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» 2015年03月24日 11時30分 UPDATE

変形機構、液晶、キーボード、ペンの品質に迫る:ソニーから独立しても“最強伝説”は健在か?――新生「VAIO Z」徹底検証(後編) (1/6)

ベンチマークテストで圧倒的な性能を見せつけた13.3型ハイエンドモバイルPC「VAIO Z」。レビュー後編は、その使い勝手をじっくり確かめていこう。

[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

←・復活した“モンスターPC”の驚くべき性能とは?――新生「VAIO Z」徹底検証(前編)

ココが「○」
・モバイルPCでは圧倒的な高性能
・長時間安心して使えるスタミナ
・高性能と携帯性を両立した技術力
ココが「×」
・突出した高性能ゆえ価格は割高
・ノート形状で28ワット動作ができない
・性能重視の半面、先代より重い

“モンスター級”モバイルPCの使い勝手はどうなのか?

 「VAIO Z(型名:VJZ13A1)」は、ソニーから独立した新会社のVAIOが初めて新規設計して発売した記念すべきモデルだ。

 最大16.8ミリ厚、約1.34キロの薄型軽量ボディに、独特のタブレット変形機構、高精細(2560×1440ピクセル)の13.3型IPS液晶、書き味のよい筆圧ペン、TDP(熱設計電力)が28ワットの高性能な第5世代Core、PCI Express x4接続の超高速SSD、約15.2〜15.5時間に及ぶバッテリー駆動(JEITA 2.0)のスタミナなどを凝縮したハイエンド志向のモバイルPCに仕上がっており、唯一無二の魅力を放っている。

 先に掲載したレビュー前編では、VAIO Zの基本スペックをはじめ、パフォーマンスとレスポンス、バッテリー駆動時間、動作時の騒音や発熱をテストし、その心臓部となるZ ENGINEについても触れた。

 このレビュー後編では、洗練されたボディや進化した変形機構へのこだわり、液晶ディスプレイやキーボード、タッチパッド、筆圧ペンの品質についてチェックしていく。

tm_1502_vaioz_r2_01.jpg 新会社になって復活したハイエンドモバイルPC「VAIO Z(型名:VJZ13A1)」。ボディカラーはブラックとシルバーを用意。販売代理店であるソニーストアの最低構成価格は18万9800円(税別)

クラムシェルノートの体験を犠牲にせず、タブレットに変形可能

 新生VAIO Zは、クラムシェルスタイルのノートPCとしても、スレートスタイルのタブレットとしても使える、いわゆる「2in1」デバイスだ。スタイルチェンジの機構としては、ソニー時代に発売した「VAIO Fit A」シリーズと同じ独自の「マルチフリップ」機構を採用している。

 マルチフリップ機構では、天面中央部のラインを軸にして液晶ディスプレイを180度回転させることが可能だ。これにより、クラムシェルスタイルの「キーボードモード」から画面を反転させた「ビューモード」へ、さらに画面を倒して畳んだ「タブレットモード」へと、3つのスタイルに変形し、用途に応じて使い分けることができる。

 このマルチフリップ機構のメリットは、シンプルな機構でありながら、クラムシェルスタイルのノートPCとしての機能や使い勝手を犠牲にせず、タブレットモードとビューモードが利用できることにある。具体的には、キーボードモード時に画面の角度調整が柔軟にできなかったり、キーボードやタッチパッドが窮屈な設計になったり、タブレットモード時に裏側がキーボード面になってしまうといった、他の変形機構にありがちな不都合がない。

tm_1502_vaioz_r2_02.jpg 「キーボードモード」は、画面側から見ると、使い慣れたクラムシェルノートPCそのもののスタイルだ
tm_1502_vaioz_r2_03.jpg キーボードモードを背後から見た様子。天面中央部のラインを軸にして液晶ディスプレイが180度回転する
tm_1502_vaioz_r2_04.jpg 液晶ディスプレイを回転させて、画面を傾けた状態にすると、タブレットを立てかけたような「ビューモード」になる
tm_1502_vaioz_r2_05.jpg ビューモードは、プレゼンテーションなどで画面を相手に見せたいとき、タッチ操作でカジュアルにWebブラウズなどの操作をしたいとき、動画や音楽などを楽しみたいときに向く
tm_1502_vaioz_r2_06.jpg ビューモードの状態のまま、パタンと閉じれば、「タブレットモード」となる
tm_1502_vaioz_r2_07.jpg タブレットモードは、タッチ操作やペンでの操作を手元でじっくりと行ないたいときに役立つ
tm_1502_vaioz_r2_08.jpg タブレットモードは、縦位置表示で画面を見たいときにも有効だ

 さらにVAIO Zのマルチフリップ機構は、VAIO Fit Aから改良されている。タブレットモードやビューモードからキーボードモードに戻る際、ロックスイッチを倒す必要がなくなり、自動でロックされるようになったのだ。キーボードモードから他のモードに変形する場合のみ、ロックスイッチを倒し、液晶ディスプレイを回転させればよい。また、画面表示の向きが高速に変わるよう、ホールセンサーによる切り替え検知判定ロジックも改善した。

 液晶ディスプレイは磁石で吸着し、開閉時やタッチ操作でふらつくようなことはなく、しっかりとした作りだ。回転機構のヒンジはラバー製で、グライダーなど軽量化が必要な機具にも使われるソフトさと耐久性を兼ね備えた素材を厳選し、厳しい開閉試験や引っ張り耐久試験も行って製品化したという。

tm_1502_vaioz_r2_09.jpg 液晶ディスプレイのヒンジ部に回転機構のロックスイッチを備えている。キーボードモードから他のモードに変形する場合は、このロックスイッチを倒し、液晶ディスプレイを回転させる。ビューモードやタブレットモードからキーボードモードに戻ると、画面は自動的にロックされる仕組みだ

 このように、VAIO ZはクラムシェルノートPCの使い勝手を完全に保証したうえで、違和感なくタブレットモードやビューモードといった2in1ならではの恩恵を得られるので、クラムシェルノートPCを長く使ってきたユーザーも安心して導入できるハズだ。この変形機構ならば、クラムシェルのVAIO Z旧モデルを愛用してきた方も不満を感じないのではないだろうか(変形機構のぶん、本体の厚さと重さが増えてしまうのは仕方ないが)。

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