8月某日。記者は秋葉原の中央通り沿いにあるゲーミングPC専門店「G-Tune:Garage」で、一人の男とにらみ合っていた。身長は180センチをゆうに超えるクマのような体つきの男――マウスコンピューターのPCゲーミングブランド「G-Tune」のマーケティングを担当する安田氏である。
「それで、本当にいいんですね?」、マウスコンピューターの若手スタッフT氏がそう切り出した。我々は互いに頷き、大画面ディスプレイの前に並べられたアーケードコントローラーに手を伸ばす。画面にはカプコンの最新格闘ゲーム「ストリートファイターV」が映し出され、今まさに負けられない戦いが始まろうとしていた――。
事の発端は5月に行われた「RAGEマスターリーグ玄武杯」にさかのぼる。玄武杯はストリートファイターVを競技種目としたトーナメント式の国内大会の1つで、これにマウスコンピューターが協賛し、プロも含む総勢128名のゲーマーが賞金をかけて戦いを繰り広げた。その熱気に沸く会場で出会ったのが安田氏である。
彼は準決勝で行われたyukadon氏(決勝で金デヴ氏を抑え本大会の優勝者になった) vs. kazunoko氏(プロゲーマー。ウル4で世界大会優勝の実績を持つ)の対戦について、独自の見解を交えながら見どころを解説し、記者に同意を求めてきたのだった。すごい早口だった。正直、何を言っているのか分からなかったが、なんとなく相づちを打ちながら「さすがG-Tuneの担当者ともなるとゲームも上手なんだな」と思ったのを覚えている。
しかしそれは大きな誤解だった。後から若手スタッフのT氏に聞いたところによると、彼はストリートファイターVの「ほぼ初心者」であり、格ゲーマニアを自認するT氏の見立てでは「デモ機のセッティング中にプレイしてるの見たことありますけど、操作も慣れてないし正直……先輩なのであんまり言えないですけど」とのこと。そこで記者はある計画を思いついたのである。
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