Synology NASは、HDDを差し替えることで、古いNASから新しいNASへと引っ越すことができる。この機能はマイグレーションと呼ばれ、ファイルのコピーなどの作業をすることなく、HDDを物理的に差し替えられるだけで済むのが大きなメリットだ。同一のモデルだけでなく上位のモデルに引っ越したり、また2ベイモデルから4ベイモデルに引っ越したのち前述の方法でHDDを追加して容量を増やすこともできる。
移行にあたってデータはすべて保持されるが、念のためバックアップを取っておくことが推奨される。また異なるモデル間で移行した場合、一部のNASアプリの設定やキャッシュデータについては失われる。設定データについてはHDD内のデータとは別に、コントロールパネルからバックアップのメニューが用意されているので、こちらを利用するとよい。詳しい手順はリンク先の記事を参照してほしい。
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NASは大容量のデータを保存できるだけに、いったん情報が漏えいするとその被害も大きい。Synology NASを利用するにあたっては、悪意を持った第三者にログインされることがないよう、設定を変更してセキュリティの強度を高めておきたいところだ。
具体的な項目としては「管理者アカウントをadminから別の名前に変える」「強固なパスワードを設定する」「何度もログインに失敗したIPアドレスを自動ブロックする」「ログインで二段階認証を有効にする」「HTTPS接続を有効にする」「ルータのポートを開くのは必要なサービスだけに限定する」といった点が挙げられる。
これらはいずれもコントロールパネルから設定できるので、早いうちに作業を行っておきたい。このほか、NAS側ではなくNASにアクセスするデバイス側の設定としては「ブラウザからアクセスする際はシークレットモードを使う」というのも効果的だ。
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Synology NASは、Dropboxなどさまざまなクラウドサービスと連携する機能を備えており、NAS上のファイルを同期もしくはバックアップできる。ただし、サービスによってはファイルサイズの制限があり、それを上回るサイズはアップロードできない。「同期もしくはバックアップしたはずがファイルがクラウドに存在していない」というトラブルは、これが原因であることが多い。
もっとも、ファイルサイズの制限と言っても多くはテラバイト単位であり、日常的なファイルのアップロードでひっかかるケースは少ないのだが、なかにはOneDrive(for Business含む)やAmazon Cloud Driveのように、10GBと比較的小さな容量で制限に引っかかる場合もある。サービスごとの詳細な条件は以下のリンク先に詳しくまとめられているので、参考にしてほしい。
なお、サービス側に容量制限がなくとも、利用しているプランごとの容量制限にひっかかってアップロードが止まっている場合もあるほか、NAS上で自分で設定したファイルサイズによるフィルタで引っかかっている場合もある。どうしても原因が分からない場合は、そちらも疑ったほうがよいだろう。
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