DropboxのCEO兼共同設立者が日本市場に期待する理由社内セキュリティ部門の調査結果も明らかに

» 2014年10月22日 17時15分 公開
[長浜和也,ITmedia]

日本企業の9割にはDropboxが適している

 Dropboxは、10月22日にCEO兼共同設立社のドリュー・ヒューストン氏とCOOのデニス・ウッドサイド氏が来日して、Dropbox Japan カントリーマネージャーの河村浩明氏とともに記者会見を10月22日に行った。

 ヒューストン氏は、2007年にDropboxサービスを発表した当初、ユーザーはデータの保存やアクセスといった用途で利用していたが、ユーザーの希望にあわせて特にユーザーグループの共同作業を支援する機能やサービスを拡張してきたことを紹介し、Dropboxの役割は、ユーザーが扱う重要な情報を収容できる場所を用意することであり、これからも、新たに登場するデバイスやサービスに対応して、ユーザーが簡単に利用できる機能を提供していきたいと語った。

CEO兼共同設立社のドリュー・ヒューストン氏

 デニス氏は、多くのユーザーがDropboxを利用している3つのポイントとして、(1)オンラインストレージというサービスの形態で使いやすい機能の提供 (2)3種類用意したプロダクツ (3)日本市場に適したサービスを挙げている。

 デニス氏は、オンラインストレージを提供するサービスはこれからも大きく成長するとして、これまでDropboxの主要市場だったコンシューマー領域から、現在はビジネスの領域まで利用場面が拡大していると述べた。Dropboxのユーザーは3億人まで拡大しており、そのユーザーの7割は米国以外のユーザーが占めているという。デニス氏によると日本のユーザーは800万人程度とのことだ。

 現在、オンラインストレージサービスには、多くの企業が参入し、MicrosoftのOne DriveやGoogleのGoogle Driveでは無料で使える容量として15GバイトというDropboxより大きな容量を提供するなど、競争が激しくなっている。

 このような状況においてDropboxが多くのユーザーを得ている理由として、デニス氏は「Dropboxは正しく機能するから」と明快に説明する。データ転送が高速で信頼性が高く使いやすいサービスを選択するユーザーが多くなるというのがDropboxの考えだ。

COOのデニス・ウッドサイド氏

コンシューマーからビジネスに拡大するDropbox

 現在、Dropboxでは、「ベーシック」「プロ」「ビジネス向け」のプランを用意している。無料のベーシックでは2Gバイト、プロは1カ月あたり1200円で容量1Tバイトと共有管理機能が利用でき、ビスネス向けでは、1ユーザーごとに1カ月あたり1500円で、利用ユーザーの集中管理をIT部門が行える機能や包括的な監査ログを利用できる。有料のプロプランでも現在数百万のユーザーが契約しているほか、ビジネス向けプランも8万社が導入している。

 デニス氏は、日本市場について、日本は、中小規模の企業が9割を占め、労働人口でも7割が中小規模の企業に所属していることから、中小規模の企業に適したオンラインストレージサービスのDropboxは日本市場に期待していると述べた。また、Dropbox Japanが2014年の9月から稼動してスタッフも増員する計画であるなど、日本市場に向けた投資も継続して行っていることを明らかにしている。

 そのDropbox Japanのカントリーマネージャーを務める河村氏は、日本拠点ができる以前から多くのユーザーが日本でもDropboxを利用しており、河村氏自身も前職時代からユーザーフレンドリーで使いやすいDropboxを使っていたとしながら、それでも、日本ユーザーはDropbox全体の3%に過ぎず、企業ユーザーも含めて日本におけるDropboxの知名度を上げていくのが当面の目標と語っている。

Dropbox Japan カントリーマネージャーの河村浩明氏

 なお、10月14日に報道があった「DropboxユーザーとされるIDとパスワード情報のインターネット掲載問題」については、これまでの公式ブログにおけるコメントと同様に、インターネットに掲載されていた情報はDropboxとは関係のないサービスから流出したものという見解を示した上で、その後、Dropboxのセキュリティ担当チームによる調査でも、Dropboxからの流出の形跡はなかったという結果を明らかにした。

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