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» 2015年04月03日 13時00分 UPDATE

鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:国内販売が迫る「Windows Phone」と「Windows 10」対応で知っておきたいこと (1/3)

Windows 10のリリースに向けて国内でも期待が高まっているWindows Phone端末。日本再上陸を前に、PC版Windows 10との違い、対応するハードウェア要件、そしてどのようなスマートフォンが出てくるのか、Microsoftが公開した最新情報を整理し、考察していく。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

Windows 10でサポートされるプロセッサは?

 今夏にリリース予定の「Windows 10」では、PC/中型以上タブレット向けの「Windows 10(for PC)」と、スマートフォン/小型タブレット向けの「Windows 10 for phone and tablets」が用意されている。前回の連載で解説した通り、Microsoftによれば、前者は「8型以上(Pro向けには7型以上)」のディスプレイ搭載機に、後者は「8型未満(Pro向けには7型未満)」のディスプレイ搭載機に、それぞれ提供するという。

 2015年3月中旬に中国・深センで開催されたMicrosoftのハードウェア開発者向けイベント「WinHEC 2015」では、モバイルデバイスを想定したWindows 10のハードウェア要件が明らかにされた。ちなみに、Microsoftの資料ではモバイル向けOSについて「Windows Mobile」という表記が頻繁に用いられており、今後本連載ではWindows 10 for phone and tabletsのことを「Windows Mobile 10」と表記する。

 さて、Windows 10で新しく対応するSoC(System on Chip)の一覧を見てみると、QualcommのSoCが5つ挙げられている。Snapdragonプロセッサの型番とモデル名の対応は以下の通りだ。ローエンド、ミドルレンジ、ハイエンドの3領域がカバーされており、64ビット対応が進んでいることが分かる。

 これらが今夏以降にリリースされるWindows 10で正式にサポートされることになり、このうちの一部のプロセッサに対応した製品が、夏以降に順次市場投入されるだろう。

tm_1404_win10J_2_01.jpg Windows 10ではサポートされるSoCの種類が拡大している。ただし、この資料ではPC用とタブレット用、スマートフォン用のSoCが混在しており、この点は注意しておいたほうがよいだろう
  • Windows 10が新たにサポートするQualcommのSoC
    1. MSM8909:Snapdragon 210
    2. MSM8208:Snapdragon 208
    3. MSM8994:Snapdragon 810
    4. MSM8992:Snapdragon 808
    5. MSM8952:Snapdragon 615

 Intelについては、今秋以降にリリースされるとみられる第5世代Core後継プロセッサ「Skylake」や、先日Microsoftから発表されて話題になった10.8型Windows 8.1タブレット「Surface 3」にも搭載されている新世代Atomプロセッサ「Cherry Trail」、そしてSoFIAの開発コード名で知られる低価格スマートフォン向けプロセッサ「Atom x3(LTE)」への対応が表明されている。

 これについて1点注意したいのが、同資料は「Windows 10でサポートされるSoC」について言及したものであり、「Windows Mobile 10(のみ)でサポートされるSoC」について説明したものではないことだ。つまり、Windows Mobile 10はARM系プロセッサ向けに提供されるものであり、x86(x64)プロセッサ向けに提供される可能性を示唆したものでないと考える。

 Microsoftに関していくつかの内部情報を聞く限り、少なくとも直近のタイミングでMicrosoft自身がx86系プロセッサ向けのスマートフォンOSを提供する計画はなく、仮にあったとしても今後1年程度の対応は非常に厳しいというのが筆者の予想だ。

 AMDの「Carrizo」と「Carrizo-L」は、主にモバイル市場をターゲットとしたAPUだ。こちらも同様にノートPCや中型以上のタブレットをターゲットとしており、Windows 10 for PC搭載機になるとみられる。

Windows Mobile 10のハードウェア最低構成要件とは?

 それでは、Windows Mobile 10のハードウェア最低構成要件を見てみよう。実はこれはWindows Phone 8.1の条件をほぼそのまま引き継いでいる。MicrosoftはWindows Phone 8.1が導入されたスマートフォンについて、すべてWindows 10(Windows Mobile 10)へのアップグレード対象であるとしており、その関係もあってWindows Phone 8.1のハードウェア構成をそのまま引き継いでいるのだろう。

tm_1404_win10J_2_02.jpg スマートフォンや小型タブレット向けの「Windows Mobile 10」におけるシステム最小構成要件。基本的にはWindows Phone 8.1で規定されているミニマムスペックを引き継いでおり、従来との違いは最大画面サイズが「7.99型」まで拡大されたことにある

 ディスプレイの表示解像度にもよるものの、32ビット版OSでの最低メモリ容量は512Mバイト、ストレージサイズは4Gバイトとなっている。4Gバイトでは少なすぎると思われるかもしれないが、もし実際の製品でストレージサイズが4Gバイトのモデルだった場合、今後提供されるアップデートを適用するための外部記録領域として、SD(microSD)メモリーカードスロットを搭載するよう求めている。

 Windows Phone 8.1 GDR 1(Update 1)では、Microsoftがローエンド向けにWindows Phoneの普及を模索してハードウェアの構成要件を引き下げる措置をとったことを受け、SDメモリーカードをOSアップデートに用いる「Offload to SD Card」という機能を導入している。

 これはストレージのシステム領域が最低で4Gバイトと逼迫(ひっぱく)していることを受け、アップデータのダウンロードとインストールにSDメモリーカードの領域を利用する仕組みだ。Windows Mobile 10ではさらに「Partition Stitching」という機構を導入し、ストレージのシステム領域が不足したとき、OSが一時的に領域を拡大することが可能になる。

 月例アップデートが存在するPC向けのWindows 10 for PCとは異なり、一般にスマートフォン向けのOSではそれほど頻繁にアップデートが提供されることはない。比較的頻繁にアップデートが提供されたWindows Phone 8.1でさえ、1年間で実質3回のアップデート(GDR1、GDR2、GDR3)が提供されているのみだ。

 Windows Phone 8.1におけるアップデートは、それまで予告のみで実際に提供されていなかった機能をサポートする「機能追加アップデート」の部分が大きかったが、今後は機能の追加やセキュリティの対応を含め、より高頻度でのアップデートが行われる可能性が出てきた。

tm_1404_win10J_2_03.jpg Windows Phoneのアップグレードは、基本的にOTA(On The AirによるWi-Fi経由でのアップグレード)となるため、スマートフォン本体のみでアップグレードを完了させなければいけない。その際に必要となるストレージ空き容量確保の方法については、従来のSDメモリーカードへのデータ待避だけでなく、必要に応じてストレージのユーザー領域をシステム領域に割り当てる「Partition Stitching」機能が用意されている

Windows Phoneアップデートのイライラを解消する仕組みも

 また、Microsoftでは「Project Milkyway」という仕組みを推進しており、最新のOSアップデート提供から4〜6週間以内に、それをエンドユーザーのデバイスへ届けることを目標にしている。

 スマートフォンOSの場合、一般的なPCとは異なり、OSメーカーであるMicrosoftから直接アップデートが提供されるのではなく、デバイスのOEMメーカーやデバイスを販売する携帯キャリアでの検証を経て最終的にエンドユーザーの手元へとアップデートが提供される。そのため、どうしても最速のケースと最遅のケースで、アップデートのタイミングにかなりのタイムラグが生じてしまう。

 実際、筆者が所持するAT&T版のスマートフォン「Lumia 920」の場合、Windows Phone 8.1へのアップグレードが公式リリースから1カ月半を経てようやく利用できるようになった。アップデートが提供されるだけ、まだマシだと言えるかもしれないが、こうしたユーザーのイライラを解消するのが、Project Milkywayの目標の1つだ。

tm_1404_win10J_2_04.jpg 一般にスマートフォンではPCほどには高頻度のアップデートが提供されないことが多いが、Windows Mobile 10では「Project Milkyway」のもと、可能な限り多くのデバイスを最新アップデート提供から4〜6週間以内に最新状態にする方策が採られている
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