今回のサイネージセットが通常の“おもいでばこ”と異なるところは、大きく分けて2点ある。一つは本製品をテレビの背面や壁面に取り付けられるマウントブラケットやネジといった取り付け具が添付されていることだ。これを使えば、テレビと一体化させて利用できて見た目もスマート、デジタルサイネージとしての設置性が向上する。
もう一つの相違点はドライブおよび容量だ。通常の“おもいでばこ”は、過去に撮影した写真を丸ごとストックすることを目的に、1TBもしくは2TBという大容量HDDを搭載しているが、デジタルサイネージとして使用する場合、ここまでの大きな容量は不要だ。そのため本製品はHDDに代えて、64GBのフラッシュストレージを搭載している。写真1枚のファイルサイズは、多めに見積もっても数MBであることを考えると、むしろこれでも多すぎるくらいだ。耐久性や発熱などの点からも有利だろう。
一方、本体ハードウェアや操作メニューのユーザーインタフェース、機能などは通常の“おもいでばこ”と異なる点は見られない。本体リモコンのカラフルな配色はそのまま、テレビに表示されるメニューについても家庭用の柔らかいデザインそのままだ。本製品は「とりこみ」「かきだし」など、説明書やメニューに平仮名を多用していることが特徴だが、法人向けである本製品もこのあたりに変化はない。
もっとも、本製品を運用するにあたり上記の点は目につくわけではないので、実用上の問題はない。法人ユースに適したデザインやカラー、親しみやすさよりも機能性を前面に出したメニューについては、ユーザーから要望が挙がれば、将来的に対応することもあるだろう。
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