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» 2015年07月23日 11時00分 UPDATE

鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:今から知っておきたい「Windows 10」導入後のWindows Updateに関する注意点 (1/2)

プレビュー版の幅広い展開や正式版の無料アップグレードなど、過去のWindowsとは異なる提供方法で話題を振りまいてきたWindows 10。実は導入後のWindows Updateについても従来とは異なるルールが設けられている。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

「Windows 10」のアップデート周期は4種類ある

 「Windows 10」は7月29日に一般公開されるが、それで開発完了というわけではない。セキュリティ対策やバグフィックスを定期的に配信するのはもちろん、日々進化するIT環境に対応すべく、最新テクノロジーの追加投入も行い、OSそのものを強化し続ける計画だ。Microsoftはこれを「Windows as a Service」と表現しており、「Windows 10が最後のOSリリースになる」とも説明してきた。

tm_1407_win10J_7_01.jpg 「Windows 10」のWindows Updateはこれまでとルールが違うので、注意が必要だ
tm_1407_win10J_7_02.jpg Windows 10では、継続的なアップデートでOSそのものを定期的に強化していく。Microsoftはこれを「Windows as a Service」と表現する

 しかし、Windows 10のプレビュー版である「Windows 10 Insider Preview」の「Fast Ring」設定に見られたように、1週間に2回や3回もOSの大規模アップデートがあってはPC/タブレットの利用に支障をきたすことも考えられる。「最新アップデートをいち早く試したい」というユーザーが存在する一方、「より安定した一定周期のアップデート」を望むユーザーも少なくないだろう。

 そのため、MicrosoftではWindows UpdateにおけるWindows 10のアップデート周期を4つのブランチ(グループ)に分け、それぞれに適したタイミングで提供する予定だ。

tm_1407_win10J_7_03.jpg Windows 10発売後もOSアップデートは継続され、複数あるブランチ(グループ)に対し、Windows Updateを通じて段階的に最新ビルドの提供が行われていく
tm_1407_win10J_7_04.jpg Windows 10のアップデート提供モデル。一般ユーザー向けのCB、企業向けのCBB、さらに企業向けで固定環境での利用を想定したLTSBなど、対象に応じてWindows Updateに複数のモデルが用意される

 Windows Insider Program参加者が利用するWindows 10 Insider Previewは、Windows Updateを通じて、1番早いタイミングで最新アップデートが頻繁に受けられる「Windows Insider Preview Branch」に位置付けられる。

tm_1407_win10J_7_05.jpg Windows Updateにおけるアップデート周期は4つのブランチに分かれている。こちらはWindows Insider Preview Branch

 個人ユーザー向けのWindows 10 Homeにおける初期設定(全エディションで利用可能)は、Windows Updateを通じて、対象の年に2〜3回程度の大規模アップデートが行われる「最新モデル(Current Branch:CB)」というものだ。Windows Insider Programでの早期テストの後、常に最新の機能がいち早く提供される。

 Windows Insider Programでは同プログラムを停止し、Windows 10 Insider Previewから正式版のWindows 10に切り替える「オプトアウト」の仕組みを用意しているが、オプトアウトした場合はこのCDに移行する。

tm_1407_win10J_7_06.jpg ブルーで塗られた階段状のラインが最新モデル(CB)のブランチ

 法人向けにはアップデートのタイミングや配布対象のクライアントを制御できる「Windows Update for Business」の仕組みが用意され、ブランチも個人向けのCBとは異なる。

tm_1407_win10J_7_07.jpg 法人向けにはアップデートのタイミングや配布対象のクライアントを制御できる「Windows Update for Business」が用意されている

 企業向け最新モデル「Current Branch for Business:CBB」では、検証後段階的にアップデートを提供していく。これはCBから約4カ月後にリリースされ、最大約8カ月間の社内テストが可能だ。更新のコントロールはWindows UpdateやWSUS(Windows Server Update Services:更新プログラム適用の制御用サーバソフトウェア)で行える。CBBの対応エディションはWindows 10 Pro/Enterpriseの2つであり、Homeは対象外だ。

 特に社内のWindowsクライアントへのアップデート配信は毎回トラブルの元となる重要案件だが、「最新技術を適時導入しつつ、安定運用を行う」ということを主眼にCBBの仕組みが提供されている。

tm_1407_win10J_7_08.jpg レッドで塗られたラインが、企業向け最新モデル(CBB)のブランチ。CBよりもアップデート周期に余裕を持たせている

 そして、最もアップグレードの間隔が長いのが、大企業などを想定した固定モデル「Long Term Servicing Branch:LTSB」だ。2〜3年に1回程度のリリース、最大10年間のサポート、新機能や機能拡張のリリースはなしと、固定された環境で長期間利用し続けたい法人ニーズに応える。こちらはサブスクリプション契約が必要なWindows SA(Software Assurance)またはEnterprise Upgradeで利用可能だ。

tm_1407_win10J_7_09.jpg オレンジで塗られたラインが、企業向け固定モデル(LTSB)のブランチ

 このようにOSの更新頻度が大きく違っていては、セキュリティやバグの対策はどうするのかと心配かもしれないが、いずれのブランチもセキュリティ更新プログラムとバグフィックスが定期的に配信される。それらを除くWindows 10の大きな機能更新の頻度が、4つのブランチに分かれているということだ。

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