続・林信行の「iPhone 7」先行レビュー新時代の幕開けを予感させる「iPhone 7」(1/3 ページ)

» 2016年09月14日 18時55分 公開
[林信行ITmedia]

ステレオスピーカー内蔵、ヘッドフォンはLightning接続に

 先に掲載した「林信行の『iPhone 7』先行レビュー」に続き、本稿では大幅に進化したオーディオ関連や防水機能について見ていこう。


 iPhone 7のオーディオでまず目を引くのは、内蔵スピーカーが“横持ちステレオ”になったことだろう。これまでのiPhoneの内蔵スピーカーは、撮影した動画の確認などには十分すぎるレベルのものであったが、ソファなどで寝転びながら動画を見ようとすると、音が片側だけのモノラル、しかも音量はそれほど大きくなかった(そうした事情からわざと手のひらで音を反射させて、聞こえやすくしていた人もいるかもしれない)。

 一方、iPhone 7シリーズのスピーカーは出力される音量が明らかに大きくなった上に、ステレオになっており、音楽や映画などのコンテンツも本体だけでかなり楽しめる。左右のセパレーションも結構はっきりしている。通話時の耳当て部と、従来通りの本体下側スピーカーという、向きも形状も違うスピーカーできちんとステレオになるのか不安だったが、実際に聞いてみると結構、普通のステレオスピーカーとして楽しめる。また、当然ながら本体の向きを反転させるとスピーカーの音の左右も自動的に反転して入れ替わる。

ステレオスピーカーになったiPhone 7

 ちなみにiPhoneをポートレートモード(縦長モード)で持った場合でも、一応、本体下側の2つのスピーカーがステレオ再生を行っているようだ。ただし、こちらに関してはそれほど左右のセパレーションはハッキリしない。

 ヘッドフォン回りの状況も大きく変わった。iPhone 7からヘッドフォン端子がなくなったというのは大きな話題になったので知っている人も多いだろう。発表会では「現在、iPhoneの内部は高密度化されておりバッテリーやその他の新機能が数mmのスペースを争っている」「現在のヘッドフォン用プラグは100年近く前の電話交換機のプラグに端を発している」として、新時代の端子へ移行する必要性をアピールした。

 別にiPhoneでヘッドフォンが使えなくなったわけではなく、きちんとiPhone本体にすぐに使えるヘッドフォン(Lightning端子接続)が付属しているし、これまでの愛用していた有線ヘッドフォンをつなぐためのLightning-ミニプラグアダプターも付属している。こうした変更による大きな音質の変化もない。ただ、有線接続では、これまでのようにiPhoneを充電しながら音楽を楽しむということはできなくなった。

Lightning接続のヘッドフォンと変換アダプターが付属する

Bluetoothの未来を予見させる「AirPods」

 Appleは、ユーザーが最終的には、少し高価ではあるが、より快適なワイヤレスヘッドフォンに移行することを望んでいるようだ。今回、新たにAirPodsという独自のワイヤレスヘッドフォンを開発している(iPhone 7とは別売り。1万6800円で10月後半から販売開始)。

10月後半に発売されるワイヤレスヘッドフォン「AirPods」

 AirPodの見た目は、iPhone付属のEarPodsヘッドフォンからケーブルだけ取り去ったような形だ。両耳に入れて音楽を楽しむこともできれば、片方だけ装着して通話用のBluetoothヘッドセットとして使うこともできる。

 耳に装着すると、それまでiPhoneのスピーカーから聞こえていた音楽の再生が自動的にAirPodsに切り替わる。耳からAirPodsを取り出すと自動的に音楽の再生が一時停止し、再び耳に入れると再生が再開する。また、一度の接続設定をしたことがないはずなのに、隣に置いたiPadで映画の再生を始めると、自動的に接続先がそちらに切り替わり映画の音が聞こえてくる。

 このように驚くほど直感的に利用ができるのがAirPodsの最大の魅力だ。開発に当たってApple社内で、ぼう大な検証や試行錯誤、どう動作するべきかの議論が重ねられたことを感じさせる。

 AirPodsで前代未聞なほど画期的なのが、初期設定の方法だ。通常、Bluetoothヘッドセットを使おうとすると、まずペアリングという操作をしなければならず骨が折れる。通常はヘッドフォンのボタンを長押ししてから、iPhone側の設定パネルを開いてBluetoothを選択し……と慣れれば大したことはないのだが、それでも面倒なことにはかわりない。

 AirPodは「本当にこれでいいの?」と首をかしげるほど簡単にこの設定が完了する。製品パッケージからAirPodsが入った携帯用プラスチックケースを取り出して、ペアリングしたいiPhoneに近づけて、ふたを開ける。

 たった、これだけの動作で、すぐにiPhoneの画面にペアリング可能な「AirPods」が近くにあることを知らせる画面が表示される。ここで「接続する」というボタンを押せば接続完了だ(iPhone側のWi-FiとBluetoothがオンになっている必要がある)。

驚くほど簡単にペアリングができる

 しかも、一度、ここで接続設定をすれば、その設定がiCloudを通して、自分が使っている他の機器、例えばiPadやMacとも共有され、それらの機器では設定なしで利用できるようになる。

 ここまで簡単なBluetooth機器のペアリング方法はこれまでになかったはずだ。Appleは、これを実現するために今回、新たにW1というワイヤレス接続専用のチップを独自開発。一説によれば、同社は現在、マイクロプロセッサを自前開発するためにカリフォルニアの本社よりも巨大な設備をテキサス州に所有していると言われており、こうした高度なインテリジェント機能を開発する度に、莫大な資金力を生かして専用チップを開発し、製品作りにいかしているようだ。

 開発されたW1チップは、Appleの子会社であるBeatsが発表した新型ヘッドフォンにも内蔵されており、それらのヘッドフォンでも同様の手軽さで設定が可能だ。W1チップにはジャイロセンサーなども内蔵されているようで、本体を指で軽くチョンチョンと叩くとiPhoneでSiriが起動し、音声操作が可能になる。

 iPhone側で常にバッテリー残量を確認でき、残りが足りなくなってきたら、付属のケースに収納するとケース自体が充電式バッテリーになっており、コンセントに繋がなくてもある程度は充電できる。AirPodsは音質の面でも同じ価格帯の他のBluetoothヘッドセットと比べて遜色がない。

 AirPodsはAppleの最新テクノロジーをいち早く試したい人には、間違いなくオススメの製品だ。ただ、わりと音漏れしやすい機構になっているので、電車通勤での利用時は音量に注意が必要だろう。

 また、耳の形状によっては装着時の見た目が、ちょっと風変わりに見えてしまうことがある。装着したときに、マイクがやや斜め前に突き出るような耳の形をしている人はそれほど違和感はないが、マイク部が真下に落ちるような形で固定される耳を持つ人も多いようで、こうなるとやや民族系アクセサリーのような独特な雰囲気になってしまう。顔立ちによって、それが似合うこともあれば、少し変に見えることもある。日常使いを考えている人は、一度、店頭で装着テストをしたほうがいいかもしれない。

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