“6万円台”で手に入る13.3型ノート+タブレット+タッチペンの完成度は?――「Inspiron 13 7000シリーズ 2 in 1」徹底レビュー第4世代Core、防水キーボードも搭載してこの価格(2/4 ページ)

» 2014年12月03日 12時45分 公開
[フォレスト・ヒーロー,ITmedia]

液晶ディスプレイはIPS方式のHDパネルを採用、フルHDパネルも選べる

 13.3型ワイド液晶ディスプレイの表示解像度は1366×768ピクセルだ。画素密度は約118ppi(pixels per inch:1インチあたりのピクセル数)と少し粗い印象を受けるが、IPSパネルを採用しているので、視野角は広い。価格を考えれば妥当なスペックだろう。同社はフルHD(1920×1080ピクセル)のモデルも用意しているので、高解像度を望むユーザーはそちらを選べばよい。

 ハードウェア情報の調査ツール(HWiNFO64)で調べたところ、内蔵の液晶ディスプレイは、LG Display(Unknown Model:LGD0464)製で2014年の製造と表示された。

1366×768ピクセル表示の13.3型ワイド液晶ディスプレイは、広視野角のIPSパネルを採用(写真=左)。ハードウェア情報の調査ツール(HWiNFO64)で調べた液晶ディスプレイの情報(画面=右)

 13.3型のモバイルPCということで、屋外での視認性が気になるユーザーも少なくないだろう。今回は、照度計(Zhangzhou WeiHua Electronics製LX-1010B)を使って、液晶ディスプレイの明るさを計測してみた。液晶ディスプレイの輝度を100%に固定し、全画面に白を表示したまま、中央部で計測している。

 結果は215ルクスだった。参考までに測定した「Surface Pro 3」が481ルクスであり、やや暗めの結果だ(液晶ディスプレイの輝度で使われるカンデラ/平方メートルではない点に注意)。屋内では必要十分な明るさだが、明るい屋外での視認性は高くない。

液晶ディスプレイの照度計測結果。Inspiron 13 7000シリーズ 2 in 1は215ルクス(写真=左)、参考までに計測したSurface Pro 3は481ルクス(写真=右)だった

使いやすいバックライト付き防水キーボードを搭載

 キーボードは、キー間隔を離したアイソレーションデザインの日本語84キー仕様だ。輝度センサー付きの白色LEDバックライトを内蔵しているため、暗所でも視認性に優れ、入力しやすい。前述した通り、防水仕様というのもポイントだ。

 主要キーのキーピッチは実測で19.15(横)×17.9(縦)ミリと、余裕をもったレイアウトだ。主要キー自体の大きさは14.75(横)×14.74(縦)ミリと正方形だが、キーの間隔は横方向の4.4ミリに対して、縦方向は3.16ミリと縦が若干狭い。全体的に癖のないキーレイアウトで、使い始めてすぐに慣れるが、Enterキーの横幅がやや狭い(10.88〜14.7ミリ)のは少し気になった。

 キーストロークは、実測で1.2ミリと浅い。本体を薄く仕上げつつ、タブレットスタンドモードで底面になるキーボードが飛び出さないように配慮した結果だろう。スイッチの反発はやや強めだが、おおむね押下感は良好で剛性感もある。

 キーボードの手前中央部には、左右ボタン一体型のクリックパッドがある。滑りが特によいわけではないが、実測で105.0(横)×65.7(縦)ミリと十分なサイズがあり、下部にレイアウトされるクリックボタンの感触もよく、操作性は悪くない。

 クリックパッドでは、Windows 8.1のチャーム表示のほか、2本指での上下スクロール、回転、つまみズームなどのジェスチャー操作が可能だ。

使いやすいバックライト付きの防水キーボードと、大きめのクリックパッドを装備する(写真=左)。実測で主要キーのサイズは14.75(横)×14.74(縦)ミリの正方形、キーピッチは19.15(横)×17.9(縦)ミリだった(写真=右)

CPUは第4世代Core Uシリーズを採用、インタフェースも必要十分な構成

HWiNFO64の情報表示画面。評価機は2コア/4スレッド対応のCore i3-4010U(1.7GHz)、4GバイトDDR3L-1600メモリ、500GバイトHDDを搭載する。HDDはHDDは東芝製「MQ01ABF050」だった

 Inspiron 13 7000シリーズ 2 in 1の基本システムには、省電力で低発熱の第4世代Core Uシリーズを採用する。今回入手した「ベーシックモデル」は2コア/4スレッド対応のCore i3-4010U(1.7GHz)を搭載するが、上位の「プレミアムモデル」では2コア/4スレッド対応のCore i5-4210U(1.7GHz/最大2.4GHz)を用いている。

 GPUはCPU統合のIntel HD Graphics 4400を使用。メモリは4GバイトDDR3L-1600(シングルチャンネル、スロット×1で空きなし)、データストレージは500Gバイトの2.5インチHDD(5400rpm)だ。プレミアムモデルの最上位機では、8Gバイトのメインメモリ、8Gバイトのキャッシュを搭載した500GバイトハイブリッドHDD(5400rpm)も用意する。

 低価格モデルでは、大容量の高速SSDを搭載するというぜいたくな構成は望めないが、特にタブレットとしての使用時は、揺れや振動に強く、立ち上がりが素早いSSDかそれに準ずる構成は欲しいところだ。本機の場合、不意の落下などによるダメージからHDDを守る独自機構「フリーフォール・データプロテクション」があり、振動対策は考慮されている。

 プリインストールOSは64ビット版のWindows 8.1 Updateを採用。オフィススイートはOffice Premiumを追加できる。

 通信機能は「Dell Wireless-N 1707」というIEEE802.11b/g/n(2.4GHz帯シングルバンド)の無線LAN、Bluetooth 4.0を標準装備している(HWiNFO64によるとBroadcom BCM43142と表示される)。さらに、最上位機ではIEEE802.11acの高速無線LAN(Intel Dual Band Wireless-AC 7260 + Bluetooth)も用意されている。

 入出力端子は、USB 3.0を2基(うち1基は電源オフチャージ対応)、USB 2.0を1基装備するほか、2in1メモリカードリーター(SDXC対応SDメモリーカード/MMC)、HDMI 1.4a出力、720p対応のHD Webカメラを液晶画面の上部に装備するなど、実用十分な内容だ。

 ステレオスピーカーは左右の側面にそれぞれレイアウトされ、音響ソフトウェアとしてはWaves MAXX Audio Proが導入されている。低音の重厚感はないが、パワーはそれなりにある。映像や音楽コンテンツを再生したときに、13型クラスのモバイルPCとして劣る印象はないだろう。

前面は右端に充電ランプを内蔵
背面には360度回転ヒンジと排気口を配置
左側面は手前から左スピーカー、音声入出力、USB 3.0、USB 3.0(電源オフチャージ対応)、HDMI出力、ACアダプタ接続用のDC入力、盗難防止ロック用スロットを用意
右側面には手前から電源ボタン、音量調整ボタン、右スピーカー、USB 2.0、2in1メモリカードリーター、スタイラスペン収納スロットが並ぶ
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