先週、AMDの新世代GPUシリーズ最上位となる「Radeon R9 Fury X」を搭載したグラフィックスカードが売り出された。Sapphireや玄人志向など複数のメーカーのモデルがあり、価格は11万円前後。入荷数はごく少数で、週明け現在も入手困難な状態が続いている。
24日21時の販売解禁時に2台ストックしていたTSUKUMO eX.は、集まった購入希望者5人で購入権の抽選まで実施したという。
R9 Fury Xは、GPUに統合して広帯域転送を得たメモリ「HBM」(High Bandwidth Memory)を採用しており、4096ビットの帯域を実現しているのが最大の特徴だ(参考:R9 390Xは512ビット)。メモリの統合により基板もダウンサイジングが可能になり、リファレンスカードは最上位でありながら194ミリ長となっている。
備え付けの水冷ポンプで冷却する仕様で、ケース背面や上面などに1基の12センチファンがつくラジエーターを固定すればいい。メモリ容量は4Gバイトで、補助電源は8ピン×2となる。TDPは275ワットだ。
先々週に登場したR9 390X以下のラインアップと比べて、ユーザーの関心は極めて高い様子。TSUKUMO eX.は「やはりHBM搭載ということでR9 Fury Xを待っていたという人は多いですね。買わないまでも価格や売れ行き、在庫状況などをみている人もいます。注目度は抜きん出ていますよ」と話していた。
入荷数は低めで、それなりの数量が出回るようになる時期はみえていない。某ショップは「コアなユーザーが買いたくなる製品なのにモノがない。コアな人ほど何とか入手しようとがんばる傾向があるので、このままだと在庫を求めてショップをはしごするさまよい人をたくさん生むかもしれません。まあ、私どもはどうすることもできないですけどね」と両手を挙げる。
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