5月31日から6月4日まで、台湾・台北市で世界最大級のPCパーツ関連/ICT見本市「COMPUTEX TAIPEI 2016」が開催される。今年で36回目を迎え、主催者発表によれば出展者数は1602、ブース数は5009に及ぶ。2015年は165カ国から約13万人もの来場者を集めていたと言えば規模が感じられるだろうか。
COMPUTEXと言えば、「PCパーツの展示会」というイメージを持っている人も多いだろう。かく言う筆者も今回のCOMPUTEX 2016が初参加で、「とにかくベンチマークでハイスコアを出したい人たちが集まってる」「やたらカッコイイPCケースがイルミネーションでピカピカしてて目立ったもん勝ち」「有名ベンダーが自慢の最新PCパーツで殴り合い(これは冗談)」という失礼で勝手な想像をワクワクしながら膨らませていたのだが、報道資料をチェックしていると、今年は「台湾初!最新ITトレードショー」という記述が目に付く。
中華民国対外貿易発展協会(TAITRA)と台北市電脳商業同業公会(TCA)の共催で行われるCOMPUTEX 2016が、今年の主なテーマとして掲げているのが「IoT」「スタートアップ」「ゲーミング」「スマートビジネスソリューション」の4つだ。これらは国内外のトレンドや出展企業からの要望を踏まえたもので、さらに「SmarTEX」「InnoVEX」「iStyle」という3つの展示エリアを今年から増設するという。
「SmarTEX」エリアは、ウェアラブルやセキュリティアプリ、スマートホーム、カーエレクトロニクス、3Dプリンタなどを集め、最新のIoTアプリケーション関連を網羅し、「InnoVEX」エリアはスタートアップ企業の出展や、独創的な技術などを展示、イノベーションな最新技術と投資の交流を促進する場として期待される。未来を変える新技術やサービスがCOMPUTEXから生まれることに期待だ。
「iStyle」エリアは、Apple MFi認定企業による周辺機器およびアプリをそろえるもので、簡単に言えば「Made for iPod/iPhone/iPad」の新製品が見られる場となる。より消費者に身近な製品が見られるといったこともあり、こちらも注目したいところだ。
このように全体を通して見ると、台湾国内に多くのサプライチェーンを持つことでハードウェアを強みとした部品見本市は維持しながらも、総合ICT展示会への発展を果たしたい意向が感じられる、といった印象だろうか。
主催となる中華民国対外貿易発展協会(TAITRA)副秘書長の葉明水(Walter Yeh)氏は、「COMPUTEXは世界中から集まるバイヤーの方たちに、グローバル・テクノロジー・エコシステムを提供できると考えています。世界有数の台湾のICT産業と、本年度のコンセプトである“To Build the Global Technology Ecosystem“によって、COMPUTEX 2016は過去に例を見ないほど、最高に素晴らしいものになるでしょう」とコメントしている。
なぜiStyleも「〜TEX」のようなネーミングにしなかったのか。そんなどうでもよいツッコミを入れる余裕は5月29日に台北で36.5度を記録した猛暑によって、もはや筆者には残されていないのだが――気を取り直して、PC USERではこれから数日に渡りCOMPUTEX TAIPEI 2016の話題をお届けしたい。
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