「iOS 9」のiPad向け“3大”機能を試す便利? 微妙?(1/3 ページ)

» 2015年09月18日 00時00分 公開
[後藤治ITmedia]

 9月17日(日本時間)にアップルの最新モバイル向けOS「iOS 9」の配信が始まった。iPhone/iPad共通の新機能として、進化した「メモ」アプリをはじめ、使いやすくなった検索機能や賢くなったパーソナル音声アシスタント(Siri)など見どころは多い。早速インストールして試している方も多いだろう。

 iPhone向けの機能は、“iPhoneの「iOS 9」ですぐに使いたい新機能はコレ!”で紹介しているので、ここではiPad向けの注目機能をピックアップしていく。


iOS 9でiPadのマルチタスキング機能が強化

 これまでiPadを使ってきた方なら「せっかくこれだけ画面が広いのだし、複数のアプリを同時に表示できたらなぁ」と思った経験はないだろうか。iPadのユーザーインタフェースは、通知等を除けば基本的に1つのアプリで一画面を占有してしまう。

 もっとも、その単純さがiPadの素晴らしいところでもある。使うそのときどきで、iPadは新聞になり、美術館になり、プラネタリウムになり、チェス盤になる。あるいはカメラや大切な人とのテレビ電話に、そして電源を落とせば鏡にもなる。

 使う人によってさまざまに姿を変えながら、それでいて使っている瞬間は単機能というシンプルなデザインこそが、パソコンのデスクトップ画面とは違う分かりやすさ、“魔法の板”と表現されるユーザー体験を与えてくれる。

マルチタスキング機能が強化されたiOS 9

 その一方で、2つのアプリを同時に表示できると便利な場面もある。

 例えば、動画サイトをザッピングしながらTwitterのタイムラインも追っていたいとき、これまではホームボタンを2度押ししてアプリを切り替える手間があった。iPadで動画を見つつ、iPhoneをTwitter用のサブディスプレイとして使う手もあるが、ベッドに寝転んで動画を見ているときにiPhoneを取ろうとして、片手で支えられなくなったiPadが顔面に落ちてきたという経験をしたことがある人もいるだろう。

 もう少し一般的な例えでは、連休に予定している旅行先の観光情報をiPadのSafariで調べながら、同じ画面のマップアプリで場所を確認できれば便利に感じるはずだ。

 正式リリースされたばかりの最新iOS 9では、そうした場面に役立つマルチタスキング機能が強化されている。「Slide Over」「Split View」「ピクチャ・イン・ピクチャ」の3つを実際に試してみた。

作業を中断するときにストレスがない「Slide Over」

 Slide Overは、今iPadで行っている作業を画面に残したまま、2つ目のアプリを呼び出してちょっとだけ何かしたいときに便利な機能だ。操作方法は簡単で、画面の右端から内側に向かってスワイプすれば、Slide Overに対応しているアプリが表示される。

 Slide Overを使えば、Webブラウズ中にテキストメッセージに返信する、ニュースをチェックして思いついたアイデアをメモに書き留める、ということがスムーズにできる。ホームボタンを押してアプリを切り替えるのに比べると、それまでの作業が画面にそのまま残っているので中断されている感覚が小さい。

画面右端から内側にスワイプすれば2つ目のアプリを呼び出せる

呼び出した画面の上端から下にスワイプするとSlide Overに対応したアプリ一覧が表示され、アイコンをタップすれば別のアプリに切り替えられる

従来はホームボタンの2度押しでアプリを切り替える必要があった。Slide Overを使えば作業が中断された感覚が小さい

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