普段持ち歩くのが鉛筆なのかシャープペンなのかボールペンなのか万年筆なのかは、その国や土地の習慣、そしてユーザーの世代によって変わってくるかもしれないが、いま、日本のオフィスで使っている人が多いものとなると、鉛筆よりはボールペンかシャープペンになるだろう。普段使っているポールペンがスタイラスペン代わりに使えるならば、まず間違いなく持っているか、持っていなくても、コンビニエンスストアや駅の売店で購入できる。うまくすれば、出先のオフィスで“借りる”ことだってできるはずだ。
というわけで、Leovo AnyPen Technologyで、ボールペンとシャープペンがどれだけ使い物になるのか、Windows標準の“ペイント”で試してみた。なお、ボールペンは油性インクに加えて最近採用例が増えている「油性と水性のいいとこどり」というエマージョンタイプでも試してみた(性質としては油性と変わらないというが)。
AnyPen Technologyに対応していないタッチパネルディスプレイでは、油性のポールペンだろうがエマージョンタイプのボールペンだろうがシャープペンだろうが反応しない。しかし、YOGA Tablet 2-851F:AnyPenモデルは、ポールペンもシャープペンも、画面タッチを検出してペイントで“お絵かき”ができた。イマドキのビジネスマンが愛用する普通のボールペンでタッチ操作、特に、細かい位置決めを求める操作が可能になるのは利便性の向上にとってプラスになる。
「ディスプレイの表面にボールペンで書いてしまうのではないか?」と考えるユーザーもいるだろう。実際、評価作業においてボールペンでディスプレイをなぞると、そのあとに沿ってインクが薄く残っているのを確認した。評価で使ったボールペンはペン先をボディに収容できるタイプだが、ペン先を収容するとタッチパネルが検出してくれない。なお、ディスプレイに残るボールペンのインクをすぐにティッシュでふき取ればディスプレイをきれいにできるのは確認している。
シャープペンを使ったタッチ操作は、ボールペンほど感度がよくない。タッチパネルはグラファイトを含む“芯”を検出する。そのため、ある程度の太さがある鉛筆の芯は感度がいいものの、0.5〜0.7ミリと細いシャープペンの芯ではタッチの検出が難しい。ただ、シャープペンでディスプレイを直接なぞっても、表面に跡はほとんどの残らない。評価作業でも書きあとが目で見えることはなかった。
一方、いまでは使う人を見ることがだいぶ少なくなった鉛筆は感度がとてもいい。その使い勝手は専用のスタイラスとほぼ同じだ。ペイントで手書きをしても、その軌跡ははっきりと認識されて快適に描くことができる。それでいて、けっこう力いっぱいなぞっても、ディスプレイの表面に跡が残らない。
客先訪問での受け付け記入や、書類への署名などでは鉛筆を使う場面が少なくなっているものの、自分のメモ用などで鉛筆を常用していると、YOGA Tablet 2-851F:AnyPenモデルの使い勝手は大幅の向上するのではないだろうか(書いた文字の保存性が最も優れているのは鉛筆というし)。
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