日本時間で今晩の深夜(3月10日午前2時)、ついに「Apple Watch」の詳細情報が公開となる。すでにネットでは2014年9月9日に行われたApple Special Eventの前から、不確かなウワサや推測を元に書かれた信ぴょう性の不確かな情報が、量だけはたくさん出回っており、どこまでが本当で、どこからはただのウワサなのかの区別がつきにくくなっている。
この記事では今一度、何が発表されたかだけをおさらいするので、これまでネットで得た情報は忘れてリセットした頭で今晩の予習をしてもらえればと思う。
本稿は2014年9月9日に発表された内容、その後、筆者がプライベートな製品お披露目で得た情報、そしてアップル公式ホームページで公開された内容を元に構成している。
そもそもApple Watchとは何か?そして何ができるのか。最近、腕にはめる情報機器は運動用のものから情報表示用などさまざまな種類が出ているので混乱気味の人も多いかもしれない。Apple Watchの主な役割は次の3つだ。
アップルは、Apple Watchを、まずは第1に現在の最新のテクノロジー(デジタルテクノロジーだけでなく、ものづくりのテクノロジーも含む)で作った極めて正確でエレガントな時計として仕上げることに全力を尽くしている。
時計には時刻以外の情報を表示できるものもあり、これを時計の世界では「コンプリケーション」(複雑時計)と呼んでいるが、Apple WatchはiPhone経由でインターネットへも接続可能な“21世紀の時計”として、これまでの時計にはないような多彩なコンプリケーションを用意しており、さらに他社製のソフトも「グランス」と呼ばれる情報表示画面として組み込むことができる。
ただ、どんな操作をしているときでも、デジタルクラウンと呼ばれる竜頭(リュウズ)のボタンを押すと「時計」の画面に戻ることからも、アップルはApple Watchの中心的な役割は時計だと位置付けていることが分かる。
ちなみにApple Watchには後述するが合計で34種類のモデルがあるが、時計としての盤面(フェイス)の表示のバリエーションは数百万通りある。基本となるフェイスが9通り以上あるのに加え、これが秒針の有無や目盛りの区切り方などで細かくカスタマイズが可能で、さらにアラームや月の満ち欠けなど10種類以上のコンプリケーション情報の追加も可能になっている。
情報は盤面を通してだけでなく、例えばインターネットのカレンダーなどと連動して、次の予定などを振動などを通しても通知される。
2つ目のコミュニケーションの道具としての機能では、メール、メッセージ(SMSやiOS機器間での無料メッセージサービスのiメッセージ)そして電話の通話ができる。いずれもネットや電話網への接続はApple WatchとペアリングしたiPhoneを経由して行う。
Apple Watchのコンセプトの1つは、人々が1日中どこへいてもスマートフォンの画面ばかり覗き込んでいる状態の解消、「スマホ歩き」などの軽減だ。Apple Watchを使えば、iPhone本体はカバンの中にいれっぱなしでも腕に巻いたApple Watchでメールやメッセージの確認や電話の受け答えができる。
メッセージ交換に真剣になってしまうとどうしても画面に食い入るようになってしまうので、Apple Watchはより気軽なコミュニケーションを推進しようと定型文や絵文字を簡単に選んで返信する機能を搭載した。それに加えてApple Watchに音声認識をさせて文字入力することもできれば、iメッセージであれば声のままメッセージを送ることもできる。さらに簡単な操作で自分の現在地を送信する機能もある。
メールは受信すると差出人が画面に現れるのでそれをApple Watchに表示。既読や未読状態の切り替えやフラグと呼ばれる印をつけることもできれば返信、ゴミ箱に捨てることもできる。メールを書いていて長くなりそうなら、カバンにしまっていたiPhoneを開くと、Apple Watchで途中まで書いていた新規メールが表示されるのでそちらで続きを打ち込めばいい。同様に、電話もApple Watchのマイクとスピーカーで通話をしていて、話が長くなりそうならiPhoneに切り替えて話を続けることができる。
3つ目の健康/フィットネス機能では、自分の健康状態を維持するためのアクティビティというアプリケーションを搭載するほか、エクササイズなどの進ちょくや結果を管理するワークアウトアプリケーション、そしてさまざまな運動を感知する加速度センサー、心拍センサー、位置特定が可能なWi-FiとGPSの3つのセンサー技術を搭載している。
「アクティビティ」アプリケーションでは外側から赤、緑、青の3つの円グラフ(リング)で画面が構成されている。一番外側の赤いリングは「ムーブ」、最近の活動履歴から1日あたりの消費カロリー量を推定。自分が立てた1日あたりの目標値にどれだけ到達しているかによってリングが完成していく。真ん中の緑のリングは「エクササイズ」、早歩き程度以上の体の動きを分単位で計測し、30分以上行うと完成する。一番内側の青のリングは「スタンド」。ストレスや腰痛の元になる座りっぱなしを解消すべく1時間に1分は立つことを奨励し、1時間を超えても座りっぱなしだと振動などでそれを伝える。1時間に1回、1分以上立っていると、青いリングが1目盛りずつ進み、12時間でリングが完成する。
「ワークアウト」アプリではランニングやウォーキング、サイクリングなど異なるエクササイズに対して、前回のワークアウト記録や自己ベストから消費したいカロリーなどの目標を設定し進捗をモニターしたり、達成した距離やワークアウトしている時間などを表示する。
ちなみに自己ベストなどを達成するとApple Watchが自分の手首を叩いて(振動して)お祝いをしてくれる。また、日々のフィットネス量の変化などはiPhone用のコンパニオンアプリ「フィットネス」で確認できる。
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