超小型キットと別の売れ方をする極小PCたち古田雄介のアキバPickUp!(1/4 ページ)

» 2014年12月08日 12時59分 公開
[古田雄介&ITmedia アキバ取材班,ITmedia]

「ライト層の方にも人気です」――好調な「m-Stick」と、その売れ方

 週末アキバ特価リポートでも触れた通り、マウスコンピューターの極小PC「m-Stick MS-NH1」が週末に売り出されたが、発売前から予約が殺到するなど、年内の購入が危ぶまれるくらいの反響を得ている。

 m-Stick MS-NH1は、Windows 8.1 with Bingを搭載したスティック型のPCで、Atom Z3735Fと2GバイトのDDR3L、32GバイトのeMMCを内蔵する。テレビやディスプレイなどのHDMI端子に直接差し込める仕様となっており、サイズは38(幅)×100(奥行き)×9.8(厚さ)ミリとなる。動作にはUSB経由のACアダプタが必要で、マウスとキーボードも別途用意する必要がある。価格は1万9800円だ(税込み、送料込み)。

マウスコンピューター「m-Stick MS-NH1」

 マウスコンピューター秋葉原ダイレクトショップは、「購入される方はテレビに挿してパソコンの機能を追加したいという人が多い印象です。マニア層の方ももちろんいらっしゃいますが、意外と広い購入層にリーチしているんだなと思いました」と語っており、従来の自作層以外にも注目されている様子だ。

 同じような売れ方が期待されているのは、ECSの「LIVA」新モデルだ。CPUやメモリ、ストレージを一式そろえた自作キットとして2014年4月から注目を集めたシリーズだが、新モデルはWindows 8.1 with Bingを組み込んだ「PC」として出荷されている。ストレージ容量32Gバイトの「LIVA-C0-2G-32G-W-OS」が2万8000円前後、64Gバイトの「LIVA-C0-2G-64G-W-OS」が3万円前後。

 某ショップは「インパクト的にm-Stick食われているところがありますが、本体だけをモバイルするPCとしてさまざまな使い方ができると思います。自作の知識なしで使えるということで、ベアボーンキットとは別の購入層が取り込めますし、伸びしろはかなりあるんじゃないでしょうか」と話していた。

ESC「LIVA」のWindows 8.1 with Bingプリインストールモデル

 実際、インテルの「NUC」やギガバイトの「BRIX」とは別ジャンルという扱われ方が浸透している。TSUKUMO eX.は「超小型キットもデビュー当初のようなサーバや研究用といった限定的な使われ方ではなくなってきましたが、やはり『自作ユーザーの中でコンパクトが好きな方』という枠はあります。先日の『ZBOX P』やm-Stickなどは、スペックを割り切る代わりに自作の枠と据え置き感を外していますから」と解説する。

 なお、超小型キットの新製品としては、BRIXから「GB-BXBT-1900」が登場している。SoCタイプの4コアCPU「Celeron J1900」や、アナログRGB出力とHDMIの両映像出力端子を搭載したモデルで、価格は2万1000円弱。なお、出力系統が同じモデルとしては2コアCPU「Celeron 2955U」を搭載する下位の「GB-BXBT-2807」が2014年8月に1万6000円前後で売り出されている。

 TSUKUMO eX.は「価格的にGB-BXBT-2807の陰に隠れることも考えられますが、気持ちハイスペックで2系統出力が可能なモデルを探している人にはいいかも」とそこそこの期待を込めていた。

ギガバイト「BRIX GB-BXBT-1900」

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