BTOパソコン入門ガイド――エントリーからハイエンドまで手堅く選べる「eX.computer」ツクモの歩き方(1/3 ページ)

» 2016年05月24日 12時33分 公開
[長畑利博ITmedia]

 自作PCにはメーカー製PCとは違うメリットがたくさんある。最大のポイントは自分の好みと予算に合わせたパーツ構成が選べ、後から自由にパーツを追加したりするカスタマイズ性が高いこと。

 その一方で、PCの自作には一定の知識が必要となる。同じコードネームを持つCPUでもソケットの種類が異なることやスペックを欲張ったら電源容量が足りなくて不安定になった、DDR3メモリではなくDDR4メモリが必要だった、なんてトラップもよくある話だ。

 こうしたトラップを回避する方法として知られているが、BTO(Build to Order)パソコンだ。BTOはユーザーの要求に合わせたパーツを使って組み立てを行う方式のこと。自作PC並の機能と柔軟性を持ちながら、こうしたパーツ構成上の問題をクリアしてくれており、確実に動くPCを手に入れたい人には適している。

 今回は、自作ユーザーにはなじみ深いアキバの老舗ショップ、ツクモが手がけるBTOパソコン「eX.computer」を参考にしつつ、BTO製品の選び方を紹介していこう。


アキバの老舗としても知られるツクモの通販ショップ、eX.computer

自分に向いているのはどのPC?

 これはBTOパソコンに限らずに言えることだが、どんなPCが自分に必要かを決めていくのが一番難しい。eX.computerのBTOパソコンページでは、スタンダードBTOやゲームPC、BTOノートPCといったシリーズカテゴリーに加えて、写真や動画編集といった特定用途向けの製品などが一覧で把握できる構造になっている。それと同時に、最低価格が表示されているため、使い道がハッキリしていない場合でも予算から必要なパソコンを絞り込むことができる。

製品スペックやサービスなどが一覧できる

 また、各シリーズのページを開くと、多くの製品で性能と価格、CPUやGPUといった注目要素、現在行われているお買い得サービスなどが一覧できるグラフが用意されている。このため、ぱっと見で製品を選びやすい。

 加えて、PCに詳しいユーザー向けには、シリーズラインアップのスペック表が一覧表示できるページも用意され、そこからさらに各製品ページに飛ぶと、製品の標準仕様スペックを見ることができる。タブから製品の詳細な解説が見られるのも特徴だ。

シリーズのスペックを一覧できるページも

 特長のページでは、そのモデルのウリとなっているパーツなどの特徴や機能などが紹介されている。また、現在行われている割引やお買い得オプションパーツといったキャンペーン情報などもチェックできるのが親切だ。

製品の特徴についても詳細な解説が見られる

現在行われているキャンペーンの詳細も製品ページから見ることができる

 各製品の「カスタマイズ・お見積」ボタンを押すと、製品のパーツを選択できるBTOの最大の特徴ともいえるページに移動する。ここで表示されているのは、メーカー側が提示するケースやマザーボードといった基本的な部品が設定されたベースモデル。それを購入者がメニューからカスタマイズすることにより、自分に合ったPCを作り出すことができるというわけだ。

 eX.computertは老舗だけあって、カスタマイズ項目は手堅くも多彩だ。カスタマイズのページでは、CPUやGPUの選択、OSやOfiiceといった定番要素のほかに、CPUクーラーの追加やクーラーに付けるグリスの変更、HDDのパーティション分割などが選択できる。また独自のサービスとしては、現在使用しているPCを下取りしてくれるサービスも提供されている。自作系などのPCは処分に苦労することが多いので便利。また、見積もりページに納期の目安や分割支払時の金額の目安などが記載されているのも親切だ。

カスタマイズページ。G-GEARなどではCPUクーラーやグリスの種類を変更することも可能

見積もり表示部分に納期の目安が表示される。また手持ちのPCを下取りしてくれるサービスも用意されている

多彩なラインアップから自分にぴったりのマシンを探す

 一通りサイトの基本的な構造を紹介したので、ここからは各ラインアップのベースモデルについて簡単に紹介しよう。前述のようにeX.computerでは、目的別に4種類のシリーズラインアップが用意されている。

  • スタンダードBTOパソコン「AeroStream」
  • ゲームPC・タイトル別ゲーム推奨PC「G-GEAR」
  • BTOノートパソコン
  • 用途別特化モデル

 各シリーズについて見ていこう。

基本を抑えたスタンダードBTOパソコンを狙うなら

 ベーシックなパーツを使ったスタンダードなモデルが「スタンダードBTOパソコン」だ。ラインアップは静音性と冷却性能を重視した「Aero Stream」、112(幅)×260(奥行き)×264(高さ)ミリというコンパクトなケースを採用した「AeroMini」。98(幅)×380(奥行き)×335(高さ)ミリと横幅のスリムな「AeroSlim」などがある。ラインアップが多いので、ここでは売れ筋である「Aero Stream」の一部の製品について紹介しよう。

Aero Stream(エアロストリーム)

 Aero Stream以外のラインアップでもほぼ同じだが、eX.computerの製品はIntel系CPUを使ったモデルとAMD系CPUを使ったモデルに分けられる。Intel系では、比較的コンパクトなミニタワー型と、スペックと拡張性を重視したタワー型モデルが用意されている。

 一方のAMD系では10万円以下の安価なベースモデルがメインとなっている。スタンダードモデルだけあり、5万円台から20万円を超えるハイエンド機まで、非常に幅広いモデルがある。

 執筆時点でキャンペーン中になっているのがIntel系ミニタワーモデル「RM7J-C64/T」。グラフィックスカードをベースモデルのGeForce GT 740からGeForce GTX 750にする無料アップグレードサービスと、+500円で500GBのHDDを信頼性の高いSanDisk製SSD(容量128GB)に交換できるキャンペーンが行われている。AeroStreamシリーズでは、冷却性能を高めたオリジナルケースケースなども導入されている。

 このほかにも、CPUにIntel Core i7-6700、グラフィックスカードにGeForce GTX 750 Tiを搭載することでゲームのできるミニタワー型として人気の高い「RM7J-E64/T」や、CPUにIntel Core i5-4460を搭載し、Intel系システムとしては比較的安価な「RM5J-B63/E2」などがある。

 AMD系システムでは、強力な動画再生支援機能「Fluid Motion」を持つAPU「AMD A10-7870K」と、これに対応した「Power DVD 15 Ultra」をバンドルしたミニタワー型PC「RM5A-B63E2/FM」などがある。

Aero Stream RM7J-C64/Tベースモデルの構成(税別7万4800円〜)
CPU: Intel Core i5-6500
グラフィックス: NVIDIA GeForce GT 740
メインメモリ: PC4-17000 DDR4 8GB (4GB×2)
システムストレージ: HDD 500GB
マザーボード: MSI H110M PRO-VH (microATX)
OS: Windows 10 Home

AeroStream RM5A-B63E2/FMベースモデルの構成(税別7万9800円〜)
CPU: AMD A10-7870K APU
グラフィックス: AMD Radeon R7 (APU内蔵)
メインメモリ: PC3-12800 DDR3 8GB (4GB×2)
システムストレージ: HDD 500GB
マザーボード: MSI A78M-E35 (microATX)
OS: Windows 8.1 または Windows 7 Home Premium

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