自宅のNASをDropboxやOneDriveと連携させるSynologyで始めるNAS入門 第4回(1/5 ページ)

» 2015年12月29日 16時03分 公開
[山口真弘ITmedia]

 何かとおろそかになりがちなデータバックアップ。NASを手に入れたら、日頃使うファイルの置き場として使うだけではなく、その容量の大きさを生かしてバックアップ領域として活用したいところ。

 その点、SynologyのNASであれば、PCのデータのバックアップはもちろん、スマホ内の写真などのバックアップ、さらにはDropboxやOneDrive、Googleドライブなどオンラインストレージに保存されているデータを直接バックアップすることまでできてしまう。

 今回はこれらに加えて、NASに保存したデータを外部にバックアップするところまで含めて、詳しく見ていくことにしよう。


PCのデータをNASと同期する

 PC内の特定のフォルダをNASと同期させておけば、仮にPCがいきなり動かなくなり、再起動すらままなくなってしまった……という場合でも、その直前までのデータは保存されているので、別のPCから作業を再開できる。

 PCとSynology NASの同期には、パッケージセンターにある「Cloud Station」というアプリを使用するのがよい。「Cloud Station」をNASにインストールしたのち、PCにも同名のクライアントツールをインストール。あとは同期対象のフォルダを指定すれば、ファイルが作成・変更されるたびに、NAS上の指定フォルダにもその内容が反映されるようになる。

アプリ「Cloud Station」をNASにインストールしたのち、この画面の下から利用中の機種に合ったクライアントツールをダウンロードし、インストールを行う

PCにクライアントツールをインストールすると、タスクトレイにアイコンが表示され、クリックすると同期の進捗が表示されるようになる

設定画面。同期対象となるフォルダのペアを指定する

同期の状況はログで確認できる

同期したファイルはバージョン履歴が保存されるので、過去のバージョンに書き戻すことも可能。初期設定では32世代前まで書き戻せるようになっている

ローカルでファイルを削除した場合にNAS上でも削除するか、あるいは書き戻すかといった設定も可能

同期対象のファイルはサイズやファイル名、拡張子で指定できる。同期の必要がないショートカット(.lnk)ファイルなどはここで除外設定を行っておくとよい

 PCのトラブルに備えるのであれば、ファイルを最初からローカルドライブではなくNAS上に置いて読み書きする方法もあるが、ソフトによってはマイドキュメント上の決められたフォルダにしかデータが保存できず、そもそも移動が難しい場合がある。こうした場合に、マイドキュメントまるごと、あるいはダウンロードフォルダまるごとといった具合に、データを格納しているフォルダごと同期を行っておけば、いざという時でも安心だ

 またこの方法で同期したファイルはDropboxなどと同様にバージョン管理が行えるので、作成日や更新日を手がかりに過去のバージョンを探し、内容を書き戻すことができる。これにより、ファイルをうっかり上書きしてしまった場合でも、スムーズに元に戻せるというわけだ。

 このほか、「Cloud Station」ではNASを介して複数のPCでデータフォルダの同期を取れるほか、「Cloud Station Client」というアプリをNASに追加することで、複数のNASで同期をとることも可能になる。後述するスマホとの連携にも対応するので、さまざまなデバイスでファイルを同期し、いつでもどこでも利用できるようになる。

【コラム】Windows標準の「バックアップと復元」の保存先にも最適

 同期ではなくバックアップを行うのであれば、「Cloud Station」ではなくWindows標準の「バックアップと復元」を使うとよい。この「バックアップと復元」はネットワークパスも指定できるので、毎日〜毎月の決まったスケジュール設定で、Windows内の指定したフォルダおよびファイルをNASにバックアップしておける。

 例えば、毎朝7時にバックアップを行う設定にしておけば、万一その日の昼から夜にかけてPCが壊れても、7時の時点のデータは問題なく取り出せるというわけだ。

Windows標準の「バックアップと復元」を使えば、大容量のバックアップデータをNASに安全に保存できる。このほか、ディスク全体をイメージとして保存する市販のイメージバックアップソフトの保存先として使うのもよいだろう


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