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» 2016年09月14日 20時31分 UPDATE

よりアクティブに進化した2世代目のApple Watch:林信行の「Apple Watch Series 2」先行レビュー (1/2)

防水機能を備え、GPSも内蔵した新Apple Watch。林信行氏が発売直前の先行レビュー。

[林信行,ITmedia]

世界2位の時計メーカー、Appleが放つスマートウォッチの第二弾

 9月16日、注目度が高いiPhone 7シリーズと時を同じくして、待望のApple Watch新シリーズが発売される。

防水性が加わり、水泳にも利用ができるようになった「Apple Watch Series 2」

 Apple Watchは、ここ日本でも簡単にバンドを付け替えられるファッションウォッチとしてじわじわと人気をあげてきているようで、sacaiやANREALAGEといった日本のファッションデザイナーとのコラボバンドが発売されたり、ブラジルのリオではオリンピックを現地で観戦した人限定のバンドが発売されたりして話題になっている。

 ある調査によれば世界の時計市場の売上高ランキングで、既にAppleはROLEXに次ぐ2位となっており、3位以下のFOSSIL、OMEGA、Cartier、CITIZEN、SEIKO、Patek Philippe、LONGINES、TISSOT、CASIOよりも時計の販売で大きな売り上げを占めるに至ったという。

 そんなApple Watchに、最初の製品が出てから16カ月を経て、ついに新ハードが追加される(これまでにも新発表はあったがHERMESとのコラボやバンドの新色や新素材が主で、本体の変更はなかった)。

 Apple Watchシリーズに新たに加わる2016年の新作、Apple Watch Series 2は、同製品の主力ユーザー層の一つであるアクティブにアウトドアスポーツを楽しむ層にはうれしい仕上がりとなっている。従来のApple Watchとの主な違いは4点だ。

 一つ目は、高速なプロセッサーの搭載で、従来のApple Watchよりもグラフィック性能が50%近く向上している。二つ目は、画面の明るさで従来のApple Watchの2倍にあたる1000nitを実現した。実はAppleがこれまで作ってきたディスプレイの中でも最も明るいもので、さんさんと太陽が降り注ぐ屋外でも画面の数値を読み取るのに適している。

 三つ目は防水機能だ。iPhone 7シリーズは、「ちょっとなら水に落としても大丈夫」という耐水性をうたった製品になっているが、それに対してApple Watch Series 2は防水であり、これを腕につけたまま激しい泳ぎをしても問題ない構造になっている。

 そして四つ目がGPSの内蔵だ。これまでのApple Watchのランニングエクササイズでも、自分がどのようなルートを通ったのか取得することはできたが、それは一緒に持ち歩くiPhoneのGPSやWi-Fiの位置情報を元にしていた。一方、Apple Watch Series 2では、iPhoneを持たずにApple Watchだけでエクササイズを楽しみたい人や、オープンウォーターでの遠泳を楽しみたい人が、きちんとどんなところを走った(泳いだ)か、後から振り返れるように、Watch単体でGPS情報を記録してくれる。

iPhoneとApple Watchを切り離した状態で、散歩をしてみたところ。ちゃんと歩いた経路が記録されていた

 こうした機能的な進化とは別に、新たな素材を使ったモデルも登場した。Apple WatchのフラグシップであるApple Watch Editionコレクションが一新され、18金に代わってセラミック素材を採用したモデルが登場したのだ。

 ステンレスの4倍といわれる硬質で頑丈なセラミック素材の白色ケースは、これまでのApple Watchと比べても異彩を放っており、ファッションアイテムとしても注目を集めそうだ。また、これまでのApple Watchが身につけられなかった金属アレルギーの人たちが安心して使えるApple Watchになるのではないか、という期待も高まっている(この点について金属として露出している部分がないかの細かな検証はできていない)。

画期的な防水やGPS機能でユーザーをアクティブにサポート

 Apple Watch Series 2の機能は絶妙だ。既にApple Watch Series 1を持っている人、特に水泳やiPhoneなしでのジョギングを行わない人は、無理をしてSeries 2に乗り換える理由はなさそう……というのは海外の話で、日本モデルのApple Watchだけは、Apple Payに対応したFeliCaチップが搭載されている、という大きな変更がある。

 つまり、Apple PayやSuicaの機能をiPhoneだけでなく、Apple Watchから利用したい場合、買い替えが必須になる。iPhoneは現行モデルをそのまま使い続け、Apple PayはApple Watchから利用したいという人もかなりいるようで、Apple Watchの国内人気はSuica対応でさらに勢いを増しそうだ。

Apple Watchで改札をくぐる日も近い

 新Apple Watchの一つ目の機能は、CPU、GPUプロセッサーの処理能力向上。これは最近増えつつあるApple Watch用ゲームをプレイすると性能差が分かる部分もあるが、Apple Watchで積極的にアプリを利用していない人にとっては、それほど気にならない変化だろう。

 二つ目の高輝度ディスプレイは、確かに晴天下でエクササイズ中の記録を確認するのには便利だ。ただ、基本的にApple Watchは常に画面をつけっぱなしにするものでもないし、バッテリー節約のため黒バックの表示が多いので、太陽の下でApple Watchを見る機会がよほど多い人でないと、それほど恩恵を受ける部分ではないかもしれない。

 ついでに言ってしまうと、これまでのApple Watchも耐水性はかなり高く、三つ目に挙げた防水性能も水泳をしない人にはあまり関係がない機能かもしれない。しかし、この防水の仕組みはかなり面白いことをやっているので改めて紹介しよう。

 iPhoneの画面がそうであるように、Apple Watchのタッチパネルディスプレイも水が触れると、それをタッチ操作があったものと勘違いして誤作動してしまう。そこでApple Watchを使って水泳を行う場合は、あらかじめウォッチ側で防水ロックをかけることになる(「ワークアウト」アプリから水泳のワークアウトなどを選ぶと自動的にこのモードに入る)。

 防水ロックをかけると、画面の上に水滴のマークが表示され、Apple Watchの画面を触っても一切操作ができなくなる。再び操作をするにはデジタルクラウン(リュウズ)を2回転させる。回転を始めると画面に水滴のマークが現れるので、これが円になるまでリュウズをどちらかの方向に回し続ける。すると、Apple Watchから「プープープー」という防水ロック解除の音が鳴り、万が一、スピーカーなどに水が入っていた場合には、その水が吐き出される。本体の機能を守るために、水を吐き出す機能をつけた時計は、これが世界でも初めてではないだろうか。

防水ロック中は画面の上に水滴のマークが表示される(画面=左)。防水モードは、画面を下から上にスワイプすると出てくるコントロールパネルからも呼び出すことができる(画面=右)

 Apple Watchは、プールだけでなく、湖や海での水泳にも対応している(ただしスキューバーダイビングなどの潜水やウォータースキーなど噴水を浴びる可能性があるアクティビティには対応していない)。なお、水泳時にはエラストマー素材のスポーツバンドの利用が推奨されている。

 ワークアウトアプリでスイミングを選んでから泳ぎ始めると、その人の泳ぎ方がクロールなのか、平泳ぎなのか、あるいはバタフライなのか、背泳ぎなのか、腕の動きを見て自動的に認識し、あらかじめ入力した身長などのデータも利用して、実際に泳いだ距離や消費カロリーを割り出してくれる。水泳のエクササイズでは、プール端でのターンを自動的に認識してラップタイムを計ったり、平均ラップを出してくれたりする。。

 四つ目のGPSは、iPhoneを持たずにジョギングやランニングを本格的に楽しむための機能だ。ジョギングやランニング時に、自分がどういう経路を走ったか記録している人は多く、そういう人たちに向けたGPS内蔵スポーツウォッチは、これまでにもたくさん出ていた。

 しかし、そうしたGPSウォッチの多くは、衛星を捕捉して位置情報を割り出すまでに時間がかかった。Apple Watchでは、家やホテルを出るまではiPhoneが現在地を取得してくれているので、Apple Watchもこの情報を経て自分の位置を把握できる。このため、Apple Watchは常に衛星がどの辺りにあるのかを把握しており、現在地が不明な状態から衛星を探し始める他のGPSウォッチと比べても、最初の位置確認が素早く行えるのだ。

 Apple Watch Series 2のGPSでもう一つ画期的なのは、湖や海での水泳中の位置情報も割り出してくれることだ。クロールで泳いでいる場合は、Apple Watchをはめた腕が水面上に浮上した瞬間に位置情報を計測し、それを時刻とともに記録する。泳ぎ終わった後、そうして記録された位置情報の点をつなぎあわせて、泳いだルートを地図化してくれる(この機能については今回、検証まではしていない)。

 もちろん、新Apple Watchには、心の抑制効果を高める「呼吸」アプリや、車椅子のアクティビティを正しく計る機能、家にあるHomeKit対応家電を腕からコントロールする機能など、新OSの魅力も加わっている。

Apple WatchはHomeKitにも対応。家にHomeKit対応のエアコンや電球があれば手元からタップ操作やSiriの音声命令で操作ができる

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