ココが「○」 |
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・こだわりの高品質パーツで構成 |
・高性能と静音性を高いレベルで両立 |
・独自のサポート特典付き |
ココが「×」 |
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・光学ドライブやメモリカードスロットを内蔵できない |
・USB 3.1/Type-Cポートがない |
サイコムが2015年秋から展開してきた「Premium-Line」ブランドは、Fractal Designとのコラボレーションによるこだわりのパーツ構成に加えて、標準の2年間保証のほか、センドバックによるオーバーホールやパーツアップグレードといった独自の特典を付加したプレミアムシリーズだ。
今回取り上げる「H170FD-MINI」は、そのPremium-Lineに新たに加わった新モデル。高性能かつ高品質なこだわりのパーツ構成、独自のサービスといったブランドの特徴をそのまま受け継ぎつつ、Mini-ITXフォームファクターを採用したコンパクトで扱いやすいボディを採用している点が大きな特徴だ。
このPremium-Lineは、Fractal Designとのコラボレーションによって実現しており、PCの信頼性に重要な役割を果たすPCケースと電源に、Fractal Designの製品を採用している。
同社は北欧スウェーデンに本拠を構えるPCブランドで、品質の良さ、信頼性には定評がある。また、「北欧デザイン」と称されるように、独特の上質感のあるシンプルなデザインも定評がある。
本製品が採用する「Define Nano S」はまさにFractal Design独特のデザインと品質、機能性を備えたPCケースだ。従来モデルが採用している「Define R5」(ATXフォームファクター)の弟分といえる存在で、容積は約50%とグッとコンパクトで扱いやすくなっている。
具体的なサイズは、203(幅)×330(奥行き)×400(高さ)mm。Mini-ITXフォームファクターとしてはこれでも大きめのサイズであるが、そのぶん拡張性は高く、SSD/HDDやグラフィックスカードは柔軟に選択できる。内部の空間に余裕があることでエアフローもスムーズで、静音性にもつながっている。なお、評価機はホワイトモデルだが、BTOではブラックモデルも選べる。
電源ユニットもFractal Designブランドの「Edison M」を採用している。信頼性に定評のあるSeasonicの設計をベースに日本製コンデンサの実装や独自の静音ファンを導入するなど、Fractal Design独自のカスタマイズを加えた内容となっている。80PLUS GOLD認証を取得しているように高変換効率(=電源の消費電力が低い)で、必要なケーブルだけが使えるセミモジュラータイプと、機能的にも申し分ない。BTOでは同モデルの電源容量違いのほか、より変換効率の高い80 PLUS Platinumに対応した電源も選択できる。
本製品の大きなこだわりポイントの1つが、PCケースファンとCPUクーラーをNoctua製で統一していることだ。同社はオーストリアに本拠を置く冷却パーツブランドで、その製品の冷却能力、冷却効率の高さは世界中から支持を集める。
PCパーツとして単体販売されているDefine Nano Sには、標準でケースファンとして140mm角(前面/1000rpm)と120mm角(背面/1200rpm)のファン搭載しているが、本製品ではこれに換えて、それぞれNoctuaの静音ファンを装着している。
具体的には、前面には140mm角/800rpmの「NH-A14ULN」、背面には120mm角/1200rpmの「NH-S12A FLX」というファンをそれぞれ装着している。特に前者は800rpmという超低回転なので、PCケースを開けた状態で回しても非常に静かだ。吸音材を張った側面パネルを閉じた状態では無音に近い。
また、CPUクーラーもやはりNoctua製の「NH-U12S」を標準で採用する。6mm径のヒートパイプを6本使用したニッケルメッキヒートシンクに120mm角という大きな口径のファンを組み合わせたクーラーだ。ファンはCPU温度に応じて可変するが、ヒートシンクの放熱効率が良いため、低い回転速度で効率的に冷却できる。
ケースファンはこれが標準装備となっており、BTOでも変更できない。CPUクーラーは他に2種類が選べるが、これらもNoctua製だ。サイコムのPCは自由度の高さが特徴だけに意外な気もするが、こうした冷却パーツはシステムの性能や信頼性、耐久性に大きな影響があるだけに、選択を間違うとシステム全体のクオリティに影響してしまう。この限定的な選択肢は、強いこだわりの表れだろう。
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