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» 2016年03月03日 20時30分 UPDATE

絵師の未来、こっちかも!?:iPad Proを週刊少年誌の連載漫画家が“液タブ”として使う (1/3)

ペン入力に対応したiPad Pro。アプリを活用すれば、Macの液晶ペンタブレットにも早変わり。果たして、漫画家の実用に耐えるのか……!?

[山田胡瓜,ITmedia]

 Appleが2015年11月に発売した「iPad Pro」は、筆圧検知機能付きのスタイラスペン「Apple Pencil」に対応しているのが特徴の1つだ。直感的なインタフェースにこだわるAppleが作ったペンということで、漫画家やイラストレーターからの注目度も高く、筆者も発売当初から使い勝手が気になっていた。ただ、絵の仕事にiPad Proを活用できるのかは、ちょっと疑問だった。理由は簡単で、仕事で使っているアプリケーションがiPadでは動かないからである。

og_ipad_001.jpg 標準アプリの「メモ」でサラッと試し書き。サードパーティ製のApple Pencil対応アプリもいくつか試したが、やっぱり「メモ」が一番使いやすかった

og_ipad_002.jpg 筆圧だけでなく、ペンの傾きも感知することで、アナログ画材に近い使い方ができるのも、Apple Pencilのポイントだ。ちなみに画像は「メモ」で鉛筆を使ってみた例

 そんな中、PC USERから「レビューしませんか」ということでiPad Proが送られてきた。なるほど、でっかいiPadだ。画面はすこぶる細かくてキレイ。Apple Pencilの完成度は高く、描き心地もいい感じだ。標準のメモアプリでサクッとお絵描きをしてみると、ホントに鉛筆で描いているみたいな使いやすさがある。うん、いいぞiPad Pro! 描けるぞiPad Pro! そして、こう思う。

 「でもなぁ……クリスタ動かないもんなぁ」

 クリスタというのは、「CLIP STUDIO PAINT」というイラスト制作ソフトの略称である。漫画家御用達のソフトで、筆者も日々の原稿制作に使っている。PC版とMac版があるものの、iOS版はない。結局、モバイルOSのタブレットを仕事に使おうとすると、「業界のデファクトスタンダード的ソフトウェアが使えないよ問題」が出てきてしまうのだ。フル機能のPhotoshopもまたしかり、である。

 そんなこんなでこの原稿をどういうスタンスで書くか考えあぐねていたところ、「Astropad」という面白いアプリを見つけた。このアプリは、Macの画面をiPadにミラーリングした上で、Apple PencilをはじめとするiPad向けスタイラスペンで画面を操作できる。要は、iPad ProがMacの液晶ペンタブレットになっちゃうのである。驚くべきことに、筆圧にも対応している。

 これはすごい! と思ってApp Storeを開くと、お値段2400円(記事執筆時)。安くはないが、えいや! と購入。さっそく使ってみると……なんということでしょう! iPadでクリスタが使える! Apple Pencilでクリスタを動かせる!

og_ipad_003.jpg クリスタがiPad Proで使える、だと……!?

 これはもしかすると仕事に使えるかも……! 襟を正して、細かい部分をチェックしていくことにしよう。

山田胡瓜(やまだ・きゅうり)

山田胡瓜

漫画家。2012年、「勉強ロック」でアフタヌーン四季大賞受賞。元ITmedia記者としての経験を基に、テクノロジーによって揺れ動く人間の心の機微を描いた「バイナリ畑でつかまえて」をITmedia PC USERにて連載中。Kindle版はAmazonコンピュータ・ITランキングで1位を獲得した。週刊少年チャンピオンにて初の長編作品となる「AIの遺電子」を連載中。


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