サードウェーブデジノスは8月18日、同社のゲーミングPC「GALLERIA(ガレリア)」のラインアップを拡充し、新しい製品シリーズ「GALLERIA Gamemaster(ガレリアゲームマスター)」を発売した。
Gamemasterシリーズは、最新スペックのパーツを真っ先に搭載するというGALLERIAの伝統は踏襲しつつも、従来とは異なる特徴が大きく3つある。
ゲーミングPCといえば、プレイするゲームに応じて構成をカスタマイズすることが当たり前であるというイメージがある。プレイするゲームに合わせてパーツを交換する、といったことも日常茶飯事なようにも思える。当然、そのユーザーはPC全般にも詳しく、メーカーや販売店のサポートもほぼ不要でありそうな気もする。
しかし、Gamemasterシリーズの特徴は、ゲーミングPCのユーザーへのイメージを覆すものだ。なぜ、サードウェーブデジノスは「玄人肌」を極力排除したゲーミングPCを出そうとしているのだろうか。
「ゲームマスター」は、オンラインゲームの管理者、あるいはサポート担当者を意味する。サードウェーブデジノスの田中基文社長は、Gamemasterの商品名がこのゲームマスターに由来するものであるとした上で、「ゲームプレーヤーがゲームを思う存分楽しめるように快適なプレイ環境を提供し、トラブル発生時のサポートを通してユーザーに寄り添うことで、全てのゲームプレーヤーに愛される存在になりたい」と、その名前に込めた思いを語った。
ゲームマスターが使うPCはパフォーマンスはもちろんだが、耐久性や安定性も求められる。田中社長は「ゲームマスターの方々が長時間使い続けられるような『ゲーム機』でもある」ことも、Gamemasterの命名理由であるとした。
先述の通り、ゲーミングPCでゲームを楽しんでいるユーザーはPCのスキルも高いイメージが強い。しかし、サードウェーブデジノスのゲーミング事業部部長の野口基督氏によると「(PCの)ハードウェアに詳しくなく、煩わされたくない、純粋にゲームを楽しみたい」というユーザーも最近では少なくないという。要するに「PCに詳しくないPCゲーマー」が増えているということだ。
当然だが、そのようなユーザーはゲームのためにハードウェアの構成を頻繁に変更することはない。その上、トラブル発生時に極力自力で問題に対処するスキルも持ち合わせていないことも多い。
しかしながら、コンシューマー向けのゲーム専用機とは異なり、PCでゲームを楽しもうとすると、OSやハードウェアの構成によってはプレイできなかったり、起動はできても快適にはほど遠い状況になったりもする。「PCでは安心できる『答え』を誰も教えてくれない」状況を、野口氏は「理不尽である」と考えているという。
そのような不安に対して、従来のGALLERIAシリーズでは「ゲーム推奨モデル」を用意してきた。ゲーム推奨モデルは、ゲームのリリース情報(必要要件やアップデートの内容など)を事前に提供してもらい、それに合わせて構成したPCをゲームケーカーでテストした上で認定されるものだ。特定のゲームを楽しむ上では動作保証がなされている上、そのゲームを楽しむ上での特典も用意されている一方で、そのような仕組みから、1機種につき1タイトルの「推奨」が事実上の限界である上に、他のゲームを快適に楽しめるかどうかは別問題だ。
そこで、Gamemasterではゲームのダウンロード・インストールからチュートリアルの完了までの動作検証を同社が行い、「サポートゲーム」として動作保証をすることで不安を払拭(ふっしょく)しようとしている。少なくとも、サポートゲームをプレイする限りは、「PCの置き場所を考えて、ケースの種類を選び、買いやすいモデルを選ぶだけで良い」(野口氏)。
サポートゲームは、8月17日現在で40タイトル登録されており、それらの最新情報はGamemaster公式サイトから確認できる。登録されていないゲームについては、同社が順次検証を行った上で追加することになっている。もしも動作を確認してほしいゲームがある場合は、サポート経由でリクエストできる。なお、サポートゲームの追加は「本体発売から少なくとも3年間」(野口氏)は継続する。
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