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» 2016年08月23日 18時44分 公開

Synology Note Stationで「すべてを記憶する」:Evernoteがプラン改訂!? よろしい、ならばSynologyだ!! (1/4)

NASを使って「企業に振り回されない環境」を作ろう。

[ITmedia]

仕方ない……けど!

 Evernoteの料金プランが改定された。

よろしい、ならばSynologyだ

 Evernoteは「すべてを記憶する」をキャッチフレーズに、さまざまなメディアの情報を一元的かつ網羅的に扱えるようにするクラウドサービスだ。ユーザー自身で作成したリッチフォーマットのメモはもちろん、Webページのクリップ、PDF、画像など、日々出会った情報を放り込んでおくことで、単なる外部記憶にとどまらない「第2の脳」として活用することができる。

 一般向けのEvernoteには有料・無料合わせて3つのプランがあるが、特徴的な点としてストレージ容量の上限ではなく、月間アップロード容量にプランごとの上限が定められていることが挙げられる(もっとも、情報の最小単位であるノートの数と、ノートあたりのサイズに上限があるため、理論的なストレージ容量の上限はある)。

 無料のベーシックでは月間アップロード容量60MB、有料のプラスでは1GB、同じく有料のプレミアムでは10GBとなっている。そのほか、機能面の違いとして、プラス以上でモバイル端末からのオフライン利用、メールからの保存、プレミアムだとPDF/Office文書/各種ファイル内の文字検索、ノート履歴が利用できるようになる。今回の改定ではベーシックの機能制限と、プラス/プレミアムの値上げが行われた。

 まずベーシックでの機能制限だが、ノートを同期できる端末数が無制限から2台までに制限された。Evernoteは常にユーザーの近くにあり、いつでも情報を入出力できる環境でこそ活用できるもの。2台という制限は自宅環境+モバイル1台でギリギリ、使い込んでいる人ほど厳しい制限と感じるだろう(ただしWeb版は対象外)。

 有料プランの価格改定としてはプラスは月額240円が360円に、年額2000円が3100円の値上げとなる。値上げ率でいうと月額で50%、年額では55%の大幅値上げだ。プレミアムプランは月額480円が600円、年額4000円が5200円、値上げ率で月額25%、年額30%の値上げとなる。こちらもプラスほどのインパクトではないものの、値上げ率はかなり高い。

Evernoteの価格プラン改定のおしらせ

各プランの機能比較。プレミアムの価格が4000円/年のままになっているが、実際には5200円/年

 実はEvernoteのプラン改定は2回目となる。1回目は2015年4月。それまで無料のベーシックと有料のプレミアム(4500円/月もしくは4000円/年)の2プランだったものが、新たな有料プランとしてプラス(240円/月もしくは2000円/年)が追加された。プラスはプレミアムからOffice文書/PDFファイル内検索、ノート履歴などの機能を省き、ノート最大サイズ50MB、月間アップロード容量1GBに制限した廉価版有料プラン。同時に3プランの差別化のためか、ベーシックからはメールをEvernoteに保存する機能が廃止され、プレミアムにはアップロード容量制限が無制限となった(ただし、プレミアムのアップロード容量無制限はわずか3カ月で撤廃され、10GB/月という制限が設けられている)。

 このときのプラン改定ではベーシックの制限がそれほど厳しくなかったこと、ベーシックとプレミアムの間を埋める新プラン、プラスの新設であったことからおおむね好意的に受け入れられたように思う。「年額4000円は高すぎるので多少の不満は我慢するが、年額2000円なら払ってもいい」という無料ユーザーがターゲットであり、プランを変更する気のないユーザーにとってはあまり影響のない変更だったからだろう。

2015年4月の価格改定。このときはまだ好意的な反応が多かったのだが……

 だが、今回の改定はすべてのユーザーにネガティブな影響がある。ベーシックユーザーにとっては機能制限、プラス/プレミアムユーザーにとっては単なる値上げでしかない。せめてプラス/プレミアムユーザーに対して「値上げしますが、この点は向上します」というものがあればよいのだが、Evernoteからは今後のさらなる改良・進化をお約束する、というだけでなんのコミットもない。すばらしい機能が追加されるかどうかも、それが自分のプランに適用されるか、有料ユーザーにとっては自分のプランの差別化として納得できるものになるのかもなにも保証がない状態だ。

 Evernoteは代表的なフリーミアムサービスだが、現在は経営再建のため、大幅な社員数削減や経営プランの見直しなどが図られている。無料利用者が増えすぎれば、そのコストを負担する有料利用者が「この料金はサービスに見合わない」と判断することにもなりかねず、経営判断として有料利用者に転じる見込みのない無料利用者を切り捨てることも、さらに有料利用者への負担を増やすこともありえる。そして最悪なケースはサービスの終了だ。今回のポジティブな要素のない改定を見るとそのような危機感を感じずにはいられない。

 自分の蓄積してきた「第2の脳」を企業の方針で取り上げられたり、利用を制限されたり、あるいは失ったりする危険性に対して、なんらかの手を打たなければならない時期にきているのではないだろうか。その方法の一つが「買い切りの代替アプリ」である、Synology Note Stationの利用だ。

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