iPhoneでもVR! THETA+ハコスコで日常を記録しよう広田稔のiPhoneでいこう(33)(1/2 ページ)

» 2015年04月01日 11時29分 公開
[広田稔ITmedia]
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 いきなりMacの話題とは少し離れてしまうが、ここ1、2年、ゲーム業界やガジェット界隈では、バーチャルリアリティ用ヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)が大いに盛り上がっている。

 新しもの好きなアップルのファンなら、2014年3月(もう1年前!)、Facebookが買収した米Oculus VRの「Oculus Rift」(オキュラス・リフト)や、ソニー・コンピュータエンタテインメントの「Project Morpheus」(プロジェクト・モーフィアス)といった名前を聞いてピンと来るはず。

 そこで今回は、手元にあるiPhoneをVRHMD化して遊ぼうという提案だ。

昨今、iPhoneでも使えるモバイルVRHMDホルダーがわらわらと増えています

PCやMacにつないで使うOculus Riftと、PS4向けのProject Morpheus。どちらもまだ開発キットだが、Project Morpheusは2016年上半期に製品版を発売すると明らかにしている

「やばい! 未来きた!」と感じる新体験

 まずは未体験の方に向けて、VRHMDとはなんぞやという解説をできればと……。最もスゴいのは、3DCGや実写の映像の中に入り込める感覚(実在感)だ。

 過去にいくつも市販されてきたHMDは、かぶると暗闇の中に大きなスクリーンが現れて、そこに映像が表示されるという形式で、「狭い空間でも映画館のような大画面を楽しめる」というのがウリだった。

 一方、VRHMDは右を見ても左を見ても、上も下もすべてが映像に包まれており、「バーチャル空間に入り込める」のが特徴。イメージで言うと、球状に展開された映像を内側からのぞいているような具合になる。

 例えばFPSゲームなら、今まで視界の正面しか表示されておらず、別の場所を見るためには視界を操作する必要があったが、VRHMDを使えば頭を動かすだけでそちらの方向を見られる。

 実写でも、カメラワークにしばられずに、周囲で起こっている出来事を好きな方を向いて楽しめる。普段、われわれがリアル世界を見るのと同じ感覚でコンテンツを体験できるのが、「やばい! 未来きた!」という感覚で新しいというわけだ。と、言葉でいくら書いても伝わらないので、できればどこかでかぶって「やばい! 未来きた!」と実感してほしい。

 そんな新しい体験を提供してくれるVRHMDだが、Oculus Riftはまだ海外通販で入手する開発キットしか登場しておらず、さらにグラフィックス性能の高いPCも必要でややハードルが高い。PS4向けのProject Morpheusは、開発キットも購入できる状態ではない。何より機材もかさばるので、出先で気軽に試してもらえないのが難しいところ。

 というわけで前置きが長くなったが、そんな不満を解消してくれるのが、手持ちのスマートフォンを挟んで使うモバイル向けのVRHMDホルダーになる。具体的には、サムスンとOculus VRが共同開発している「Gear VR」をはじめ、Googleの「Cardboard」、Shoogeeの「Durobis Dive」、カールツァイスの「VR ONE」、Homidoの「HOMiDO」などが登場している。国内発だと「ハコスコ」や「TaoVisor」あたりが有名どころだ。

Galaxy Note 4やGalaxy S6シリーズに対応した「Gear VR」。右側面のタッチパッドで操作が可能で、モバイルVRHMDで最も実在感が高いものの、開発者向けかつ北米など一部の地域でしか売っていないのがハードルが高い

「Google Cardboard」は、仕様がオープンになっているのでGoogle以外の業者も販売している。Cardboard用アプリをインストールして、Google EarthやYouTubeを閲覧できる

左からDurobis Dive、VR ONE、HOMiDO。いずれもボディはプラスチック製

左から国内勢のハコスコとTaoVisor

 もともとVRHMDは、機器内にある加速度/角速度(ジャイロスコープ)/地磁気などのセンサーで向いている方向を検知しているので、構造はスマホと同じ。あとはホルダーとVRコンテンツさえ用意すれば、似たような体験が再現できるというわけだ。

 もちろん処理性能や実在感など、Oculus RiftやProject Morpheusのほうが上回る点も多いものの、手元にある機器ですぐに始められるメリットは大きい。VRアプリをApp StoreやGoogle Playで探せるのも、モバイルVRHMDのいいところだろう。

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