初にカメラロールの同期を行うかを確認してくるが、筆者の場合は写真撮影の機会が多く、バックグラウンドでの通信が頻繁に発生しがちなので、この機能を「オフ」にしている。もし機能を有効にした場合は3Gバイトのボーナス容量がOneDriveに追加される
iOS版OneDriveの標準ユーザーインタフェース(UI)。iOSではユーザーは「カメラロール」または「アルバム」の2つのフォルダにしか触れないため、基本的にOneDriveは写真/動画の閲覧やアップロード/ダウンロード用に限られる

 iOS版と異なり、ファイルシステム全体にアクセスが可能なAndroid版では、幾分かできる作業が増える。

 前述のようなカメラロールとアルバムに関するアップロード/ダウンロードのほか、OneDrive上にOfficeなどの作業ファイルを置いて、直接ほかのアプリと連携が可能だ。SDメモリーカードによってストレージ容量を増やせるAndroidデバイスもあるため、写真や動画などローカルで頻繁に閲覧したいというものは、あらかじめダウンロードしておくのもよいだろう。

Android版のOneDriveアプリ。最初にMicrosoftアカウントの入力を求めつつ、カメラロールのバックアップ機能を有効にするかを確認してくる点はiOS版と同じだ
UIも基本的にiOS版と共通だが、Android版の最大の違いはデバイス上のローカルストレージに直接アクセス可能な点にある。そのため、写真以外の汎用(はんよう)ファイルのやりとりが簡単で、OneDriveを外部の拡張ストレージ代わりとして存分に活用できる

 ただし、OneDriveの公式Androidアプリでは自動同期が利用できないため、すべて手作業で行うことになる。これが面倒だという人は「OneSync(OneDrive Autosync)」というアプリを使ってみるとよいだろう。

 無料版では広告表示のほか、「OneDriveとローカルのフォルダを1つずつしか指定できない」という制限があるものの、5分や1時間単位など、指定した間隔で自動的にOneDriveとローカルフォルダとの同期を行ってくれる。より複雑なことをしたければ、In-App Purchaseを使って有料版にアップグレードすればよい。

AndroidデバイスとOneDriveを自動同期させることが可能になる「OneSync(OneDrive Autosync)」アプリ
まず最初に同期させるAndroidデバイス上のフォルダとOneDrive上のフォルダを指定し(画像=左)、同期方法(双方向やアップロードのみなど)を選ぶ(画像=右)
OneSyncは常駐サービスとして動作するため、指定した時間間隔で自動的にアプリが呼び出され、バックグラウンドでの同期を行う(画像=左)。ファイルサイズの制限などもメニューで細かく指定可能だ(画像=右)。同期中はステータスバーに雲のマークが出現し、同期状況を確認できる

 日本では利用者がごく限られているだろうが、Windows Phone版のOneDriveアプリも紹介しておこう。基本的なUIはiOS版やAndroid版と同じだが、使い勝手がよくない部分もあり、Microsoft謹製アプリとして今後の改善に期待したい。

Windows Phone版のOneDriveアプリ。Microsoft謹製OSではあるが、ほかのプラットフォーム同様、アプリの初回起動時はMicrosoftアカウントによるサインイン作業が必要だ。基本的なUIはほかのモバイルOS用アプリと同様だが、操作が洗練されていない。例えばファイルの複数選択が不可能で、1つ選択するごとに元のメニューに戻ってしまうなど、使い勝手はいまひとつだ

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